そうなんだよ。主人公だけは12年間だけの奴隷で、夜は明けたんだけど、残りの奴隷たちは・・・。
この映画は1841年から1853年位の話で、南北戦争が1861年から1865年だ。そして、「大統領の執事の涙」の主人公が少年の頃の1930年代には、まだ南部は「黒人を殺しても罪にはならない」時代だったのだ。
主人公の、「自由黒人」という立場もなんと危うい事か。
南北戦争前が舞台だ。「アンクル・トムの小屋」を誰もが読んでて、TVドラマ「ルーツ」のクンタ・キンテで衝撃を受けた世代の私としては、黒人差別の映画だったらむしろ「42」でも「大統領の執事の涙」でも、良かったと思うんだが・・・。
この2作品は、近代過ぎて、何か問題でもあるのだろうか? と、深読みしてしまう。
それに、黒人より、農場主達の家庭などの問題や内面の方に重点が置かれてて、なんか黒 人があまり何も考えてない(まあ、考えては生きていけないからなんだが・・・)ような描き方で、実は差別しているような・・・。おまけに、製作のブラピが、爽やかに登場したら、アッと言う間に解決しちゃうし。なんだかなあ。
白人の方がきちんと描かれてたから、「リトル・ミスサンシャイン」のお兄ちゃんや、「悪の法則」のカウンセラーや、カンバーバッチが良かった。助演女優賞も女の情念丸出しの、エップス夫人のサラ・ポールソンの方が良かったようなあ・・・。脱がなかったから、やっぱりアカデミー賞はダメなのか?
カメラが、やたら低い位置に置いて撮っているので、時々自分がひっくり返りそうな感じになる。
南部の景色はきれいだったよ。
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