■Brown Sugar / The Rolling Stones (Rolling Stones Records)
この世に痛快ロック曲ランキングなんてものがあれば、必ずや入るであろう、まさに問答無用のこの一発!
ご存じ、1971年春の公式発売以前、既に1969年の北米巡業時から今に至るもストーンズのライプでは必須の演目になっているほど、絶対に外せない大ヒットですから、これが嫌いなストーンズファンは極めて少ないと思われますし、とにかくロック好きには広く、そして強くアピールする名曲名演でしょう。
冒頭からエグイばかりに炸裂するギターカッティング主体のハードリフ、それを根底から煽るビートが効いたバンド全体のグルーヴが最高にダイナミックですから、ミックのボーカルも猥雑な本音をシャウトしまくり、キースのコーラス&ハモリもヤケッパチという、これがストーンズ流儀のR&R完成形といって過言ではないと思います。
そして実際、これをラジオで最初に聴いた瞬間のサイケおやじは、未だ十代だった青春の血の滾り以上の興奮を痛感させられましたですねぇ~♪ 特に野太いリズム隊のグイノリは、時としてタメとモタレが逆説的に前ノメリなる部分もあり、つまりはストーンズ特有のビート感が、この曲の大きな魅力です。
そこで当然ながらサイケおやじもギターでコードを探りつつ、レコードに合わせてカッティングを弾いてみたのですが、どうにも上手く出来なかったのは当たり前だのクラッカー!?
それは今日、徹底解明されているとおり、キースのギターはオープンG! つまりDGDGBDのチューニングで、しかも6弦が外されていたので、いきなりモロGが弾けるという、なかなかの省エネ的効率の良さがその秘密だったのです。
尤もそんな真相が伝わったのは1970年代も末のことで、それよりも重大な情報だったのが、どうやら「Brown Sugar」のシングルはアルバムとは別バージョン!?
実はサイケおやじはリアルタイムで奮発し、これが収録されたLP「スティッキー・フィンガーズ」を買い、連日連夜に聴きまくっていたので、その細部まで身体に馴染んでいたのですから、これは看過出来ません。
そこで勇躍ゲットしたのが掲載のシングル盤なんですが、結論から言うと、これは該当するものではなく、この日本盤はアルバムと同一のマスターから作られたものでした。
では、その真偽は如何に?
それが次に掲載するイギリス盤3曲入りシングルで、ここに収録の「Brown Sugar」こそが、モノラルミックスのオリジナルシングルバージョンだったのです。
その違いはミックスがモノラルとステレオに仕様が異なっている事はもちろん、ベースや間奏のサックスソロがモノラルバージョンの方は強く出ている感じですし、最後の掛け声がステレオバージョンでは「イェ~~ィ」なのに、モノラルバージョンでは「オ~ラィ」になっている点に顕著です。
ただし演奏の基本的な骨格やテイクは、ほとんど同一じゃないかと思いますねぇ。
しかし、それゆえに奥の細道へ踏み込んでしまうのがストーンズ中毒者の宿業……。
さて、そこで最近、またまた問題のブツが出てしまい、それが既に各方面でボロクソに叩かれている「シングルボックス1971-2006」です。
これは上記に掲載したメーカーからの写真でもご覧になれるとおり、ストーンズ自らが設立した「ローリング・ストーンズ・レコード」で発売した45枚のシングル盤をCD復刻&再発した高額商品セット!
ですから、今や貴重なオリジナルシングルバージョンが完全復刻されていると思うのがファンの当然の思い込みだったんですが、これまた結果は見事な裏切りがどっさり!
本日ご紹介の「Brown Sugar」は通常のステレオバージョンでしたし、他にも???の仕打ちばっかりという、とんでもない蔵出し商売でした。
ただし決して「買ってはいけない」という商品ではなく、それなりに珍しいテイク&バージョンが簡単に手に入る事に加え、なんと今回が初登場なんでしょうか、丸っきりこの企画用に作られたと思しきバージョンが幾つかあるような気がしています。
そのあたりについては現在、鋭意聴取中なので何とも断言出来ませんが、とにかく「Brown Sugar」のオリジナルシングルバージョンがまたしてもCD化されなかったのは残念……。
ちなみに以前に出た「シングルコレクション」にもステレオバージョンが収録されていましたからねぇ、これじゃ何時までも喜んでいるのはブート業者だけでしょう。
ということで、しかしストーンズファンは絶対に挫けないでしょうねっ!
