OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

悶絶! クイーンの狂詩曲!

2014-11-13 15:14:21 | Queen

Bohemian Rhapsody / Queen (EMI / Elektra / ワーナーパイオニア)

以前、音楽好きの年下の友人から、ジョン・レノンよりもフレディ・マーキュリーが死んだショックが大きい!

と言われて、それこそ、こっちは大ショック……。

思わず絶句してしまったんですが、冷静になってみれば件の友人は十代の多感な時期を1970年代後半に過ごしていたので、それはそれで許容するべきなのでしょう。

なにしろその頃のクイーンは向かうところ敵無し!

個人的にはジョン・レノンはフレディ・マーキュリー程度か……!?

という気持ちは否めませんが、しかしだからと言ってフレディ・マーキュリーやクイーンが嫌いなわけではありません。

むしろクイーンはビートルズが活動停止して以降、尤も屹立した存在となり、そこへ至る決定打となったのが、1975年に発表された本日掲載のシングル盤A面曲「Bohemian Rhapsody」でありましょう。

とにかく楽曲については今更サイケおやじが稚拙な筆を弄するまでもなく、冒頭の多重コーラスからピアノの弾き語りによるフレディ・マーキュリーの哀切節、そして欧州オペラ趣味丸出しの大仰な合唱パートを経て繰り広げられるハードロックの醍醐味は震えがくるほどで、しかも盛り上がりきったところで再びフレディ・マーキュリーの刹那の独白(?)で終わる5分50秒ほどの波乱万丈にして奇想天外な構成は、まさにクイーンをして唯一無二の存在と感激させられるものです。

しかも徹頭徹尾作りあげられた様式美の中にはジョン・ディーコン&ロジャー・テイラー組による渾身の力強いロックビートが躍動し、サウンドの要を司るブライアン・メイのギターの鳴りの心地良さがあるんですから、こんなものがシングル曲で堂々の世界的な大ヒットになってしまうという摩訶不思議が、常識を超越したクイーンというバンドの凄さにちがいありません。

当然ながら、サイケおやじもリアルタイムで聴いた瞬間、驚愕と高揚感の高まりに襲われ、完全に虜になりましたからねぇ~~♪

そして恐ろしいのは、これってライブステージでやれるのかっ!?

というのが全くの愚問であったという真実でしょう。特別な難関であろう中間部のオペラ的合唱パートはテープと映像を使って暗転させ、時にはその場でフレディ・マーキュリーが衣装替えまでしてハードロックパートに突入登場するという演出は、クイーンが偉大なるライブバンドとしての証でありました。

あのあたりは実際の巡業に接した皆様ならば説明不要の名場面でしょうし、今でも様々な動画でご覧いただけますので、後は自ずと好き嫌いが分かれるかもしれません。

また、こうしたスタイルは何もクイーンが突発的に始めたことではなく、それまでにもザ・フー、あるいはエレクトリック・ライト・オーケストラ=ELOを率いていたロイ・ウッドやジェフ・リンが、その前身であるムーブの諸作で既にやっていた事がネタ元だと思います。

しかし、ここまで完璧な構成力に歌と演奏の力量が融合した仕上がりは、「Bohemian Rhapsody」が空前にして絶後!

極言すれば、これ1曲だけでクイーンは音楽史にその名を刻したと思うばかりです。

そして、もはやここまでやられては、以降にロックを志すには「パンク」なぁ~んていう大義名分を振りかざす他に駆け出しの道は無かったのも納得!?

