OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

何を歌っても素敵な川辺妙子

2017-01-06 18:24:35 | 歌謡曲
あなたは木枯し / 川辺妙子 (フィリップス)

昨日は失礼致しました。

しかし、流石は小寒、風が冷たいですねぇ~~~。

そこで本日のご紹介は、昭和歌謡曲の美人歌手と言えば絶対に外せない川辺妙子が昭和47(1972)年に出したシングル盤A面曲「あなたは木枯し」であります。

皆様ご存じのとおり、その頃の我が国歌謡界は小柳ルミ子、南沙織、そして天地真理という所謂三人娘が若手女性歌手のトップを競っていた時期で、そこに大御所やそれなりのキャリアを積んでいた中堅スタア、さらには一発ヒット組、おまけに毎月大勢の新人がデビューしていたという、今では夢の様な歌謡曲景気の真っ只中!

ですから必然として前述の三人娘の路線に後追いした楽曲もどっさり制作され、つまりはその本家本元を書いていた平尾昌晃、筒美京平、森田公一あたりの作曲家が提供した「三人娘モード」の歌が様々な歌手によってレコード化されいたわけで、この「あなたは木枯し」にしても作詞:茜まさお&作曲:平尾昌晃、そして編曲:竜崎孝路が提供したのはスバリ!

小柳ルミ子路線の哀愁歌謡♪♪~♪

いゃ~、とにかくミディアムテンポの強いビート感も好ましく、メロディラインの要所をキメるフックが完全に小柳ルミ子の「私の城下町」とか、あの味わいが滲みまくりなんですねぇ~~♪

と同時にアレンジがなかなかオシャレでして、演歌モードを洋楽ポップスに繋ぎとめるシロフォンやハープシコードの彩、疑似ニューソウルなストリングスの響きも面白く、それゆえに棄てられた女の悲しみが必要以上に恨みがましく滲んでこないのは賛否両論かもしれません。

実際、ヒットしたとは言い難い結果だったと記憶するばかりなんですが、ところが川辺妙子の歌う「あなたは木枯し」がそれでも魅力的なのは、ハスキー系の彼女の声質とナチュラルなフェロモンを感じさせる節回しの美味さであって、もしもこれを他の歌手が吹き込んでいたら、失礼ながら凡作に……。

さらに穿った事を述べさせていただければ、楽曲そのものが、もしかしたら小柳ルミ子のプロジェクト用に書かれていた可能性だって、あるんじゃ~なかろうか?

そして、もしもそうだったとしても、小柳ルミ子に果たして川辺妙子のような、ちょっぴり荒んだような哀愁が表現出来ていたかは、なかなか多種多様な論争を呼ぶかもしれません。

ということで、川辺妙子の魅力は決して天性の美貌だけじゃ~なく、歌手として何よりも求められる声質の個性や節回しのジャストミート感、歌詞とメロディラインを解釈していく中での所謂「歌の上手さ」を併せ持った稀有の存在だったと、サイケおやじは今にして痛感させられる事が度々あります。

願わくば決定的な川辺妙子のアンソロジーが編まれ、もちろんそこには彼女の動画やグラビアショットも加えられたブツを望みたいですよぉ~~~~。
コメント (1)
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