チャドウィック・ボーズマンを抑えて、アンソニー・ホプキンスが今年のアカデミー賞主演男優賞をとった映画だ。
なので、絶対、アンソニー・ホプキンスがただの認知症の老人を演じるとは思わず、サスペンス映画だと思って観た。「シャッターアイランド」位、騙されるものかと思いながら必死で観た。実は娘の振りをした他人が騙しているのかとか、何かどんでん返しがあるのかと思って。
で、馬鹿でした。私。
舞台の映画化なのに・・・。しっかり(本人はしっかりしてないけど)認知症の老人の視点でストーリーが進んでた。だから、時系列も登場人物も滅茶滅茶なのだ。だから娘は前半同じ青いブラウスばっかり着てたのか。
飽きないで観られたけど。これが認知症になった人の(いやいや私の親も80代半ばなので他人事では全くないんだが)見え方、感じ方なのかあ、と娘の立場として身につまされた。
確かにアンソニー・ホプキンスは凄い。観客にある意味ネタ晴らしの最後の10分も名演。娘役のオリヴィア・コールマンもうまい。やっぱり舞台だなあ。リメイクの方の「フライトナイト」のヒロインも出てた。
ただ、それだけ・・・と言うか。映画としては物足りないわい。
アンソニー(役名もアンソニー)は、施設であの男に虐待受けてたのかなあ。と、ちょっと気になった。