禰寝孝次郎(ねじめこうじろう)氏のスペイン式クラシックギター製作法と言う本がある。
クラシックギターを愛好する以上は、その構造などを知っておいても悪くはないだろうと言うことで、時々読んでいる。
その内容からちょっと引用してみる
***以下引用***
表面板表センター(駒の位置付近)を中指の関節でコンコンと叩き、音程を採る。耳で聞いた音を声に出してチューナーではかってみると、C4の削り具合で音程が下がっていくことが分かるはずだ。今回Gの50セント上に調整した、・・・中略・・・どの音程を選択するかは非常に難しいが、こつをつかめばウルフトーンの位置をコントロールできるので、是非マスターしたいテクニックだ。
***以上引用***
C4と言うのは表面板の裏側に放射状に配置してある響棒のちょうど真ん中にある棒のことだ。
ここで、気になったのはギターの生命である表面板を作るときはその固有振動数をどれかの音に合わせてあって(この場合はGの半音の半分ぐらい上に合わせてある)、この周波数および倍音ではギターがよく響くと言うことになる。この音のことをウルフトーンというらしい。
私のギターはG#が異常によく響く、このことと関係があるのではないかと思いさっそくネットで調べてみた。
Googleに「ウルフトーン ギター」と入れて検索するとたくさん出てきた。
いろいろと書いてあるのをまとめると次の通り
①どんなギターでも一番共鳴しやすい音程がありそれをウルフトーンと呼んでいる
②ウルフトーンを無くすことは出来ない
③一オクターブの中に2カ所あるらしい
④ある音にピッタリウルフが来ているのは良くない
⑤よく弾き込んで楽器が枯れてくると目立たなくなる
⑥銘器フレタやハウザーのほとんどにかなりのウルフがあるのも事実
ギタルラ社のホームページhttp://www.guitarra.co.jp/guiter.html
江崎秀行氏のブログhttp://ezaki.eshizuoka.jp/e43142.html
河野ギター製作所のホームページhttp://www.kohno-guitar.org/advice/index.html
を参考にしました。
と言うことで、自分のギターでG#が異常に響くのはこのウルフトーンがちょうどG#に来ているためであると言うことが分かりました。
1オクターブの中に2カ所ということですがもう1カ所はまだよく分かりませんが、以前F#もよく響くなぁと思ったことがあるので、F#かもしれません。3弦開放のGもよく響くのでこの辺りがウルフトーンと言うことかもしれません。
よく響くギターはウルフトーンが目立って、あまり響かないギターを弾き込む方がいいと書いてあるところもありました。
自分のギターは、アランフェスのNo720、表面板は桜井氏の監修とのことですが、よく響く代わりにウルフトーンが目立ってしまったと言うことです。
今まで、訳の分からなかった現象に説明が付いたので多少ホッとしていますが、次にこれは何とかならないんだろうかと考え始めています。
弾き方やタッチなどを工夫して弾いて欲しいと言うことでしょうが、なかなか出来ないのがくやしいですねぇ。
楽器を弾き込んで枯れてくる前に自分が枯れてしまいそうですし、まあ妥協するしかないですね。