![Sunset_9_15_1 Sunset_9_15_1](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/86/5aa9dab78dbbd431947f123a259b8ddf.jpg)
ボクにとっては、それは鮮烈な想像力のテロルだったが、おそらく書店員は、そのイマジネーションの意味も理解することなく、その放置された檸檬をいとも簡単に片付けたことであろう。
大島渚の『新宿泥棒日記』が、製作されるはるか前だったし、そのころボク自身もまだジャン・ジュネという泥棒作家の存在を知らなかったと思う。
そう、ボクは書を捨てるどころか、書を持っていきつけになりつつあった「ジャズ・ヴィレ」へ直行したのだった。実は、その大きめのフーテンバッグにはワンダーフォーゲルとか、信州の山の名前なんかが乱雑にマジックで手描きされていた。そのバックは「ヴィレ」で知り合った友人から譲り受けたものだった。「ヴィレ」で早い時期に知り合った仲間のひとりだったが、中上健次が後に書いたエッセイによると、彼は早死にしたようである。その名を染谷と言った。
夕焼評論/(つづく)
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