もみさんの一日一冊遊書録( 2011年9月1日 スタート!: メメント・モリ ) ~たゆたえど沈まず~

年とともに人生はクロノロジー(年代記)からパースペクティブ(遠近法)になり、最後は一枚のピクチュア(絵)になる

150215 衆参両院の「テロ非難決議」を非難する!「テロの本質」を真面目に語る政治家はいないのか!

 真面目に「テロの本質」を考えれば、その原因が、決して宗教の違いにあるのではなく、世界的に広がる富の偏在、極端な格差拡大、差別構造の継承、及びパレスチナ問題、それらによる<若者たちの絶望>にあることは、実は誰もがわかっていることだろう! それを「世界には凶悪なテロリストが大勢いて、こいつらを叩き潰せばテロが無くなる」なんて話に無理やりすり替えている。誰も、「テロの本質が、日本・世界の社会構造が抱える富の偏在・格差の拡大及びパレスチナ問題の<野放し状態>にこそある」という本質を語らないし、見させようとしない。そして、凶悪なテロリストへの恐怖ばかりを煽りたてている。これはまさにオーウェルの「一九八四年」の世界と同じだ。今回の国会の「テロ非難決議」に社民党・共産党まで加わっていたのには、あきれ果てた。「誰も本質を見ようとしない。」「武力で世界中の<絶望した若者たち>を封じ込めるべきではないし、不可能だ!」

秋原葉月さん「Afternoon Cafe」ブログから

※(1)「もちろん、普通の人間は戦争を望まない。しかし、国民を戦争に参加させるのは、つねに簡単なことだ。とても単純だ。国民には攻撃されつつあると言い、平和主義者を愛国心に欠けていると非難し、国を危険にさらしていると主張する以外には、何もする必要がない。この方法はどんな国でも有効だ」byヘルマン・ゲーリング ※(2)いつの時代も大衆をファシズムに煽動する手口は同じ。なのに同じ手口に何度も騙されるのは過去に学んでいないから。格差を広げ、セイフティネットを破壊し、冷徹な自己責任論が横行する社会を継続させるのは簡単だ。今よりもっと格差を広げ、セイフティネットを破壊する政策をとればよい。そうすれば人々に自己責任論がもっと浸透し、草の根から勝手に右傾化してくれる。

辺見庸さんのブログから

・権力をあまりに人格的にとらえるのはどうかとおもう。口にするのもおぞましいドブの目をしたあの男を、ヒステリックに名指しでののしれば、反権力的そぶりになるとかんがえるのは、ドブの目をしたあの男とあまり変わらない、低い知性のあらわれである。権力の空間は、じつのところ、非人格的なのだ。だからてごわい。中心はドブの目をしたあの男=安倍晋三であるかにみえて、そうではない。ドブの目をしたあの男はひとつの(倒錯的な)社会心理学的な表象ではありえても、それを斃せば事態が革命的に変化するようなシロモノではない。権力には固定的な中心はなく、かくじつに「われわれ」をふくむ周縁があるだけだ。ドブの目をしたあの男は、陋劣な知性とふるまいで「われわれ」をいらだたせ、怒らせるとともに、「われわれ」をして社会心理学的に(かれを)蔑視せしめ、またそのことにより、「われわれ」が「われわれ」であることに無意識に満足もさせているのかもしれない。ところで、「われわれ」の内面には、濃淡の差こそあれ、ドブの目をしたあの男の貧寒とした影が棲んでいるのだ。戦争は、むろん、そう遠くない。そう切実にかんじられるかどうか。いざ戦争がはじまったら、反戦運動が愛国運動化する公算が大である。そう切実に予感できるかどうか。研ぎすまされた感性がいる。せむしの侏儒との「ふるいつきあい」がベンヤミンのなにかを決定した。そう直観できたアレントほどするどくはなくても、研ぎすまされた感性がいる。けふコビトがきた。ミスドにいった。(2015/11/11)

3 027 重松清「星のかけら」(新潮文庫;2007) 感想3+

2013年11月15日 00時31分37秒 | 一日一冊読書開始
11月14日(木):

