OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

未来へのノスタルジア

2019-10-22 20:49:13 | Steely Dan
アイ・ジー・ワイ(素敵な世界) c/w 雨に歩けば / Donald Fagen
                          (Warnar Bros. / ワーナーパイオニア)

本日は「即位礼正殿の儀」が厳かに執り行われ、いよいよ我が国は新しい時代へと進み始めました。

しかし、もちろん現在、国内は大きな災害に襲われ、未だ復旧も儘ならない実情を鑑みれば、前途には国民が一致協力する覚悟が求められるでしょうし、その時こそ日本人が日本人である事を自覚する意味において、本日の儀式は絶対的な心の拠り所と思うばかりです。

うむ、未来が明るいとばかりは決して言えないはずながら、それでも明るい未来を信じる事こそが、生かされている我々の使命かもしれません。

そこで本日掲載したのは、そんなこんなを面映ゆい気持ちでドナルド・フェイゲンが歌い込んだ1982年の洋楽ヒット「アイ・ジー・ワイ(素敵な世界) / I.G.Y. (International Geophysical Year)」を収録したシングル盤です。

とにかくシンセサイザーを巧みにつかったレゲエのビートが心地好く、それでいて独特のグルーヴに満ち溢れているあたりは、当時活動を休止していたスティーリー・ダンからダイレクトに持ち込まれた魅力でありましょう。

それは皆様ご存知のとおり、スティーリー・ダンというグループこそがウォルター・ベッカーとドナルド・フェイゲンの盟友コンビで成り立っていた所謂「実態の無いバンド」であり、過言ではなく、完成度が高すぎるアルバムを出し続けていながら活動を休止してしまったのは、相方のウォルター・ベッカーが悪いクスリに溺れていた事も一因され、またドナルド・フェイゲンの少年時代からのオタク感性が深まった所為とも云われていますが、それはそれとして、とにかくドナルド・フェイゲンがスティーリー・ダンの「らしさ」を継承しつつ世に出してくれたレコードは、これまでのファンのみならず、新しいリスナーにも受け入れられたオシャレでちょっぴり難解な味わいは、高尚な優越感に浸る幸せを導いてくれるものだったような気がします。

で、肝心の曲タイトル「 I.G.Y.」とは、1957年からの2年間ほど実在したプロジェクト「International Geophysical Year」の略称で、これは「国際地球観測年」という科学的観測に基づきながら、明るい未来を予測しようじゃ~ないか!

なあ~んていう、今となっては至極お気楽な提唱事業だったようですが、歌詞の中には「海底鉄道」とか「合理化された天候制御」みたいな夢物語が綴られ、それを様々な問題が増大していた1980年代に歌ってしまう天邪鬼が、如何にもスティーリー・ダン ~ ドナルド・フェイゲンの真骨頂と思います。

当然ながら、ノスタルジックを皮肉に思わせる無機質でグルーヴィな二律背反の節回しは、ドナルド・フェイゲンの得意技ですからねぇ~~。

う~ん、だとすれば今、こ~やっていられる、現在の幸せを大切にしなければなりませんねぇ~~。

実はサイケおやじは本日の雨の中、所用で赤坂付近へ出かけたのですが、当然ながら周辺は厳戒態勢でしたし、緊張感と厳かな雰囲気に包まれていた中を歩いていたら、思わずこのシングル盤B面収録の「雨に歩けば / Walk Between Raindrops」が心の中に浮かんでまいりました。

もちろん皆様ご推察のとおり、本日の拙文は、それゆえに帰宅後、掲載盤を聴きながらの戯言です。

しかし幾分調子の良いオルガンのイントロから始まるジャズグルーヴに満ちた歌と演奏は、最高に心地好いんですよねぇ~~♪

よしっ、明日からも、やっていけそうだっ!
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