OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

あれから40年……

2007-07-14 15:43:24 | Weblog

台風接近の中、明日は赴任地の某イベントへ、おやじバンドで出演とあって、午前中は練習とリハーサルに出ました。演目は5月の時と変わりなく、ちょっと新曲も入れましたが、問題は出来の良し悪しよりも、明日の天候……。野外だからなぁ……。

ということで、気がつけば本日はジョン・コルトレーンの命日でした。40年前の1967年7月14日、天国へ召された偉人は、今もってジャズの支柱であり続けています。そこで――

The Coltrane Legacy / John Coltrane (Atlantic)

コルトレーンの没後、確か1970年頃になって世に出た未発表曲集です。しかし銀色インクを使ったモノトーンのアルバムジャケットは、なかなか味があります。

収録された演奏は、もちろんメンツもセッション年月日も各々バラバラなんですが、とりあえずB面はミルト・ジャクソンと競演した「バグス&トレーン(Atlantic1368)」から、またA面は1960年10月と翌年5月のセッションから余り曲を集めて、統一感を出しています――

A-1 26-2 (1960年10月26日録音)
 個人的にはジョン・コルトレーンが絶好調を記録したと思い込んでいる日のセッションですから、余り曲といっても不滅の演奏が聞かれます。
 メンバーはジョン・コルトレーン(ts,ss)、マッコイ・タイナー(p)、スティーヴ・デイビス(b)、エルビン・ジョーンズ(ds) という、お馴染みのカルテット! そして演奏されるのは激烈モード曲ですから、たまりません。エルビン・ジョーンズも爆発していますが、まず最初からピアノを休ませて、ジョン・コルトレーンが好き放題に吹きまくりです。
 で、ようやく次にマッコイ・タイナーが登場して、これまた自由度の高いアドリブを披露すると、再び出てくるコルトレーンは、ソプラノサックスに持ち替えて吹きまくるという、一粒で二度美味しいという仕上がりになっています。

A-2 Original Untitled Ballad (1961年5月25日録音)
 情熱の名盤「オレ(Atlantic1373)」からの余り曲なので、悪いはずがありません。もちろんメンバーはフレディ・ハバード(tp)、エリック・ドルフィー(fl)、ジョン・コルトレーン(ss,ts)、マッコイ・タイナー(p)、レジー・ワークマン'(b)、アート・デイビス(b)、エルビン・ジョーンズ(ds) という、当時、バリバリの若手最強軍団です!
 曲調は、タイトルどおりに泣きのバラードなんですが、そこはかとない哀しみと若い情熱が交じり合った力強さが大きな魅力♪ まず、ピアノのイントロに続き、エリック・ドルフィーがフルートでせつなくテーマを吹奏してくれますから、泣けてきます。それを受け継ぐジョン・コルトレーンのソプラスサックス、またフレディ・ハバードのトランペットも味がありますねぇ~。
 もちろんアドリブパートでも3者の個性が存分に楽しめますが、リズム隊の強靭なグルーヴも素晴らしいかぎりで、エルビン・ジョーンズのブラシには何時もながら感服させられます。またビル・エバンスに接近したマッコイ・タイナーも良いですねっ♪

A-3 Untitled Original (1960年10月24日録音)
 再びジョン・コルトレーン(ss)、マッコイ・タイナー(p)、スティーヴ・デイビス(b)、エルビン・ジョーンズ(ds) というカルテットによる演奏です。
 曲はミディアムテンポの、なんとなく聞いたことのある雰囲気ですが、ジョン・コルトレーンはソプラノサックスで音符過多のスタイルを貫きとおしていながら、どこか安らぎを求めて止まないところがあります。
 それはマッコイ・タイナーも右倣えですが、これってもしかしたら同日に録音された「Central Park West」の変奏かもしれませんですねっ♪

B-1 Centerpiece (1959年1月15日録音)
B-2 Stairway To The Stars (1959年1月15日録音)
B-3 Blues Legacy (1959年1月15日録音)
 さて上記3曲が入ったB面は、ブルースとハードバップにどっぷりという、これまた別の意味で嬉しいセッションを集めています。メンバーはジョン・コルトレーン(ts)、ミルト・ジャクソン(vib)、ハンク・ジョーン(p)、ポール・チェンバース(b)、コニー・ケイ(ds) という趣味性豊かな面々♪
 まず「Centerpiece」はちょっと古いカンサスシティスタイルの中間派ブルースか? と思って作曲クレジットをみたら、ハリー・エディソン(tp) の名前がありました。とはいえ、ミルト・ジャクソンのブルースフィーリングは不滅のジャズ魂に彩られ、リズム隊は強靭なハードバップ感覚で粘っこいグルーヴを発散させています。ですからジョン・コルトレーンも既に完成の域に入っていたシーツ・オブ・サウンドを駆使してウダウダブリブリに吹きまくり! ちょっと纏まりが良くありませんが、ついつい惹きこれまてしまいます。
 2曲目の「Stairway To The Stars」は人気スタンダードですから、歌物名人のミルト・ジャクソンがシンプルながら大名演! 余韻と歌心の妙が素晴らしいですねぇ~♪ またジョン・コルトレーンも硬質な音色と素直なテーマ変奏で期待を裏切りません。ゆるやかで短い演奏ですが、こういうのもハードバップの魅力だと思います。いやぁ、和みますねぇ♪
 そしてオーラスの「Blues Legacy」が、思わせぶりたっぷりというブルース大会です。テーマを吹奏するジョン・コルトレーンに合の手を入れるミルト・ジャクソンが、そのまんま、アドリブに流れ込んでいくあたりから、気分はモダンジャズにどっぷりです♪ あぁ、このたっぷりとしたグルーヴは、名人リズムセクションの成せる技でしょう。この控えめな「間」の取り方こそ、ジャズの魅力かもしれません。しかしジョン・コルトレーンは、最初こそそれに従っていますが、少しずつ本性を現しての音符過多症候群に陥っていくあたりが痛快です! またそれを洒落たコードとブルース感覚で中和していくハンク・ジョーンズの素敵なピアノタッチが、素晴らしいですねぇ~~~~~♪

ということで、余り曲集ながら、流石の勢いと本物のジャズ魂に溢れた名演が続出しています。CD時代となった今日では、各曲がそれぞのオリジナルアルバムにボーナストラックとして収録されているのかもしれませんが、アナログ盤時代のこのアルバムには捨て難い魅力があって、個人的にはジャケットを壁に飾っていたこともありました。

本日、あらためて合掌……。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 一味違うBN作品 | トップ | ギターとベースは素敵な仲間 »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
はじめまして♪ (サイケおやじ)
2007-07-15 08:36:21
☆北限の猿様
ようこそ、いらっしゃいませ♪
コメントありがとうございます。
車の中で聴くジャズも楽しいですねっ♪
仰るとおり、「星への階段」は和みます。
この作品以降はハードバップから離れていくコルトレーンなんですが、歌物での和みを失わなかったのは、流石だと思います。
返信する
遺産 (北限の猿)
2007-07-15 01:02:21
 はじめまして サイケおやじ様
何時も のぞき見ばかりしているモノです。
高校二年生の頃かな~このアルバム買ったのは・・
今では 車のCDチェンジャーの中で回っています
Side-2-2 星への階段 しびれます
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Weblog」カテゴリの最新記事