いわき鹿島の極楽蜻蛉庵

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鹿島の昔話 「大川と大山」

2010-04-14 07:14:17 | Weblog
          兄弟は大山を越えて必死になって帰ってきた》  分類・民

                             

  鹿島の昔ばなし⑤ 大川と大山

 昔、こういうことがあったんだと。
 兄弟がお盆の花を採りに行ったんだけども山奥に入ってしまって、帰る道が判んなくなってしまったと。 
 検討が付かねえもんだから益々山の中に入っていってしまったら、もっと先の方でピカーリピカリと灯りが見えてきたというんだ。
 兄弟は灯りを頼りに、そこさ行ってみるとお婆さんがいたんだと。

 「おばんです」と言って入っていったら「おめえら良く来たな、こんな所に、なんさ(何しに)来たんだ?」と聞いたから事情を話すと「ああ良く来た、んではなんぼか疲れていっぺから休んだほうがええ」と言ってくれた。
 兄弟二人は喜んで「んではお世話になります」という訳で休んでいたんだと。

 弟は寝入ったけど兄の方は初めての所だし眠くもなかったから目を開けていたけど、その内に小便がしたくなったので起き上がったら変な音がするので隣の部屋を覘いてみたら、婆っぱさんというのは実は鬼婆で、大きな出刃包丁を研いでいるところだったんだと。
 スグに弟を起こして耳元で「ここは鬼婆の家かも知んねえから小便しさ行くと言って出っぺ、そんでねえと出らんねえから」と言って逃げる算段をしていたら、鬼婆が気付いて「小便なら構わねえからそこでしろ」と言う。

 兄が機転を利かせて「おいらは、こんな所さ小便をしたことねえからヤッパリ外でしてくる」と言ったら、鬼婆は仕方なさそうに舌打ちをして「そんなら便所はそこだから早くしてこ」と言ったと。
 外に出た途端に夢中で逃げ出したら鬼婆も「待てえー」と叫びながら追いかけてくる。
 追われて追われて二人は死に物狂いで走りながら「神様、どうか俺らの後ろが大川になるようにお願いします」と祈ると大川が出来た。
 すると鬼婆は、その大川の水を皆飲んで追いかけてくる。

 今度は「神様、神様、最後のお願いだー、俺らの後ろが大山になるようお願えーします」と言いながら逃げて逃げて、やっとの思いで家さ、たどり着くことができたと。     おわり
 
 
  本日の催し  4月14日(水)    一白 先負   旧暦3/1

◆「ひまわり会」 10:00~  於・鹿島公民館   0246-29-2250

◆「フラサークルかしま」 10:30~  於・鹿島公民館   0246-29-2250

     
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