アントンK「趣味の履歴簿」

趣味としている音楽・鉄道を中心に気ままに綴る独断と偏見のブログです。

冬のゴハチの忘れ物

2019-02-10 13:00:00 | 国鉄時代(モノクロ)

その年の撮り納めをすべく、東海道から関西線、紀勢線を廻ってラストにここ名古屋まで戻ってきた。EF58の牽く荷物列車をバルブ撮影して〆ようという魂胆だった。当時はすでにゴハチは下関へ集中配置され、ある程度決まった機番しか稼働していなかったように思う。何度かトライして、ようやく100番という綺麗なゴハチの登場となった。

蒸気暖房のゴハチは、冬季に機体から白い蒸気を出して走行するシーンを見たものだが、機関車交換時、あるいは客車に連結する前には、まるで爆発したかのように蒸気を空高く噴射する。掲載写真はちょうどそんなシーンの1コマ。大みそかの夜空に立ち上がる蒸気を見て、「俺はまだまだ走れるぞっ!」と我々に語りかけているようにしか思えず、胸が熱くなったことを思い出してしまう。

数か月後、現実に電気暖房のEF62に道を譲り、こんなシーンも永遠に見られなくなってしまった。

1983-12-31     荷30ㇾ  EF58100         東海道本線:名古屋にて