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OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

パブロフの……

2007-02-13 18:17:01 | Weblog

休み明けは仕事も山積みというか、いろいろと後始末に追われている感じです。

気合が必要ですね、こういう時は!

そこで――

Thmas Franck Qurtet At The Circus (Stunt)

いまさら……、と思いつつもジョン・コルトレーン(ts) の演奏には熱くさせられますし、その物真似バンドにも惹かれてしまうのは、私の世代のジャズ者には哀しいサガかもしれません。

実際、ジョン・コルトレーン没後から1970年代半ばあたりまでは、その音楽性を継承した演奏、特にテナーサックス奏者はそうでなければ受け容れられないという土壌が、日本のジャズ喫茶には確かにありました。

ですから、そんな空間で青春時代を送った者にとっては、現在でもコルトレーン派の演奏に耳を奪われてしまうのですが、こういうのって私だけでしょうか……?

で、本日の1枚は今世紀に入ってから入手したブツですが、中身は完全に1970年代ノリという、ある種のナツメロ感覚が眩しい仕上がりです。

録音は1999年5月5日のライブ音源で、メンバーは Tomas Frankc(ts)、Carsten Dahl(p)、Lennart Ginman(b)、Ole Streenberg(ds) という、見事なまでの成りきりカルテットです――

01 Hello Young Lovers
 個人的には好きな、楽しい系のスタンダード曲なんで、大いに熱い演奏を期待したのですが、結果は「何が悲しくて、こんな演奏を……」でした。
 確かに Tomas Frankc のスタイルはジョン・コルトレーンを模倣していますが、無理に自分だけの個性をつけようと虚しい奮闘が見え隠れしているのです。
 しかしリズム隊が、けっこう重たいノリなんで、失礼ながら、かろうじて救われている感じです。
 で、その中では Carsten Dahl が良いですねぇ~♪ この人は日本製作盤も含めて、幾つかリーダー盤を出していますが、ここで聞かれるようなモードに真っ向勝負の演奏が、一番リスナーの心を捕らえるんじゃないでしょうか? 私は好きですねぇ~♪ キース・ジャレットとシダー・ウォルトンの中間位のスタイルが琴線に触れるのです。

02 Some Other Minor Blues
 所謂スピリッチャル系の厳かな演奏です。
 それは緩やかで重いテンポ設定から、Tomas Frankc が暗く呻き、お約束のシーツ・オブ・サウンドで音の洪水を撒き散らしていきますが、中身があるかどうかは個人によって判断が分かれるでしょう。長ったらしい演奏が虚しくない、と言えば嘘になる雰囲気です。
 しかし、それを救うのが、ここでも Carsten Dahl です。この人のアドリブパート=ピアノトリオになると、俄然、場が引き締まるというか、あたりがジャズ喫茶モードに染まっていくのでした。

03 Ballad For Laila
 スローな演奏で、Tomas Frankc が意外なほどに良い歌心を聞かせてくれます。テナーサックスそのものの音色も魅力がありますから、もっと素直にいけばいいんですけど……。ここでの減点はベースのイモさ加減です! あ~ぁ……。

04 Blues In The Basement
 快適なノリのブルースで、初っ端から Carsten Dahl がグルーヴィに迫ってきますから、期待度満点の出だしです。あぁ、これがジャズの良さだと思いますねぇ~。素直にノッている自分が恐いほどです。
 そして大歓声の中、ついに Tomas Frankc が本領発揮のモード節! リズム隊とのコンビネーションも良く、あぁ、この人は本当にジョン・コルトレーンが好きなんだろうなぁ~♪ と感情移入してしまうのでした。
 盛り上がったところで、ドラムスとの対決があるのは、お約束です!

05 In A Sentimental Mood
 オーラスはジョン・コルトレーンの代表的なバラード演奏に挑戦した無謀な企てですが、もはやここまでくると憎めません。落ち着きの無いドラムスゆえに、なんか学生バンドみたいになっていますが、バンド全体は懸命の演奏に終始しています。

ということで、ジャケットはつまらないし、本音はどーしようも無いアルバムだと思いますが、なぜか聴いてしまう作品です。というよりも、実は店頭で流れていたのが気になって、速攻で買ってしまったのが本当のところです。

結局、こういう演奏は私のような者にとっては「パブロフの犬」なんでしょうか……。恥ずかしながら、そのあたりをつけこまれて買ってしまったブツが、私の手元にはかなりあるのでした。

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Lennart Ginman・Tomas Franck (KOJI)
2007-02-13 20:59:25
すみません!Lennart Ginmanの話で・・・Lennart Ginman/Kirk Lightsey 1991というアルバムを持っていますが、私はこのなかでのLennart Ginman の演奏がとても気に入っています。このCDを聴いた時、本当に久しぶりいいCDに恵まれたと思ったぐらいでした。Ginman とLightsey の呼吸(息)がぴったりと思います。Tomas Franckも迫力のある演奏をしていますね。
では!
返信する
Lennart Ginman (サイケおやじ)
2007-02-14 20:24:01
☆KOJI様
失礼しました。
オススメのアルバムは聴いてみたいと思います。
Lennart Ginmanは、このアルバムでも、他曲では健闘しているのですが……。
返信する
At the circus (KOJI)
2007-02-14 20:40:55
サイケ様、
まだAt the Circus のアルバムは聴いていません。
今度聴く機会がありましたら、またコメントしたいと思います。ありがとうございました。
返信する

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