OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

加納秀人はカッコ良すぎるのが欠点!?

2013-05-25 15:57:20 | 日本のロック

イエロー・モンキー c/w 遊星とランデブー / 加納秀人 (RCA)

当ったり前のことですが、人の心は変わるもの!

それを他人が許容出来るか、知ったこっちゃ~ないという姿勢も時には必要という現実を教えてくれるのが、本日掲載のシングル盤です。

平たく言えば、時流に媚びないまでも、アクセスしていかなければ生き残れないのが世の中の理であって、そりゃ~、もちろん頑固一辺倒も美しい生き様ではありますが、やっぱり有れば便利なのが、お金です。

そこで我らが加納秀人、真摯にハードなロックに邁進していた外道が解散(?)した事から心機一転! か、どうかは知る由もありませんがねぇ、とにかくレコード会社を移籍してのソロデビューシングルでやらかしたのが、フュージョン系AOR!?!

まあ、そこまでは外道からのファンも許容出来るでしょう。

しかし件のA面曲「イエロー・モンキー」が外道でやっていたグリグリに激熱のスタイルから、曲展開も含めて、なにやらトロトロに甘いメロウな歌と演奏への変節には、リアルタイムで賛否両論!? 談論風発でしたねぇ~~~。

今となっては、これこそが発売された昭和53(1978)年の流行最先端のサウンドであり、バックを務めた難波弘之(key)、島健(key)、ロミー木下(b)、ジョニー吉長(ds)、津田俊司(ds,per)、松風鉱一(sax,fl) という面々の手堅いサポートがあればこそ、加納秀人(vo,g) も存分に歌謡ロック(?)をやれたという真相に理解を示せるファンも多いはずですが……。

さて、そこでサイケおやじの立場なんですが、これが当時から本当に気に入ってしまい、だからこそレコードも買ったんですが、実はこういう方向性には外道解散のしばらく前から試みられていた実相があり、それらは後に公式発売された秘蔵ライプ音源の随所に記録されているのですから、なにも「変節」なんていう言葉を用いる必要もないわけです。

ただし同時に、お前はロックをやめたんかぁ~~~!?

という声を上げたくなるのも、一方の事実でした。

それほど、ここでの「イエロー・モンキー」は外道バージョンとは異次元の気持良さがあり、おまけにB面収録の「遊星とランデブー」が、高中正義も仰天必至というフュージョンインストなんですから、たまりません♪♪~♪

クゥゥゥ~~ッ、加納秀人、あんたはカッコ良すぎるぜっ!

当時から密かに、このバージョンの「イエロー・モンキー」でクールに燃えるギターソロをコピーしていましたが、やるほどに自分のダサ~い存在が浮き彫りになるような自虐を覚えましたですよ……。

ということで、結論としては、ここまでやっても加納秀人は一般的な意味でのメジャーにはなれず、そういう観点では同じく歌謡ロックに手を染めたチャーとは差を広げられた感もありますが、まあ、それはそれでしょう。

ちなみにこのシングル盤両面に収録された2曲を含む同時期発売のアルバム「地球の夜明け」も、今となっては本人のキャリアの中で浮いてしまった評価かもしれませんが、聴けばやっぱり惹きこまれる魅力がありますよ。

思えば当時は洋楽でも、サザンロックをやっていた奴等がAORやフュージョンに寝返ったり、あるいは西海岸系ハリウッドポップスのスタアミュージシャンがソウル&ディスコに色目を使ったようなレコードを出し、それがヒットしてしまう実態もありましたからねぇ~。

加納秀人だって、理屈を講じて非難されるべきところは無いわけです。

ご存じのとおり、外道は1980年代に再結成され、この「イエロー・モンキー」も従来路線に戻ったのですから、そうなればなったで、サイケおやじはますますこれを聴き継いでいるのでした。

コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする