アントンK「趣味の履歴簿」

趣味としている音楽・鉄道を中心に気ままに綴る独断と偏見のブログです。

大田区アマオケの祭典2017

2017-10-22 20:00:00 | 音楽/芸術

団員である友人よりチケットを譲り受け、今回も大田フィルハーモニーの演奏会に行ってきた。

会場は本拠地である大田区民ホールだが、いつもの通りオーケストラを聴くにはあまりよろしくないホールに感じてしまう。それは今となっては、東京には響きの良いホールが五万とあり、普段そういったホールで鑑賞しているから、自分自身の耳が肥えてしまっていることもあると思う。やはりクラシック音楽、特にオーケストラを聴く場合は、残響のある、そして雰囲気の良いホールで聴きたいものだ。演奏者の方々も、アマチュアならなおさら良いホールで演奏すべきに思うが、それは言い過ぎか・・

さて今回のプログラムはチャイコフスキー中心の楽曲が並ぶが、その中でヴァイオリン協奏曲が演奏され、独奏者に木野雅之氏が招かれていた。アントンKにとっては大変懐かしく感じた名前だったが、かつて木野氏は、日本フィルでコンマスをされていた方らしい。どこかでお見受けしたお顔であると直感的にはわかったが、当時とはあまりに風貌が変わられていたため、思い出せずにいた訳だ。恩師であるルッジェーロ・リッチ先生の楽器で今回演奏したとコメントしていたが、なかなか情熱的な演奏を繰り広げており、これだけ聴けただけでも満足。逆に言えば、20人近くのVnパートの音の非力さを露呈してしまった形になってしまった。目の前の譜面に食い付き、必死に音符を追う姿は見ていてよくわかったが、そこから生まれる音楽は、残念ながらアントンKには語りかけてくれなかった。第2楽章の出の木管楽器のユニゾンで奏される部分は、あまりに機械的で気持ちの無い音色にがっかり来たが、それに続く木野氏の暖かいフレーズに救われていたように思う。

休憩後のメインプロである「くるみ割り人形」は、人気があり有名な楽曲であるが、実演はやはり難しい楽曲のようだ。細かなポイントをいちいち取り上げないが、全体として気になったのは、オーケストラの音のバランス感覚。全奏になると、弦楽器はほとんど聴こえなくなってしまうのだ。つまり管楽器や打楽器の音量がそういったポイントで凄まじくなるということだ。これでは、どこかの吹奏楽団と同じであり、管弦楽曲の基本に立ち返ればすぐにわかるはずだが、アントンKにはどうもそこが理解出来ないところだ。技術は未熟でも、音楽を愛する心はプロに負けないのがアマオケの魅力ではなかったか?自分の奏でている音楽が好きで好きでたまらないことが、演奏の色艶になって聴衆を包み込むはずではなかったのか。今回の演奏会では、そんなことを考えさせられてしまった。そんな想いの中、最後に唯一友人の奏するチェレスタの響きが素晴らしかったことは、ここに記しておきたい。それは終演後、指揮者がわざわざ友人を舞台前方まで招いて敬意を表したくらいなのだ。40年以上にも及ぶ彼との付き合いの中で、その生真面目で武骨な性格が、今回の演奏に現れていたような気がしている。拍子を身体で取りながら、リズミックに演奏する彼の姿を見て嬉しくなってしまったのだ。

大田区アマチェアオーケストラの祭典2017

大田フィルハーモニー管弦楽団演奏会

ブラームス 大学祝典序曲 OP80

チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲ニ長調 OP35

チャイコフスキー 「くるみ割り人形」より OP71

指揮 守谷 弘

Vn 木野 雅之



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