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すっかりファン

2012年02月01日 | 音楽

 今日は朝からあまり雪も降らず、ふわふわパウダースノーの雪かきはなし。窓の結露がひどいので拭いたりして、録画した音楽番組を整理する。30日に放送されたNHK「クラシック倶楽部」、2010年ショパン国際コンクールでマルタ・アルゲリッチ以来の女性優勝者ということで世界中の注目を浴びた、ユリアンナ・アヴデーエワのピアノ・リサイタル。

1985年、ロシア、モスクワ生まれ。いかにも若くて生きがいい。5歳からグネーシン特別音楽学校に入学したというのだから、早熟な才能だったんだねえ。この人、なんか見たことがあると思ったら、N響と共演しているんだった。札幌コンサートホールKitaraへも来たようだ。番組は2011年11月15日、東京オペラシティコンサートホールにおける演奏。

演目はどれもはじめて聞くものばかり。①ラヴェル作曲のソナチネ ②プロコフィエフ作曲のピアノ・ソナタ第2番ニ短調作品14 ③ワーグナー作曲の歌劇「タンホイザー」序曲/リスト編曲 ④チャイコフスキー作曲の18の小品72からめい想曲

アヴデーエワさんはインタビューにも英語で明晰に答えていた。プロコフィエフの曲には「3楽章は叙情的で他と比べると昼と夜のようです。その心象はとても暗く、恐ろしい世界です。一方、4楽章はやり遂げる、あきらめない、死なないという力強さがあります。この世にある善を信じる心、進み続けるという信念です。その力強さは他にはない特徴的なものになっています。」

歌劇は知らなくても、序曲はよく耳にする「タンホイザー序曲」はお気に入りの一つだそうだ。その迫力に圧倒された。交響楽団が奏でる大音量に負けないくらいの壮大さを、ピアノ一台でどれだけ表現できるかに挑んでいるかのようだった。聴くほうも緊張を強いられるが、力がこもっていた熱演には驚きの連続。

それまで果敢に攻めの姿勢で、エネルギッシュに難曲を弾きこなしてきたという印象が、最後のめい想曲ではようやく静寂が訪れた感じ。チャイコフスキー最晩年1892年作曲だそうで、やさしい音楽で静かに終わりたいという曲だった。

引きずるようなロングドレスではなく、真っ黒いパンツスーツスタイルで登場した若きピアニストはいかにも21世紀にふさわしい。長い髪を後ろに束ねた髪留め、胸に付けたブローチ、シルバーかゴールド色のマニキュア。よく見ると、とてもおしゃれな人だった。目がちょっとアンリに似てるかな。魔法使いのような高いお鼻が気になるが、前を向くとチャーミングな笑顔に変わる。颯爽と歩く姿に、古典音楽家も現代に生きなければね!というメッセージを受け取り、すっかりファンになった。



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