いわき鹿島の極楽蜻蛉庵

いわき市鹿島町の歴史と情報。
それに周辺の話題。
時折、プライベートも少々。

兄妹旅日記 ⑧

2009-03-24 07:29:18 | Weblog
   3月14日
 AM9:30に博多を発つ。
 山陽自動車道を通って周防灘、瀬戸内海沿い眺めながら大阪まで行くのだが、距離的に云って途中で寄り道していく余裕は全くない強行軍の一日だ。
 広島の八幡PAで車を止め、昼食と小用を済ませた。
 妹が缶コーヒ-と,つまみ類を車の中に持ち込んだ。

 高速道路一辺倒で突っ走ってきたが、それでも神戸の町に入った頃には日が暮れてしまった。
 大阪市内のメイン通りは、車線は多いのだが車の通行量も激しい。
 義弟が地図を見て、この先を右だの左だのといっても早めに言ってくれない限り車線変更は難しいくらいだ。
 そして少しでも前を開けようものなら直ぐに他車が割り込んで入ってくる。

 かねよし旅館は、宗右衛門町にあって旅館の裏側は道頓堀。
 4人で夜の街を歩く。道頓堀の川の水面がネオンの光を鏡のように撥ね返す。
 法善寺横町へ向かう途中の一角に、たこ焼き屋が二軒並んでいる露天があり、場所が良いのだろう途切れなく客が寄ってくる。
 私たちも関西のたこ焼きを食べようと、母娘でやっている店に近づくと隣の若い男の呼び子が空かさず寄ってきて「やめておきなさい、ウチの方が美味しいのだから。ここのは、とても食べられたものじゃない」というようなことを関西弁でまくしたてた。
 
 私たちは唖然とした。しかし、たこ焼きは母娘のものを買うことにした。
 相手も流石に力ずくで阻止することはできないのだろう、別の客にまた同じようなことを大声を張り上げて言っていた。
 営業妨害も甚だしく、大阪弁で「えげつない」とは、こういうことを云うのだなだなとつくづく感じた。
 お金を払う時に私は「ひどいことを言うものだねえ」と、おばさんに言ったら「いつも、こうなんですよ」と母娘で弱々しく笑ってみせた。

 励ましになるのかどうか判らないが、私たちは「頑張ってね」と言い残して去ったが、あの行為は明らかに嫌がらせであり、立ち退かせるための魂胆であることが窺えた。
 帰り際に、嫌がらせの若い男は二人居たことに気付く。

 街の散策を取りやめて四舟のたこ焼きを部屋に持ち帰り、今日の出来事と明日の予定の確認をした。
 口にした、たこ焼きそのものが、あの母娘の味と温もりのようだった。《続く》

 

 
 
 
 
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