いわき鹿島の極楽蜻蛉庵

いわき市鹿島町の歴史と情報。
それに周辺の話題。
時折、プライベートも少々。

嫁送りの松

2009-10-07 08:39:28 | Weblog
                《嫁送りの松と石碑》     分類・地歴

 石城郡鹿島村当時(現・いわき市鹿島町)は、小名浜方面に御代坂、平方面には、くうじ山(軍事山・軍次山)に覆われていることが禍して、交通の便が悪くバスでさえ朝夕を除いて日中は2時間に1本ぐらいの運行でした。

 地元の人たちは、そのバスも余程の事でない限り利用せず、例えば平の「七夕祭り」や年末に行われた「でこ(出庫)市」、小名浜の「諏訪神社の祭り」あるいは湯本の「金比羅祭り」など片道8~10キロの道程を歩いて往来することは当たり前でした。
 つまり、足が最善の交通手段だった時代があったのです。

 周囲が活気ある他町村であるにも拘わらず、地理的には中心の鹿島は単なる殺風景な寒村でした。
 鹿島に娘を嫁に出すということは親も本人も躊躇して決断するまでには足踏み状態になったようです。

 特に山口、高久、藤原地区方面の直接的な道路は開かれていませんでしたから、まるで獣道のような山を幾つか踏み越えての嫁入りでした。

 嫁送りの松(写真)は、現在の中央台南中学校バス停付近にありますが、この辺りが丁度、鹿島との村境になり高台でもありましたから「お嫁さん」を送ってきた親戚縁者や村人たちは、この場所まで来ると名残を惜しんで手を振りながらお別れしました。

 碑文には「嫁送りの松」の銘が打ってあるだけなので、これを目にする今の人たちには残念ながら抽象的で何のことなのか中々、理解できないかも知れません。
 恐らく後世に残る記念碑なのでしょうから短文でも良いから、せめて説明文を添えて欲しいなと思っています。 
 

  本日の催し  10月 7日(水)    九紫 友引  旧暦 8/19

◆市民講座「『能』体験講座~謡と仕舞」  13:30~  於・鹿島公民館


            
コメント
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