OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

チェルシーの朝は妖精の舞

2014-02-16 14:58:48 | Pops

チェルシーの朝 / Sergio Mendes & Brasil '66 (A&M / キングレコード)

またまた昨日の続きなりますが、フィギュアスケートのバックミュージックには特有の浮遊感が必要と思えば、本日掲載のシングル盤A面曲「チェルシーの朝 / Chelsea Morning」は、なかなかイケてるような気がするんですが、いかがなものでしょう?

もちろん、演じているセルジオ・メンデスとブラジル'66=セルメンのバージョンでなければいけません。

実はご存じのとおり、この曲はジョニ・ミッチェルが自作自演のオリジナルで、そりゃ~、彼女のバージョンだって個性的な浮遊感が表出しているのは言わずもがなの真実なんですが、ラテンロックがグッとフュージョンに接近した、このセルメンの歌と演奏こそが、フィギュアスケートの特に女子の演技には相応しい仕上がりですよ♪♪~♪

ちなみに説明不要とは思いますが、セルメンはボサノバでブレイクし、以降はソフトロックやサイケデリックポップスからの影響も自分達のフィルターを通して表現していた、非常にセンス抜群の音楽性が特徴的なグループですから、この「チェルシーの朝 / Chelsea Morning」を発表した1971年当時は、ちょうど同じラテンフュージョン~ジャズノバのジャンルで大ブレイクしていたチック・コリアのリターン・トゥ・フォーエバーを意識したようなところがあっても、それは然るべきなのでしょう。

実際、ここで聞かれるセルジオ・メンデスのピアノはチック・コリアみたいな「白鍵」優先主義が目立ちますし、それまでのスタジオレコーディングで続けていたストリングの多用やアレンジに凝った緻密な作りよりは、所謂アンプラグドなバンドサウンドに方向性を戻しているのが、尚更にモダンジャズっぽい感じです。

しかしそれでも絶対にセルメンのイメージが崩れていないのは、ラニ・ホールのファルセットボーカルとそれに寄り添うカレン・フィリップのちょっぴりソフトな歌声がジャストミートの重なりを聞かせてくれるからでしょう。

実は掲載ジャケ写のキャプションにもあるとおり、この時期のセルメンはメンパーチェンジが行われ、その新布陣によるポートレイトも使われているんですが、現実的なレコーディングセッションは旧メンバーが中心的に参加していたようで、その推定メンバーはセルジオ・メンデス(key) 以下、ラニ・ホール(vo)、カレン・フィリップ(vo)、セバスチャン・ネト(b)、ドン・ウン・ロマン(ds)、ルーベンス・バッシーニ(per)、そして代替ミュージシャンとして、クラウディオ・スローン(ds)、オスカル・カストロ・ネベス(g)、グラシーニャ・レポラーセ(vo) が入り乱れての制作だったと言われていますが……。

結論を述べさせていただければ、この「チェルシーの朝 / Chelsea Morning」を含むアルバム「スティルネス」を最後にラニ・ホールとドン・ウン・ロマンがセルメンを去ってしまったのは残念至極!

特にドラムスや打楽器の楽しいノリの凄さは、他のバンドでは容易に再現されない国宝級のグルーヴですし、何よりもラニ・ホールの歌声がセルメンそのものという印象さえありましたからっ!

ということで、繰り返しになりますが、セルメン版チェルシーの朝 / Chelsea Morning」の素晴らしさは、聴くほどに深まります♪♪~♪

あぁ~、このピート感と浮遊感♪♪~♪

これで氷上の舞いを演じてくれる妖精こそが、サイケおやじには金メダルというわけです。

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