気が早いというか、私が遅れているのか、もはや街にはクリスマスの飾りがチラホラ見えますねぇ。でも、BGMみたいなのでジョン・レノンの「ハッピー・クリスマス」は止めてしいです。この季節、悲しい記憶が蘇ってきますからね……。この曲をこの時期に、鳴らすやつの気が知れません! 私はこの気持ちだけは、ゆずりませんよ。
ということで、本日の1枚は――
■Tardo Time / Tardo Hammer (Sharp Nine)
正統派ビバップ・ピアノの後継者のデビュー盤です。1999年に発売されましたが、遅咲きというか、世渡りが下手というか、かなりガンコな人かもしれません。演奏スタイルはバド・パウエルというよりも、バリー・ハリス直系の朴訥誠実な音使いに好感が持てます。そう、けっして指が早く動くという人ではないのです。地味に、良い、という雰囲気です。
このピアニストの素敵なところは、その選曲センスで、このアルバムでは「危険な関係のブルース:No Problem」とか「Gnid」という泣き系のモダンジャズ曲、スタンダードでも「」Moment to Moment」とか「You Leave Me Breathless」等々、私の好みにジャストミートな部分で、買ってしまいました。しかも、きちんとツボを押さえた演奏です。
あと、このアルバムが良いのは、その音作りで、団子状の音で迫っていながら、ウッドベースも音に芯がありますし、ドラムスもシンバルの鳴りが最高です。
ちなみにメンバーは Tardo Hammer(p)の他に、Dennis Irwin(b)、Leroy Williams(ds) という隠れ名人達で、じっくりとモダンジャズ・ピアノトリオの真髄を聞かせてくれるのです。
Footlooseとかいう映画のサントラを担当したという話もあります。
「フットルース」のサントラ! 確かにやっていましたですね♪ 曲は「サムバディズ・アイズ」でしたっけ。