長年愛読してきた月刊誌がまた一つ消えてしまった。
いつの間にか町の書店が消えてしまったように、昔から毎月のように読んでいた雑誌の類は、ここにきて随分減ってしまったことに気が付く。今回取り上げる音楽之友社の月刊誌「レコード芸術」にも、数々の思い出がありとても寂しく感じている。クラシック音楽専門誌で、もともと親父が愛読していた雑誌だった。物心つく時代になったアントンKも、合間に雑誌を目を通していたのだ。当時、いの一番にページをめくったのは、各レコード会社の発売広告だったと思うが、今後新発売されるレコードの情報が得られる唯一の手段だったのだ。まだ、カラヤンやベーム、バーンスタインといった有名指揮者が最後の活躍をしていた時代だったから、新譜は必ずチェックしていたことも懐かしい。時代が進み、ネット時代が訪れると、これら毎月の愉しみが全てネットに置き換わってしまったのだ。一時雑誌の付録として、新譜の一部をCDにして添付していた時期もあったが、今思うと紙媒体の最期の抵抗だったのか。ある時からそのCD添付も無くしたようである。
レコ芸とともに過ごした時代は、FMのエアチェックも盛んに行い、よく海外からの演奏会ライブを楽しみに聴いていたものだった。新譜月評を読み熱くなって、そのCDを買いに店に走ったり、また裏切られたり、色々刺激の多い時代でもあり、現在のような平坦で画一化された時代よりも楽しかったように感じてしまうのだ。「レコード芸術」は休刊になったが、今後割り切って時代に沿ったネット配信でも開始して頂けたら嬉しいのだが、どこまでそんな形のない配信を楽しめるのか、今は自信がないのである。
いつも身近にあった
レコード芸術。
又 1つ消えて行きますね~。
残念です・・。