234ページ  所要時間 1:30      図書館

pm10:15今日の読書を諦めかけた時に、何とか読む方向に自分を向けることができた(~11:45)。読み易い本で良かった。

著者44歳(1963生まれ)。

交通事故の現場で得られる「星のかけら」、手に入れれば、勇気を得られるという。いじめられっ子の6年生ユウキは、同級生のエリカと塾の友だちマサヤとともに『魔の交差点』で、不思議な女の子ユキに出会う。ユキが交通事故で2年生の時に命を落としたことを知り、ユキに出会える「星のかけら」(実は事故で割れ散らばったフロントガラス)を探す。マサヤの引き籠りの兄タカヒロ。ユウキをいじめるヤノが実は、1年の時、両親の離婚、いじめにあって、ユウキの学校に転校してきたこと。亡くなったユキの母親ミチコさんとの偶然の出会い。

そして、「星のかけら」に現れるユキから、みんなが集まって、生きていることの奇跡的有難さに気づかされる。そして、命を大事にして、自分の意志で勇気を持って道を切り開かなくてはならないことを学び実感していく。

雑誌「小学六年生」に連載された作品「星のかけら」に改稿を加えた作品。小学6年生を対象にした本のわりには、少しレベルが高いと思ったが、大人が読むには楽勝の内容だった。

しかし、重松清ワールドは、少年向け小説でも健在だ。「頑張れ!」という<慈>の世界ではなく、静かに哀しみに寄り添ってくれる<悲>の世界だ。傷ついた人間を回復させてくれるのは、黙って寄り添ってくれる存在だ。重松ワールドの雰囲気に浸っていたい気分になれてよかった。感想は3+だが、プラスαの「+」に俺なりの満足を現したつもりだ。
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131114 山本議員を圧殺しようとする天皇制の危険性に注目するべきだが、現天皇は尊敬できる人だ!

2013年11月14日 21時18分13秒 | <憲法の危機>は「戦後最大の危機」
11月14日(木):現天皇には頭が下がる。偉い人だ。戦前の天皇制に戻そうとする馬鹿者は、現行憲法と民主的立憲君主制を尊重する現天皇の真意をきちんと汲み取るべきだ!

陛下、山本太郎議員案じる    時事通信 11月14日(木)19時20分配信
 宮内庁の風岡典之長官は14日の定例記者会見で、秋の園遊会で天皇陛下に直接手紙を渡した山本太郎参院議員について、刃物が入った封筒が同議員宛てに届いたとの新聞記事を見た陛下が心配されていることを明らかにした。



火葬導入、陵を縮小=両陛下葬儀、意向受け―国民生活への影響も配慮・宮内庁    時事通信 11月14日(木)17時42分配信
 宮内庁の風岡典之長官は14日の定例記者会見で、天皇、皇后両陛下が亡くなられた際の葬儀について、火葬を導入し、墓に当たる陵を小規模化すると発表した。天皇の埋葬方法は江戸時代初期以来約350年間土葬が続いてきたが、「火葬が望ましい」との両陛下の意向を受け、宮内庁が約1年半かけて具体的な検討を進めていた。
 宮内庁によると、天皇陛下の意向で皇后さまとの合葬も検討したが、皇后さまが「あまりに畏れ多い」と遠慮する考えを示したため、両陛下の陵を同一敷地内に寄り添うような形で一体的な陵として建造することにした。
 両陛下の陵は武蔵陵墓地(東京都八王子市)内の大正天皇陵西側に建造し、面積は昭和天皇陵と香淳皇后陵の合計面積(4300平方メートル)の8割程度の約3500平方メートルに簡素化する。形状は上円下方墳とし、鳥居や拝所は別々に設ける。火葬に当たっては、武蔵陵墓地内に専用施設を設置する。
 葬儀では、亡くなった後、従来通り皇居・宮殿に「殯宮(ひんきゅう)」を設営し、一般の通夜に当たる行事を行う。火葬前に比較的小規模な葬送儀礼を新たに実施し、火葬後は殯宮と同じ場所に新しく設ける「奉安宮」に移す。一般の本葬に当たる「葬場殿の儀」の場所については、両陛下が「国民生活や環境への影響に留意する必要がある」との考えを示していることを踏まえ、今後検討する。
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131113 原発地元の被災者は100%の被害者ではない! 子孫にツケを回す超受益者だったことを忘れるな!

