根性鬼灯（ほおずき）

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　分類 ： PV

　故人とホオズキとの因果関係は……？　分からない。
　父親が亡くなったのは８８歳の平成８年だったが、どういう訳かその翌年から毎年、濡れ縁の板と板との僅か１センチほどの隙間からホオズキが成るようになった＝写真下。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　《縁側を突き抜けて実を付けるホオズキ》
　植えた （または蒔いた） 覚えがないし、他人がそうしたとも全く聞いた事がない。根が張って増えてきたので、これ幸いとばかりに庭の数か所に移植したことがあるが１～２年で枯れてしまう。
　近所の人が欲しがって持っていくのだが、これも長持ちしないで首を捻る。
　そう言えば庭にホオズキのある家は無いとまでは言わないが、至って少ないのではないだろうか。


　　　　　　　　　　　　　　　《お盆には仏壇に供えられるよう赤くなって応えてくれる》
　何の手入れもせずに放って置きっぱなしでも立派な赤い実をつけてくれるので有り難いのだが、一つだけ気になる事がある。
　父親が死去して今年は２０回目の御盆を迎えるが、そう言えば生前、陽が落ちて風呂上がりに、この縁側で気持ちよさそうに夕涼みをしていた父の姿が思い出されてならない。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　《ホオズキに占拠された縁側を篤と御覧あれ》
　この２～３日、猛暑が続いているので、そろそろこのような話しは如何でしょうか。