
現在、JR東日本の首都圏内通勤型電車は、E231系やE233系といった形式に統一されつつあり、昨今では最新型のE235系が勢力を伸ばそうとしている。山手線に続き、最近では横須賀線用もお目見えし、今後は一気に増殖する勢いなのだ。
アントンKにとって、横須賀線と言えば、やはり113系電車、いわゆる近郊型電車をまず思い浮かべてしまう。総武線快速電車との相互乗り入れが始まる頃、113系に1000番台が登場し、品川から現在の長いトンネルを抜けて走るようになった。グリーン車が当時からあり、普通車はセミクロスシートと言われる座席配置で、乗車するとよくクロスシートを狙って乗り込んだものだ。しかし、現在の217系電車は、編成の両端部にセミクロスが残るのみで、他の車両は全て通勤電車のようなロングシートが並んでいる。ちょっとした旅に出た場合、やはりロングシートでいく旅と、クロスシートに座る旅とでは、明らかに移動の醍醐味が変わってくるはずなのだ。昔なら、クロスシートに座り、窓を開け放して進行方向を見ながら流れる景色を堪能したもの。遠い話になってしまった。
101・103系などの通勤電車と区別するため、113系や115系のことを中電と呼んでいた気がするが定かではない。アントンKには、中電に乗車=旅に出る、そんな図式が当時あって、どこかワクワクして乗車したことを思い出す。社会構造そのものが変わり、人口も増え通勤距離も昔とは比べ物にならず、セミクロスなどという中途半端な車両は時代に合わなくなったと判断されたのかも。情緒もなくなったものだ。
掲載画像は、常磐線を中心に活躍していた交直流の近郊型401系電車。それも低運転台のクハ401初期車で、電動車は、非力のMT46だったと記憶している。EF80を狙いに茨城まで来て、合間の電車たちにも個性があり、飽きることなど皆無だったあの時代が本当に懐かしく思えてしまう。
1981-11-13 736M Tc401 水戸線:笠間付近
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