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OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

涙をこえる和製ポップス

2013-01-09 15:11:02 | Pops

涙をこえて / シング・アウト (RCA)

先日書きました、高校時代のブラバン&フォーク組 with バンド組の合同演奏では、サイケおやじ本人が素直になれなかった事も云々、今となっては様々な言い訳そのものが恥ずかしいわけですが、しかしノリ気になっていた演目も確かにありました。

それが本日ご紹介の「涙をこえて」という、和製ソフトロックの人気曲♪♪~♪

ご存じのとおり、昭和40年代後半にNHKが放送していた若者向け音楽ワイドショウ「ステージ101」ではテーマ的な位置付けもあったほど、それはタイトルどおりに前向きな希望を歌った名曲です。

しかも特筆すべきは、それが最初っから大人数で歌う事を想定して作られたが如き、やる側も聴く側も、共に高揚感を得られる流石の仕上がりなんですねぇ~♪

ただし、これは決してNHK用に書かれた楽曲ではなく、既に昭和44(1969)年頃からラジオの深夜放送あたりでは隠れた人気があり、シング・アウトと名乗るグループが堂々とシングル盤を出していたのです。

つまり「涙をこえて」にはシング・アウトのオリジナル(?)バージョンと前述したNHKの「ステージ101」で歌われ、広く一般に親しまれた放送用バージョンの異なるレコードが今日まで残されているというわけです。

そしてさらに名曲の証明と言えるのが、なんとっ! GSのワイルド・ワンズや名前は失念してしまったんですが、女性3~4人組のフォーク系コーラスグループ等々、相当のカパー盤が同時期に出されているんですから、普段は天の邪鬼なサイケおやじも素直にならざるをえません。

いゃ~、これは実際に聴いていただければズバッと直球のストライクだと思いますが、とにかく良い曲、素敵な歌なんですよっ!

特にシング・アウトのシングルバージョンは、ブラスロック風味もありますし、ギターやオルガンを上手く使ったリズムアレンジとリード&コーラスのボーカルパートが絶妙のコントラストを聴かせてくれます♪♪~♪

ちなみにシング・アウトのメンバーは、その数年前の結成時から何度かの離散集合があったらしく、このレコードに参加した顔ぶれはイマイチ特定出来ませんが、それでも惣領泰則(g)、樋口康雄(key)、原田時芳(b)、向山照愛(ds)、ビル・クラッチフィールド(tb,vo)、宮口森也(tp)、池田美和(tp)、江崎和子(vo)、ケリー・コワ(vo)、中岡淑子(vo) あたりが演じていると推察する次第です。

また楽曲そのものには作詞:かぜ耕士、作曲:中村八大のクレジットがあるものの、全体のアレンジは惣領泰則、あるいは樋口康雄が担当したのかもしれません。

さらにこれが件のNHK「ステージ101」に使われたのも、同番組の現場音楽監督のひとりだった樋口康雄の繋がりかと思われますし、グループとしてのシング・アウトも初期の放送には登場しています。

ところが、そこにはシング・アウト本隊のメンバー入れ替えがやっぱりあって、何時の間にか女性ボーカルトリオの顔ぶれが放送日毎に変わっていたり、ホーンセクションが増強されていたりで、結局はそういうところがシング・アウトの本質だったのかもしれません。

一説によると、シング・アウトは世界的な規模の某団体系コーラスグループが母体だったと言われるとおり、最初っから洋楽的なフィーリングを携えていたのでしょう。

言うまでもなく、ここでシング・アウトが演じる「涙をこえて」は、明らかにフィフス・ディメンションを意識しまくった狙いが見事に結実した仕上がりであり、当時としては洗練され過ぎた感も!?