2013年11月14日 01時02分03秒 | <憲法の危機>は「戦後最大の危機」
11月13日(水):

朝日朝刊38面で、小泉元首相の「脱原発」発言を一方的に「無責任」として指弾する双葉町から福井県に避難している63歳の塾経営の女性の<被害者面(づら)>に、ものすごい違和感を覚えた。原発地元の被災者は気の毒だ。しかし、あなた方は、<100%の被害者>ではない。63歳であれば、あんたは本当に長い間、原発地元への特別交付金と、東京電力からのどんぶり勘定の莫大な援助金を享受してきた超<受益者>生活を堪能してきたはずだ他に、有力な産業も仕事もなかった弱みにつけ込まれてきた事情も、勿論理解できるが、「脱原発」の真っ当な声に対して、恥じらいもなく被害者面をして「私たちを忘れるな!」と大きな顔をして、新聞に意見表面する姿を見ると正直「お前ら、今まで何十年もええ思いしてきたんやろ! あんまり偉そうに100%の被害者面なんてするな! 事故が起こって大変なことはよくわかるし、何とか被災者が報われる政治を望むが、あまりにも明け透けに、あんたら自身が<100%の被害者面>を振り回して、<脱原発>の動きに注文をつけるのを目にすると「恥を知れ!」と心底思う!

小泉元首相の「脱原発発言を俺は全面的に支持する。本当に有難いことだと思って感謝しながら支持している!」 

原発の立地自治体に言いたい、特に福井県! 「お前ら事故が起こった時にだけ、被害者ずらするなよ! 原発立地と引き換えに、将来の子孫が享受すべき自然環境を引き換えにして得た特別交付金で分相応を超えた公共施設、雇用を得て来た卑しい交換を選択したくせに、被害者面して威張るなよ! 立地自治体のお前らも結局、危険を引き換えにして納得していたんだろう!」 原発事故が起こっても、勿論同情はするが、おまえたちが<100%の被災者>でないことだけは、胸に銘記しておけ!

俺は、「反原発だ! そして小泉元首相が、主張している<即時原発廃止>に全面的に賛成だ。廃炉には、膨大な費用と歳月が必要だろうが、やるなら今だ。」 原発立地自治体は、せめて「廉恥心を持て!」 あんたたちは決して<100%の被害者>ではない! <脱原発>の運動の邪魔をするな!と言明しておく!

朝日新聞の38面を読んで、思った感想を書いた。
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131111 橋下徹よ。従軍慰安婦問題で「どっちもどっち」って、頭おかしいんとちゃうか?謝罪が先やろ!

2013年11月11日 20時41分46秒 | <憲法の危機>は「戦後最大の危機」
11月11日(月):

読売新聞に従軍慰安婦問題について「 橋下氏「あなたも反省、我々も反省のスタンス」 」と出ていた。

日本維新の会の橋下共同代表(大阪市長)は10日、フジテレビの報道番組に出演し、いわゆる従軍慰安婦問題について「正当化するつもりはないが、世界各国で戦場の性の問題はあった。韓国が謝罪を求めてきても、『あなたたちもやっていたようなことでもあるから、あなたたちも反省しながら我々も反省する』というスタンスで臨めばいい」と述べた。
 橋下氏はこの後、大阪市内で記者団に対し、韓国の朴槿恵パククネ大統領が慰安婦問題を理由に首脳会談に応じないことに触れ、「慰安婦問題は何なのか、日本全体で考え直すいい状況になっている」と語った。さらに、「日本は韓国に最大限配慮して政治問題にしないと言っているが、韓国は政治問題にしているのだから、しっかり主張しないといけない」と強調した。     (2013年11月11日13時43分 読売新聞)


呆れ返ってものも言えない。この詭弁モンスターは、とりあえず言い返しておけば、問題を相対化してイーブンにできると思っているのだろうが、今回の発言はあまりにもひど過ぎる。ましてや、海外の人々を相手にこんなふざけた<論理のすり替え>が通用する訳がない! この男は、過ちを過ちとして認め謝罪することの大切さを知っていながら、一番やってはいけないところで<弁護士の手管>を使う愚を犯している。確信犯だ!

