■地獄へ道づれ / Queen (EMI / 東芝)
地獄を見たのは初めてじゃ~ありませが、あらためて思うのは、この世の中、綺麗事だけじゃ~済まされないなぁ~~、という当たり前の真実です。
もちろん、理想を追求するのは美しいし、素晴らしい事なんですが、だからと言って周囲にそれを強要したところで、何も事態は改善しないわけですよ。
そして、なるべくならば嘘は無い方が良いっ!
ということで、どうにか地獄から脱出したサイケおやじが本日ご紹介したいのは、クイーンが1980年に放ったメガヒット「地獄へ道づれ / Another One Bites the Dust」であります。
皆様ご存じのとおり、この頃のクイーンは雑食性が旺盛で、それはアルバム単位の大作主義から離れた方向性の様でしたから、デビュー以来のファンが違和感を覚えるのとは別に、新しいリスナーを掴む事との折り合いは如何にっ!?
そんな雰囲気が滲んでいたのも、前作シングル曲「愛という名の欲望 / Crazy Little Thing Called Love」がロカビリーのパロディを真剣に演じきっての大ヒットになっていましたからねぇ~、続けて世に出た新作アルバム「ザ・ゲーム」のとりとめのない仕上がりが賛否両論だった事は、今でも語り草でしょう。
ところが、そこからカットされたこの「地獄へ道づれ / Another One Bites the Dust」には、シングル盤扱いだからこその痛快性が確かにあって、それは驚くなかれのファンキー大会!?!
これは実際に聴いていただければ納得されると思いますが、耳に残るジョン・ディーコンのベースラインは、人気黒人グループのシックから完全に頂戴したという疑惑が否定出来ませんし、それでいてギターやドラムスの如何にも白人っぽい感じやクイーンが十八番のSE的サウンド作りの妙があってこそ、フレディ・マーキュリーの押しの強い節回しも冴えまくり♪♪~♪
ほとんどメロディらしいメロディが出ないのに、これはクイーンでしかありえないという仕上がりは、忽ちサイケおやじの好みにジャストミートでありました♪♪~♪
巷間云われているように、デビュー以来のクイーンはアメリカで成功する事が急務とされながら、1970年代にはそれが果たされたとは言い難い状況でしたから、こ~ゆ~作風への転換も有意義だったのでしょう、そのヒット状況はブラックチャートでも上位にランクされる結果となり、おそらくはクイーンのシングル諸作の中ではベストテン級に知られている楽曲かもしれません。
うむ、こんなにイカシたビートとサウンドがあれば、地獄で何故悪いっ!?
なぁ~んていう妄言も吐いてしまいそうなのが、現在のサイケおやじです。
最後になりましたが、ここ数日の私的地獄行の間、皆様からの応援や励ましのコメントには大いに助けられました。
心から、感謝申し上げます。
だからと言ってダメなものは駄目で…しかしその誘いに乗ってその場を平穏化…いいのか、わるいのか!
“嘘も方便”なる教訓も…?
自分は72の今日まで何度このような自分に赤面するようなことがあっただろうかと、思い出しています
真から恥ずかしく情けない思い出は忘れようとしても忘れないものですね、
それが天狗になって失敗しないための歯止めになっていると自嘲する人生です