■枯葉の街 / 由紀さおり (東芝)
さてさて、秋も真っ盛りということで、本日はその中の正統派歌謡ポップスを出してきました。
ご存じ、由紀さおりが昭和44(1969)年秋にヒットさせた、曲タイトルもそのまんまの「枯葉の街」であります。
もちろん当時の彼女は「夜明けのスキャット」のメガヒットにより、一躍歌謡界のスタアになった頃ですから、その路線を推し進めていくのが所謂プログラムピクチャー方式による制作姿勢なんでしょうが、それにしてもここまでお洒落なサウンドが歌謡曲として扱われていたところに当時のハイブラウな感覚の極みがあるようです。
それはジャケットに記載があるとおり、どうやらその頃に上映されていた同名の映画「枯葉の街」にインスパイアされて作られた楽曲ということで、いずみたくが仕掛人として鋭意作曲！
そして山上路夫の作詞と渋谷毅の編曲を得て歌うのが由紀さおり♪♪～♪
もう、それだけで素敵なフィーリングは、これ以上ありませんよねぇ～♪
ちなみに件の映画「枯葉の街」をサイケおやじは未だに鑑賞したことがないんですが、ちょっと調べてみたらフランスとイタリアで撮られた（？）、ミレーユ・ダルク主演の恋愛物らしいので、そういうヨーロピアンな哀切感が、由紀さおりの「枯葉の街」に投影されているような……。
しかし、そんなことはあんまり関係ないと思うほど、これは素敵な歌に仕上がっていると思います。
冒頓系生ギターと抑え気味のストリングス、そしてせつせつと歌ってくれる由紀さおのボーカルが良い味出しまくりなんですよ♪♪～♪
ということで、由紀さおりのレコードの中ではイマイチ、人気が低い感じなんですが、この丁寧な作りは流石ですし、なによりも秋向きの名曲名唱を作り出さんとするソングライターや歌手の心意気がイヤミなく伝わってくるあたり、一筋縄ではいきません。
季節限定かもしれませんが、それゆえに味わい深い歌でしょうねぇ～♪
