アントンK「趣味の履歴簿」

趣味としている音楽・鉄道を中心に気ままに綴る独断と偏見のブログです。

EF64 0番代消滅の悲報・・

2021-02-06 20:00:00 | 鉄道写真(EL)

現在、ロクヨンゼロとして唯一の稼働機関車だった、JR東日本のEF6437号機が春のダイヤ改正を待たずして引退したとの報道があった。

今のアントンKにとっては、来る時が来たという感想で、案外冷静でいられる。あっという間に貨物機はいなくなり、最後までJR東日本に残った数両の時点で、本来のEF64たるロクヨンの強みや武器が消え去っていたように思う。それでも高崎常駐時代、特急けん引機に抜擢され、「あけぼの」のヘッドマークを掲げて力走したのは、今思えば最後の花道だった。振り返れば、アントンKにとってEF64 0番代は、一番最初に意識した国鉄の新型電機だった。幼少の時代は、中央線に出向くことが多くあり、出会うのも必然的にロクヨンだった気がする。もちろん1000番代など生まれていない時代だから、山の機関車としての印象は深く刻まれていった。登山客のために残された客車による夜行列車の先頭に立ったのは、もちろんEF64 0番代。オレンジ色の電暖灯が客車に染みて、トンネルの中へと消えていく残像は今もって忘れられないシーンだ。また貨物列車は重連けん引で、本領を発揮、特に発車時のノッチオンからのブロア音の独特な響きは、まだ耳に残って離れることは無い。

近年ロクヨンゼロの姿を見ると、どこか可哀そうに思えて仕方がなかった。工事列車をこそこそと引いて姿を現わしたり、かと思えば老体に鞭打って、E26形カシオペアフル編成を単機で牽き山に入っていた。いつも整備が行き届き綺麗な姿でいられた、そして最晩年は、ブルーの原色に戻されたことがせめてもの救いに感じていたのである。コロナ禍も手伝ってか、古くなった国鉄型機関車もここへ来て淘汰が進む兆しが鮮明になってきてしまった。鉄道ファンにとっても、これらの機関車たちが消えていくことは、どこか腑に落ちない、やり切れない気持ちだけが残ってしまうのではないだろうか。

掲載写真は、まだ中央線でも最も標高が高い区間をいくEF64重連貨物列車。一番好きだった初期ロットのロクヨンに会えて嬉しかった想いが蘇ってくる。

1998-11-10   2456ㇾ  EF64 5+64       JR東日本/中央東線:信濃境-富士見