そういう「深~い業」の中で煩悩に苦しむのも、人生の勉強とは言いませんが、味わいのひとつじゃないでしょうか。
問題は今も昔もファジーなストーンズの体質に振り回され、お金を資本家に吸い上げられている現状を納得してしまう自分ですね。
いやはやなんとも、情けない……。
知りませんでしたが、アートワークがイイですね。
僕はこのベロマークをコミカルにあしらった
スリーブデザインが大好きなものですから
かなりそそられております。
しかしシングルのみのヴァージョンって
昔はよくありましたよね。
シングル盤で聴くのは邪魔くさく
あまり好きなほうではありませんが
でもシングルしか聴けないと耳にしますと
買わずにおれないところもあり
ついつい手を出してしまうのが常ってところでしょうか。
(T.レックスのシングル『イージー・アクション』のB面『ボーン・トゥ・ブギー』の
オープニングのXマス・メッセはアルバムには
未収録でしたよね)
最初、僕はそれを30年ほど前のFMラジオで聴き、その時ギターはE.クラプトンだということでした。
その後良く通っていた地元の中古レコード店のオーナーからは「あの音源はブート盤で割と入手しやすい」と言うことでしたが、以来、未確認のままです。
ちなみにB面のBITCHもカッコいいですよねぇ。大好きなストーンズナンバーの1曲です。
ところで↑HOOPさん??やっぱり繋がっていましたか!
コメント感謝です。
シングル盤は、そのB面にアルバム未収録曲が入っている点においても、なかなか侮れませんよね。
ご指摘のとおり、Tレックスの「Born To Boogie」はイントロにピアノで「ジングルベル」が重ねてあり、確かにマーク・ボランのメッセージが入ったバージョンがありました。
ところが後のベスト盤ではカットされていたんじゃないでしょうか?
日本盤シングルは、どうなんでしょうかねぇ?
イギリス盤シングルは持っているんで、このあたりも確認しておく必要があるかと(微笑)。
コメント感謝です。
ご指摘のスライドギター入りバージョンは、1970年12月18日、つまりキースの誕生日に録音されたと言われるものでしょう。
そうやって聴くと、キースのコーラスもメチャシャウトしている気がするんで、ブートでは昔っから定番になっているのです。
ちなみにクラプトンと共にアル・クーパーも参加しているらしいですよ。
この当時のストーンズは何をやっても不滅のカッコ良さがありますねぇ~♪
先の『イージー・アクション』B面におけます
ボランのXマスメッセの件なんですが
国内盤にも入っていますよ。
後に収録されましたベスト・アルバムには
このメッセージははぶかれておりますので
やはりEPは外せませんね。
(たしか年末に来日した際に日本で録音された
ものだったと記憶しますが…)
しかしサイケおやじ様のEPコレクションは
素晴らしいですね。
特に日本グラモフォン盤はいずれも初見モノが多く
目の保養をさせていただいております。
>トモアキーニさんとは本当にご縁を
感じてしまいました。(^^)
リサーチ&情報、感謝です。
そうですか、国内盤シングルにも入っていたんですね。他からの情報では、後に出た「グレイテストヒット」ではカットされたそうですよ。
日本グラモフォンの7インチは、魔界です(笑)。これからも機会があれば、アップしますね。
ストーンズの70年代に発表されたアルバムが紙ジャケで再発された時の予約特典に、ブラウンシュガーのスリーブアートのポスターが付いてきました、勿論自部屋に額に入れて掛けてあります。
コメントありがとうございます。
冷静に眺めれば、このジャケ写も相当にトホホなんですが、流石はストーンズ!
何をやってもカッコE~~♪
それがスタアの証明ですよねっ!
コメントありがとうございます。
良いものに区別はありませんよ(笑)。
個人的にはミック・テイラー期のライブ音源バージョンが大好きです♪
でも、そこじゃキースが歌わないことが多くて、あの「おまえのか~ちゃん、エロ芸人」というヤケッパチなフレーズも好きなんですが(笑)。