OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

CN&Yのライブは雰囲気も最高

2011-02-21 16:41:17 | Singer Song Writer

Concert For Jailhous / Crosby, Nash & Young (Vintage Master = bootleg CD)

人生には仕事も含めて、人間関係の良し悪しが大きく関与しています。

と、いきなり偉そうなことを書いてしまったのは、最近のサイケおやじが未だにそうした問題を考えざるをえない局面に立たされているからなんですが、例えば、ここに、この人がいなければなぁ……、という解決策が一番手っ取り早いと思えるようになったら、もう、お終いである事は言うまでもありません。

そうした縮図は、例えば音楽業界だと、1970年代に大きく盛り上がったシンガーソングライターブームの立役者たるクロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング=CSN&Yにも顕著でしょう。

ご存じのとおり、あえて自分達の名前を連ねてグループ名にしているほどの個性的な面々の集まりですから、CSN&Yがリアルタイムでは長続きせず、その後も離散集合を繰り返しながら、今日まで存続しているのは、ひとつの学習効果かもしれません。

中でもバッファロー・スプリングフィールド以来の盟友であり、ライバルを超越した宿敵とも言うべきスティーヴン・スティルスとニール・ヤングは、その奇妙な友情が思い余って憎さ百倍なんでしょうか???

とにかく事ある毎に良い仕事をやる反面、ファンにとっては知りたくもない嫌な話もどっさり残すんですから……。

しかし他のふたりのデイヴィッド・クロスピーとグラハム・ナッシュはウマが合うというか、共に素晴らしく個性的なシンガーソングライターにして、ハーモニーボーカルの天才ですから、CSN&Yが活動停止状態の中でも、共演作品を出し続けていたのは嬉しいことでした。

さて、そこで本日ご紹介の1枚はブートではありますが、そんなクロスビー&ナッシュのライプにニール・ヤングが加わった、つまりはCN&Yの音質良好音源♪♪~♪

録音は1972年3月26日、サンフランシスコにあった「ウインターランド」におけるライプで、どうやら刑務所に対する救済が目的のコンサートらしいのですが、特に拘る必要もないでしょう。

 01 Wooden Ships / David Crosby
 02 I Used To Be A King / Graham Nash
 03 Lee Shore / David Crosby
 04 Harvest / Neil Young
 05 Only Love Can Break Your Heart / Neil Young
 06 Southbound Train / Graham Nash & David Crosby
 07 Almost Cut My Hair / David Crosby
 08 Page 43 / David Crosby
 09 And So It Goes / Graham Nash
 10 Immigration Man / Graham Nash & David Crosby
 11 Heart Of Gold / Neil Young
 12 The Needle And The Damage Done / Neil Young
 13 Teach Your Children / Graham Nash
 14 Military Madness / Graham Nash
 15 Chicago / Graham Nash

上記の収録演目は既にお馴染みのものばかり♪♪~♪

それをデイヴィッド・クロスピー(vo,g)、グラハム・ナッシュ(vo,p,g)、ニール・ヤング(vo,g,p) の3人が、所謂アンプラグドのアコースティックセットでやってくれるんですから、それぞれの楽曲の良さに加えて、十八番のハーモニーワークもライプならではの味わいで、たまりません。

しかも本日の「お題」である人間関係と雰囲気の良さは、ここに記録された「音」だけで充分に伝わってくるんですよっ!

ご推察のとおり、ファンには申し訳ないんですが、もしもスティーヴン・スティルスが同じステージに立っていたら、こうはならなかったんじゃ……。そうした思いを打ち消せないのがサイケおやじの本音です。

肝心の歌と演奏は、各々がメインとなった楽曲に共演者がハーモニーで彩りを添えるばかりではなく、時にはツインボーカルならではの掛け合いや熱い伴奏によるコラポレーションが、まさにライプならではのリアルな質感を伴って繰り広げられています。

それは厳しさがジワジワと滲み出すデイヴィッド・クロスピーの傑作曲「Wooden Ships」から始まり、それを受け継いだグラハム・ナッシュの「I Used To Be A King」、さらにそんな緊張と緩和が見事な「Lee Shore」と流れる冒頭3曲で、ツカミはOK♪♪~♪

