今週後半から来週前半にかけてきいていくのは、ルーカ・オベルティのチェンバロ。「Johann Sebastian Bach an italian journey」(2016年録音)と題されたアルバムから、6曲の収録曲を順番に楽しみます。収録されているのは、「an italian journey」とあるように、イタリアと直接的、間接的に関係した作品。まず今日きくのは独奏チェンバロのためのニ長調の協奏曲(BWV972)で、これはアントニオ・ヴィヴァルディの「調和の霊感」作品3第9番を原曲とする編曲です。オベルティの演奏でおもしろいのはラルゲット。速めのテンポ設定の中、レジストレーションとアーティキュレーションによって、リピエーノ(左手)とコンチェルティーノ(右手)をくっきりと対比させています。使用楽器は、キース・ヒルの2005年製チェンバロ(パスカル・タスカンによる)です。
CD : A 443(ARCANA)