東北のブルトレシリーズ、続いて特急「あけぼの」。
最後のブルートレイン「北斗星」が消滅してすでに4年近くの歳月が流れたが、東北ブルトレとして比較的近年まで存続していた列車が「あけぼの」だろう。アントンKにとっても、このブルトレ「あけぼの」には、思い出も多く、歴史ある名特急だから比較的写真も多く残されている。かと言って、アントンKには、特急「あけぼの」というとどうしても東北本線から奥羽本線周りのブルトレというイメージが最後まで抜けなかった。近年まで残っていた、上越~羽越線周りの「あけぼの」にはどこか違和感があり、何か違うなという感覚があったのだ。まあ現代のカメラ機材を使い、夜間走行撮影など楽しめたことは嬉しかったのだが、純粋な過去の想いに立ち返ると、全く別の列車に思えたのである。もっともこの「あけぼの」も新幹線北伸の影響で、経由路線をたびたび変更してきた列車だから、頭の固いアントンKが着いていけないだけなのだろう。そんな列車に対する想いも、今後時間が経つと忘れてしまいそうなので、ここに記述しておきたい。
アントンKが鉄道撮影を始めた時代、東海道線の九州ブルトレ以外にはヘッドマークが無く、当時初めて見た「あけぼの」にもEF65PFにはマークは無かった。それがJR化直前、全ての列車にマークが着く事がわかると、まず全ての列車のヘッドマークがターゲットとなったが、中でもED75 700番台の「あけぼの」はどうしても撮影したかった。それは、特急「あけぼの」はやはり急行「津軽」同様に秋田地方への特急列車だと思うし、実際のダイヤもそのように設定されていたと思う。EF81ではなく、裏縦貫線用に開発され活躍したED75 700番台に牽かせてこそ本来の姿であると勝手に思い込んでいたのだ。錆びついた過去を写真とともに振り返り、自身の想いや体験を書き留めようと思っているが、懐かしさと同時に今の自分の中では、どこか空虚感に支配されてしまい、寂しさがつのるのだ。
写真は、何度となく撮影したED75700番台けん引の特急「あけぼの」。季節を勘違いして頭に光が入っていない駄作を掲載。現代のカメラなら、たとえ思わぬ条件でも何とか救えるはずだが、ポジではここまでか・・そんな当時の想いも懐かしさに変わっている。叶う事なら、今も変わらぬこのお立ち台でもう一度撮影してみたいと心から思うのだ。
1996-10-05 1001ㇾ ED75741 特急「あけぼの」 JR東日本/奥羽本線:白沢-陣場