海に吹く風

海の大好きな私
ここで皆さんとお話しましょう

日々思うこと、短歌についても書いていきます

ニセアカシア

2009-05-05 16:28:16 | 短歌
 アカシアの真白き花の房揺れてセーラー服の並ぶ教室 

若い頃白い藤の花そっくりの花をつける樹をアカシアと思っていた。
それは私だけでなく世間の人みながそう思っていた。
本当のアカシアはミモザのような黄色の花で、私がアカシアと思っていたのはニセアカシアというのだと知ったのはいつごろだったのだろう。

西田佐知子の『アカシアの雨がやむとき』も石原裕次郎の『赤いハンカチ』に出てくるアカシアもこのニセアカシアのことだった。

このニセアカシアの樹は中学校の平屋の木造校舎の窓の外に並んでいた。
木造校舎は長廊下のように長く、アカシアの樹もたくさんあった。
綺麗に並木になっているというより自然に生えていたような感じだった。
そしてその向こうには池があった。

5月になるとニセアカシアの強い香りが漂ってきて、授業を受けるのも気がそぞろになった。
それでなくても授業中に空想にふけっていた私は余計外の様子に気を取られていた。
藤の花にそっくりな花が風に揺れている風情が好きだった。
中学の思い出はこのニセアカシの花の姿と香りに集約している。

今・・・近くの川辺を散歩したらニセアカシアの花が満開だった。
はるかな昔・・憧憬がそのまま生きることであった時代。。
コメント (2)
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