7月に日本の指揮者界の大御所外山雄三氏(92)の訃報にふれたばかりだというのに、今月は、ワーグナー指揮者として著名な功績を遺した飯守泰次郎氏(82)まで旅立たれた。アントンKにとって、両指揮者とも馴染み深いというところまで、実演奏に触れずに来てしまった。外山氏の演奏は、ベートーヴェンやチャイコフスキーといったメジャーな楽曲の録音を聴くに留まるが、飯守氏に関しては、ブルックナーも十八番ということから、過去に何回か実演に出向いたことがある。またエアチェックした数々の録音が残っていて、それを聴き返して懐かしく想いを馳せているのだ。
現在の日本指揮者界は、世界指揮者である小澤征爾(85)を筆頭に、多くの名前が連なっているが、この中から、さらに多くのファンを獲得し、そして何よりも独自性の高い演奏を繰り広げる指揮者がどのくらい出現してくるのか今から楽しみでならない。
小林研一郎(83)、秋山和慶(82)、井上道義(76)、尾高忠明(75)、・・・と年齢順に考えると自分も含めて年を食ったという印象が浮き彫りになる。指揮者は50歳からと言われるらしいが、この時代、年齢で区切ることはナンセンスだろう。普段は合唱指揮で、オケの指揮台には立っていない冨平恭平氏は、まだまだお若い年齢のはず。なのにアマオケ相手に飛んでもないブルックナーを実演してしまうのだ。重要なのは、より多くの音楽体験なのだろう。現代ではいとも簡単に数多くの情報を取れるから、今後ますます期待できそうである。
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