ため息が出る。被害者に向かって、加害者が「俺も反省するけど、おまえも反省するべきところはあるやろ。一緒に反省しよう」と言って、ものごとが収まるのか!? ふつうに考えれば、これほど被害者を愚弄して、情けない気持ちにさせて怒らせる言葉はないだろう。

こんな発言が、公党たる日本維新の会代表の口から発されることによって、韓国の人々の怒りの火に油を注ぎ、ますます拗れることをわからないのか。自分自身の失言を謝罪できない小さなメンツを守るために、橋下の大馬鹿が、かつて植民地支配を受け、取り返しのつかない被害を受け傷ついている隣国の人々の記憶の傷口に塩をすり込んでいる姿はいたたまれない。詭弁モンスター橋下徹は決して日本国民の代表者ではない! しかし、海外では、その発言が、日本人の歴史に対する無責任・無反省の象徴として受け止められてしまうのだ。これほどの不合理はない! 従軍慰安婦の問題はますます拗れていくだろう。

日本にとって最重要の同盟国であり隣国の韓国との関係を、これ程までに悪くしてまだ詭弁を弄するのか。まさにアウトレイジャスな発言をまたしてもしてしまっている。それがどれほど日本の<国益>を害しているか。橋下徹は、責任をとれ!

5月17日の朝日新聞「声」欄掲載の投書を再度掲載しておく。

「人を傷つける橋下氏の発言」      精神科医 山本裕子(松江市 46)

 心の痛む事件は毎日のように耳にする。しかし日本維新の会共同代表で大阪市長を務める橋下徹氏の旧日本軍慰安婦をめぐる発言は、それらのニュースとは違う。戦時中の慰安婦を「必要」と発言し、批判を浴びたが撤回しない。憤りを通り越して不快だ。心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状を持つ女性は、このようなニュースを聞くと病状が悪化する。心理的に再被害を受けるのである。

 橋下氏も維新の会共同代表石原慎太郎氏も、買春行為が合法的であったとしても性暴力であることが根本的にわかっていない。戦争中には合法的に人を殺す、だから人を殺すのは皆がやっていることで必要だと言っているのと同じではないか。「間違ったことであっても必要なら人を傷つけてもよい」という思想だと私には思えてならない。

 恐ろしいのは、明らかに間違っていると思われることを彼らが堂々と発言し、高圧的な態度で相手に無力感を与え、思考を停止させ、何も言えなくさせることだ。もし私が対談してもやり込められるだろう。

 発言は世界に発信され、日本の政治に影響している。
放っておくわけにはいかない。一人一人が声を上げなくては大変なことになると感じ、初投稿した。


橋下徹は、政治家をやめろ!おまえの詭弁・強弁が<国益>を害し、日本をどれほど追い詰め、国内外のどれほど多くの人々を深く傷つけているかを自覚し、思い知れ!
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3 026 百田尚樹「海賊とよばれた男(下)」(講談社;2012) 感想5⇒訂正4

2013年11月10日 21時44分37秒 | 一日一冊読書開始
11月10日(日):

362ページ  所要時間 2:20     図書館

著者56歳(1956生まれ)。

下巻の感想は5である。上巻の感想も冷静に考えると3は不当過ぎるので、感想4に引き上げた。

評価を高くした理由は、まず戦前・戦中とは違い戦後に対する歴史観では、著者の考え方にあまり違和感を覚えなかったことだ。そのため素直に話の内容に納得できた。

次に「気に食わない著者の作品だが、とりあえず目だけは通しておこう」という感じで、1ページ15秒を目途に流し読みをしたことも大きかった。細かい言い回しなどを気にせず、ストーリーの展開だけを読み飛ばすことになったことで、かえって内容や展開の面白さを感じやすくなった。2:20でこの面白さなら、費用対効果から感想5でも惜しくはない。