ということで、流石に頑迷なサイケおやじも、以降はクイーンを素直に受け入れざるをえなくなり、酒席のカラオケで身勝手に「人間の証明」を歌う時にも、心は「Bohemian Rhapsody」という言い訳は無用でしょうか。

うむ、完成され過ぎたのがクイーンの欠点なのか……。

そんな事まで思ってしまうのでした。 

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4 コメント

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カタルシス (アンディP)
2014-11-15 17:37:40
何年か前、某新聞社系出版社発行の中高年向けロック誌「大人の〇〇」において、歴代ロック・グループを対象に、投票で、項目別のベストテンを決定する、といふ企画がありました。
総合1位はさすがにビートルズでしたが、2位を獲得したのが、ストーンズでもツェッペリンでもなく、3位以下を大きく引き離しての、華麗なる貴公子達であったことは、あくまで個人的感想ですが、意外の極み!
ツェッペリンが3位にも入っていなかったのに大ショックを受けた私ですが、一方で、ある世代にとって、このクイーンといふバンド、我々のビートルズと同様の絶対的存在なのだなあ、と、つくづく思い知らされたのでありました。
本稿ご紹介の「ボヘミアン・ラプソディ」は、ロック史上の名曲を語るとき、「天国への階段」と並んで、必ず引き合いに出される、傑作中の傑作であることは、万人の認めるところでせう。
先輩は驚愕と高揚感に襲われたとのことですが、私の場合、オペラ・パートが最高潮に達した直後、ハードロック・リフ大会に突入する瞬間に、最高のカタルシスを覚えます。
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イカガデースカ、カンパーイ! (ちんたろ男)
2014-11-15 23:09:17
「キラークィーン」にノックアウトされてアルバム「シアーハートアタック」でクィーンの虜になったちんたろ男です。なんと言ってもビートルズと違って“同時代”でファンになれた初めての洋楽ロック。大学一年の時にこの「ボヘミアン・ラプソディ」のビデオクリップをテレビで見たときの衝撃は半端じゃありませんでしたが、それと同時にファンとしてとても誇らしくありました。あの幻のブート「ズーム・クィーン」を7000円ちょいで購入し、この「ボヘミアン・ラプソディ」がどのように演奏されるのかとワクワクしながら聴きましたが、ご存知のようにテープを流しているだけ。しかも「キラークィーン」も含めてキーを下げて歌うフレディにガッカリ。さらに当時のファンは観客として成熟しておらず(さらに女の子だからか)変拍子の曲に手拍子打ちまくりで一週間後に二束三文で売り飛ばしました。数年後、HOT WAXの年鑑にクィーンでもっともレアなブートと紹介されて涙を流しました。それは置いといて、どうもちんたろ男はアルバムとしての「オペラ座の夜」は半分ぐらいしか好きになりませんでした。以降のクィーンのアルバムは興味がほとんど沸きません。それは“アレンジ”が強すぎるから。ブリティッシュ・ロックの良さは各プレーヤー間の音の間に空間があるところだと思っているちんたろ男ですが、「ボヘミアン・ラプソディ」から化粧が濃くなった感じで、興味を失ってしまいました。でも「ラジオ・ガ・ガ」は大好きでしたけどね。ELOやムーヴが元ネタ?英国はこの手のことがみんな好きなんじゃないかなあ。10ccなんかもやってますよね。最後に「シアーハートアタック」の頃のクィーンが一番“綺麗”だ!
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吝かではない (サイケおやじ)
2014-11-16 13:56:04
☆アンディP様
コメント、ありがとうございます。

貴兄のお嘆き(?)、大いに共感ではありますが、認めるべきを認めざるをえないという苦境は、一途に生きた中年者の特権かもしれませんよ(笑)。

好きなものだけ聴けるのも、齢を重ねた者の喜びにちがいありません♪
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クライマックス・クイーン (サイケおやじ)
2014-11-16 14:03:23
☆ちんたろ男様
コメント、ありがとうございます。

私がこれから書いていこうとしたものの要点、貴兄に先に語られてしまいました(笑)。
「オペラ座の夜」は退屈な部分が恣意的というか、個人的には「Bohemian Rhapsody」というクライマックスを演出するための露払い的な狙いがあるんじゃ~ないでしょうか?
そういう「退屈」を堪え忍んで、いよいよ聴ける大団円!

まさに「オペラ座」の「一夜」が作られていたとするならば、ベスト盤でクイーンを楽しむのも王道かもしれませんが……。

「Radio Gaga」、私も大好きであります!
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