復活節第3日にきくのも、トン・コープマンたちによるカンタータ。伝承されているなかから選らんだのは、「われは生く、わが心よ、汝の憂いは喜びと化さん」で、いわゆるピカンダー年巻のカンタータです(1729年4月19日初演)。このBWV145の構成は、二重唱―レチタティーヴォ―アリア―レチタティーヴォ―コラールという5曲で、『バッハ事典』によれば、二重唱とアリアは「ケーテン時代の世俗曲にさかのぼる可能性がある」とのこと。たしかに、ヴァイオリン独奏がめざましい二重唱にしろ、トランペット、フルート、オーボエ・ダモーレが編成されたアリアにしろ、喜悦に満ちた音楽で、原曲が誕生日や新年の祝賀のための音楽であってもおかしくありません。
CD : CC 72219(Challenge Classics)