戦後「セブン・シスターズ」とよばれる石油メジャーと闘い、イランがイギリスの石油資本支配を拒否し、イギリス軍による海上封鎖を受けるなか、日本政府の支援なしで国岡商店が第二日章丸を突入させて、イランの石油を買い取り、イランの窮地を救うとともに、イギリスとの国際裁判に一歩も引かないで突破した。また、石油メジャーの一角ガルフ社を従え、徳山に巨大石油精製工場を築く。さらに、巨大タンカーが横付けできるように徳山の海底を大規模に浚渫し、海底パイプを敷設する。さらに千葉県姉崎に東洋第一の製油所を建設。生産調整の圧力をめぐって、国内の石油連盟と対決して脱退、政府とも一歩も引かず対決し勝ちを得る。巨大タンカー国岡丸(出光丸)建造。恩人日田重太郎への恩返し。80歳を超えてからのマルクス研究。最初の妻ユキの消息。1981年、享年95歳で英雄的人生を閉じる。

国岡鐡造こと、出光佐三の人生は確かにすごかったんだなあ、と嘆息せざるを得ない。人生に対するバイタリティーが常人ではない。ノーベル賞学者の山中伸弥教授と並んで神戸大学が輩出した偉大なる人物と言えるだろう


11月11日(月):
一晩おいて、冷静になると、この作品に感想5をつけたことを後悔、嫌悪する気分が抑えられなくなった。感想を4に訂正する。それにともない、上巻の評価も、3に再訂正する。理由は、解釈の段階で<作者の思い込み>が強く出過ぎて説教臭くなっている感触が、俺の嫌いな童門冬二と重なり始めていることかな…?、と思う。決めつけた<上から目線>が、臭くてダサいのだ。
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131109  閲覧18万超えました。ツイッターしました。180,074 PV 72,000 IP。ブログ開設 763日。感謝m(_ _)m

2013年11月10日 15時56分16秒 | 閲覧数 記録
11月9日(土): 記録ですm(_ _)m。

ブログの開設から 763日

アクセス:閲覧 285 PV /訪問者 126 IP

トータル:閲覧 180,074 PV /訪問者 72,000 IP 

ランキング:日別 13,223 位 /週別  15,384 位

※ツイッター(つぶやき):世の中の人々が皆、「みんなが互いに幸せになれたら良いのになあ」と思っているはずなのに、生き甲斐のある、平等で、安心して暮らせる平和な世界が実現しないのは何故なのだろう。誰が悪いのだろう。本当に素朴な疑問だが、解けない。目に付く原因は、

日本:
弱者の悲しみに疎くて知能の低い世襲・二世議員の跋扈(特に自民党)…苦労知らずの無知傲慢野郎ばかり。
早く解散しない松下政経塾の民主ウソつき党(菅をハジキ、鳩山・小沢がいないのだから名前を変えろ)
片山さつき強者に阿り、弱者をいじめる最低の政治屋の典型。こいつだけは存在自体が絶対に赦せない!)
改憲勢力、石原慎太郎、橋下徹詭弁モンスター(平和の尊さを無視して「平和ボケ」と叫ぶ“平和ボケ”野郎
無力なリベラル政党(社民党が有権者からスルーされる理由がわからない…)
国滅びて原発ありを押し通す原子力ムラ(「カネ」のために、日本を滅亡させる気か!)
歴史修正主義者(自虐史観と呼ぶお前らこそ日本史に自信を持てない逃避史観・自慰史観野郎だ。しかも国益を害している)
靖国神社宮司(本当に靖国神社の御霊(みたま)を大事に考えるなら、命懸けでA級戦犯分祀を敢行しろ!)
責任感と批判能力の低いマスコミ(例えば文藝春秋!、どっちをみてるんだ? 他も同様!)
改憲を目指す元皇族(「天皇制」への市民・国民の反感を強烈に煽っている。現天皇の努力を台無しにするダニ野郎)
人口減少・経済後退期に、成熟国家に向けて新しい国家像を提示できず意識を変えられない官僚(志が低くて本当に無能だと思う)