さて、そこでサイケおやじの高校時代の懺悔話に戻りますが、それゆえにやってみると、これがなかなか難しかったですねぇ……。

それはサビの展開の解放感が気持良くて、その後から所謂「走って」しまうんですよ。同時にそこまでの抑えたAメロが、暗い雰囲気に落ちすぎる感じだった事も記憶しています。

当然ながら、発表会のライプはメッタメタな結果で、これをやろうっ! と意気込んでいたサイケおやじはミもフタありませんでした。

ということで、しかし「涙をこえて」は永遠の人気名曲という真実に変わりはありません。

歌詞の内容の幾分の気恥ずかしさも、それはそれで若者の特権の表現であり、素直にそうした事を歌ってしまえるリアルタイムは、なかなか貴重だと思いますよ、カッコつけじゃ~なくて。

こういう歌の良さって、他にもどっさり出ている中で、「涙をこえて」がお若い皆様に自然(?)と知られているのは、これまた吃驚! 音楽の教科書に採用されていたという真相には、サイケおやじの蒙昧無知が露呈しているのでした。

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4 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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懐かしい! (GORI)
2013-01-09 21:24:57
こんにちはGORIです。

大変ご無沙汰しています。遅れましたが本年もよろしくお願い申し上げます。

貴ブログの更新をいつも拝見させていただくだけで、読み逃げばかりで申し訳なかったのですが。この曲をご紹介いただいたとなると「懐かしい!」とコメントを残さざるをえません♬

シングアウトやステージ101はわたしが小学校の高学年から中学にかけて家族で観た番組でした。おそらくわたしの父が若いお嬢さんたちが元気に歌って踊るのを楽しみにいていたので、毎週なんのチャンネル争いもなかったのだと追想します(たしか日曜の夕方のいい時間の放送だったはずですよね、番組が放送されていたのは)

ご紹介ありがとうございました、中学時代の懐かしい思い出とともにブログを拝見させていただきました。
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素晴らしき合唱曲たち (アンディP)
2013-01-09 22:46:05
「涙をこえて」。馴染みのない曲でしたが、確かに高揚感あふるる名曲のひとつと感じました。
この手の合唱曲というと、「出発の歌」と「翼をください」が、個人的には、まず思い出されます。
そいうえば、グループ「赤い鳥」は姉所有のLPレコードを、良く聴いていた憶えがあります。名曲・名唱多々ありましたが、「忘れていた朝」という曲が一番印象に残っています。弦楽の使い方が「世界の車窓から」によく似ていて、当時としてはとても洗練されたアレンジ&コーラスだったのではないでしょうか。このグループ、調べてみたら、大村憲司さんや村上ポンタ秀一さんも、メンバーだったことがあるのですね。意外でした。取りとめのない話で申し訳ありません。
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NHKも進んでいた (サイケおやじ)
2013-01-10 13:58:16
☆GORI様
コメント感謝です。

「ステージ101」に出演の女性歌手達は基本的にNHKらしからぬ超ミニスカの制服系衣装でしたよねぇ~♪
それで歌って踊るんですから、見えてあたりまえなんですが、どうやら「生パン」は禁止で、きっちり局側から重ね履き用のパンツが支給されていたそうですよ。
しかし、それでもパンチラの魅力は絶大でしたねぇ~♪

肝心の音楽的中身も濃くて、今となってはなかなかハイブラウなテレビショウだったと思います。

良い時代でした(笑)。

今年もよろしくお願い致します。
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赤い鳥の記憶 (サイケおやじ)
2013-01-10 14:03:02
☆アンディP様
コメント感謝です。

初期の赤い鳥もフィフス・ディメンションを狙ったメジャーデビューだったんですが、一方では我が国古来の民謡や伝承歌をそうした洋楽コーラスで歌う新機軸(?)が、なかなか新鮮でした。

後期になるとジャズプレイヤーも交えて、ちょいとプログレ風味のアルバムも作っていたと記憶しています。

個人的にはテレビの「ヤング720」に出演して歌った「涙の乗車券」のカバーが今も忘れられません。
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