これからきくのは、VOCES8(ヴォーチェス・エイト)による「来ませ、イエスよ、来ませ」です。このBWV229は、ヨーハン・シェレ(バッハの前々任のトーマスカントル)未亡人の追悼用とも推測される二部からなるモテット。そもそもの歌詞は、パウル・テュミッヒの手になる葬送アリアで、シェレがその歌詞に作曲(トーマス学校長ヤーコプ・トマジウスの葬儀用)しました。バッハはテュミッヒの歌詞第1節を第1部(8声の二重合唱)に、同第2節を第2部(4声合唱)にあて、歌詞をこまやかに反映したモテットに作曲しています。
CD : SIGCD213(Signum Records)