今週後半は、ネヴィル・マリナーとサーストン・ダートたちによる4曲の管弦楽組曲(DECCA 430 378-2)を楽しんできました。1970年録音と半世紀以上が経過したものですが、いきいきとした演奏をきくことができます。これからきくのは第4番で、ほかの3曲と同じく、序曲は楽譜上AABCBCという部分からなっています。録音ではAABCと演奏されますが、Aのくり返しではトランペットなしで演奏されており、この曲の初期稿の響きを楽しむことができます(ダートがそれを狙ったのかは不明ですが)。ダートは初期稿によるブランデンブルク協奏曲集の録音中、1971年に亡くなったので、完了したマリナーとの共同作業はこの管弦楽組曲集が最後になりました。マリナーは1978年に管弦楽組曲集を再録しており、ダートとは距離をとった演奏ですが、より洗練された演奏で、録音状態もずいぶんよくなっています。