ですから客席のムードも出来上がったところで登場するニール・ヤングが人気曲「Harvest」と「Only Love Can Break Your Heart」を披露すれば、その場は既に最高潮ですよ。

そして我国歌謡フォークに限りなくパクられまくった「Southbound Train」のソフトな哀愁がトドメの一撃となって、前半が終了という構成です。

しかし中盤はデイヴィッド・クロスピーの毒気が強烈な一人舞台で、そのシリアスな感性が客席にも伝染したのでしょうか、「Almost Cut My Hair」では恒例の自然発生的なコール&レスポンスによる曲の進行がクールで熱いっ! おそらくは変則チューニングのギターワークにはジャズっぽいテンションコードが頻発し、気迫のボーカルにジャストミートしています。

当然ながらMCも内輪ウケが中心のようですが、お客さんの局地的な反応からして、かなりアブナイ話じゃないかと思わせるあたりが、デイヴィッド・クロスピーの真骨頂かもしれません。

ですから続く「Page 43」の静謐な世界から、グラハム・ナッシュがピアノで弾き語る「And So It Goes」の内向きな力強さまで、そこには如何にも1972年らしいムードが濃厚に漂っていますが、このあたりを現代の若い皆様が、どのように感じられるのか、ちょいと気になるところです。

そしていよいよ終盤は怒涛(?)のヒットパレード!

ナッシュ&クロスビーの「Immigration Man」は言わずもがな、ニール・ヤングの「孤独の旅路 / Heart Of Gold」が出た瞬間の客席の熱狂は、そのまんま「The Needle And The Damage Done」と「Teach Your Children」に引き継がれ、グラハム・ナッシュが渾身の「Military Madness」と「Chicago」で大団円を迎えるのですから、なかなか見事な構成だと思います。

実際、1時間5分位の収録時間が、アッという間に聴き終えてしまう感じなんですよっ!

さらに冒頭の話に戻せば、スティーヴン・スティルスの不在がファンにとっては残念な事に違いはなく、しかし、この音源を聴き終えた時には、何故かホッとするのも、また事実じゃないかと思います。

ちなみにCN&Yはデイヴィッド・クロスピーの最初のソロアルバムでド頭を飾っていた輪唱形式の名曲「Music Is Love」を共作したほど相性が良かったのですから、ここでの雰囲気の良さもムペなるかな!

いゃ~、スティーヴン・スティルスのファンには本当に申し訳ない、と再び述べる他はありません。

ただし、やっぱりCSN&Yが揃ってこその魅力は確かにありますよねぇ。そのあたりの物足りなさが、この素晴らしい音源の裏証明というのは、決して贔屓の引き倒しではないと思います。

音質も良好ですから、機会があれば、皆様もお楽しみ下さいませ。

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2 コメント

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通り過ぎた「今」 (アンディP)
2013-01-20 22:20:42
乾き切ったウェストコースト・サウンド。その影響下、我が国にもひとつの名曲が。それが、フォーク・デュオ「バズ」が歌う「愛と風のように」でした。
この曲をバックに、イメージ広告のはしりともなった「ケンメリ・スカイライン」のCMがTVで流されて以来の、絶大な影響力は、70年代に青春を送った世代には、忘れられない記憶として刻みこまれているのではないでしょうか。
http://www.youtube.com/watch?v=1R81Jl8epbM
当時若者憧れのカップルだった「ケンとメリー」のメリーことダイアンさんが、昨年11月、来日していたのはご存知でしょうか。
http://www.starroad.co.jp/home/2012/11/mary_1.html
40年という歳月の残酷さ、見るべきだったのか否か。それとも、これが人生の実相だと知るべきなのか。
思わず涙目になっていた、わたくしでありました。
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車を買うのは一大事 (サイケおやじ)
2013-01-21 11:59:00
☆アンディP様
懐かしいご紹介、感謝です。

あのスカイライン72年型は、ひとつの憧れでありましたよ、車もライフスタイルも♪♪~♪
でも、自分の車は、高度成長期とはいえ、とても買えませんでしたねぇ。
それゆえに気分だけでも浸りたいところを歌のイメージが増幅してくれました。

ダイアン夫人も諸行無常ではありますが、それが自然なんで、ニンマリです♪
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