■愛のかげろう / ナンシー・ルウ (CBSソニー)
ナンシー・ルウも台湾から出稼ぎのアイドルシンガーと書きたいところなんですが、時代が昭和57(1982)年だったからでしょうか、どちらかと言えばニューミュージック歌謡の路線で売り出された感があり、おそらくは年齢も二十代前半だったと思われますから、持ち前の愛くるしいルックスの魅力もあり、なかなか隠れファンが多かったんじゃ~ないでしょうか。
ただし、結果的に大きなヒットが出せないままにフェードアウトした現実がありますので、今でも騒いで(?)いるファンはサイケおやじも含めて、極少数という気がしていますので、本日は「だからこそ」のご紹介であります。
ところが、告白すればサイケおやじは彼女について、ほとんど知るところが無いのが実情……。
台湾では十代で芸能界入りした瞬間から、かなりのブレイクがあったそうですし、それなりの歌唱力も認められるんですが、この作詞:山上路夫&作編曲:黒住憲五による日本でのデビュー曲「愛のかげろう」がミディアムテンポの爽やかAOR歌謡になっているのが裏目と申しましょうか、日本語による歌唱には幾分の「アク」が欠乏しているのは残念……。
極言すれば、「歌」が伝わって来ないんですねぇ……、サイケおやじには。
押しの強いイントロもマイナス要因かもしれませんし、個人的には、もっと歌謡曲っぽさを狙って欲しかったという本音があるんですが、いかがなものでしょう。
これまた結果論になりますが、実はナンシー・ルウは続く2作目のシングル曲「旅の続き」が渡辺真知子からの提供曲だった事もあり、なかなかグッと惹きつけられる仕上がりになっていただけに、このデビュー曲「愛のかげろう」の空回り、あるいは肩すかしが如何にも勿体無いと思っております。
ということで、それでもナンシー・ルウが短期間ではありましたが、我が国の芸能界に登場してくれた事は忘れられない出来事であり、残された他のレコードも追々にご紹介させていたたぎますね ♪
もちろん、気になる皆様には積極的な猟盤活動をオススメする次第です。
特に3rdシングルは「ムーンライトシャドー」で英国で出された楽曲のカバーバージョンを日本語で歌ってます。
つい最近ジャケ(パット見)買いをしました。それもそのはず、この曲は英国のトップ・エレキインスト・グループ「ザ・シャドーズ」が’80年代に取り上げたインストナンバーでもあります。
「MOONLIGHT SHADOWS」というタイトルLPのB面最初の曲です。ハンク・マービンは実に上手い!♪