世界:
中国共産党独裁政権(独裁国家。もはや国家の体をなしていない。国内での人権蹂躙と漢族至上主義による民族自治区への暴力・殺戮は断じて赦せない。江沢民の反日教育にもさすがに腹が立っている。平和裏の政権崩壊・民主政権樹立と諸民族国家の自立を願う。混乱下で軍事政権の成立がないことを祈るチベット、ウイグル、内モンゴルを解放せよ!)
アメリカ軍産複合体資本主義帝国(複雑過ぎてよくわからない。マイナス面でなく、プラス面が少しでも伸びて欲しい)
イスラエル(ネタニアフは悪魔に見える。ラビン首相の「enough !(もうたくさんだ!)」の叫びを思い出し、和平の原点に戻れ!)
ロシア(とりあえず、言論の自由・生命の安全を保障し、少数民族虐殺をやめろ)
エスノセントリズム(自民族中心主義)
民族・宗教ナショナリズム…難しい
行き過ぎた国民国家主義…特に中国・ロシア、日本もそうだ。多文化共生を根付かせるべし。
南北問題(アフリカの貧困は看過できない)
新自由主義・経済至上主義

別にきれいごとを書いているつもりはない。素朴に当り前のことを書いた。今後ともよろしくお願いしますm(_ _)m。
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3 025 その2 百田尚樹「海賊とよばれた男(上)」(講談社;2012) 感想3⇒訂正4⇒再訂正3

2013年11月09日 18時35分11秒 | 一日一冊読書開始
11月9日(土):

本屋大賞受賞作として世間で喧伝されているので、手に取ったが、今のところ感想は3(⇒訂正4)だ。前回読んだ「モンスター」と違って性的表現部分がほとんど無いのは、この著者には向いている。作品として一定の水準を超えていることは確かだ。ただ、世間でもてはやされるほどの作品とは思えない。むしろ歴史修正主義者らによる推奨という背景が感じられる。

今ひとつ感動できないのだ。まず文章に、素人っぽさが残っている。著者が浅田次郎と比肩されるのは烏滸がましい。文章の達者さが違う。次に、よく資料を調べ上げているように思うが、その解釈の段階で<作者の思い込み>が強く出過ぎている。さらに、その作者の思いの基準が、古臭く保守的で自民族中心主義(エスノセントリズム)に偏っている

「こんなに立派な日本人がいますよ!」と日本人に知らせたいという作者の気持ちが勝ち過ぎていて、著者と一緒に「日本人ってすごいよね、偉いよね」ってはしゃげる人間は良いのだろう。しかし、「そうかなあ。そないによい面ばかりじゃないでしょ…」と、はしゃげない人間には、作品の視野の狭さ、粗さが気になり、当時の日本の社会のあり様や、植民地の朝鮮半島、満州の人々のあり様について視野を広げて書いて欲しいという思いが残るのだ。

著者の感性を見ると、<遅れてきた司馬遼太郎・城山三郎に憧れる若者(という歳ではないが)>という印象をぬぐえないのだ。

昔、司馬の「菜の花の沖」を読んで、高田屋嘉兵衛の魅力に胸踊らせた後、井上ひさしの「四千万歩の男」を読んだ時、蝦夷地でアイヌを収奪する高田屋の存在の暗さ、陰険さに「同じ対象を描いても、こんなに違うんだ」と驚いたことを思い出した。

著者にも同じことが言えると思う。出光佐三を偉大に描くためにいろいろなことが隠され、合理化されてる気がするのだ。

著者の「観た人が、ああ、生きててよかったなあ、と幸福になる、元気づけられる、勇気がわいてくるものじゃなければならない」という思いは十分共感できる。しかし、司馬遼太郎・城山三郎を気取っているのであれば、こういった大家は少なくとも描く対象が近・現代に近ければ近いほど自らの作品の生臭さや危険性を自覚していた。そこが、決定的な違いであり、著者の作風に浅薄さを覚えるのだ。

いわんや著者が、「たかじんのそこまで言って委員会」などで、ヘイトスピーチを垂れ流す輩(やから)どもと一緒になって無自覚・無神経な言葉を吐いて、はしゃいでいる姿には白けさせられる。特攻隊を美しく描き、不世出の経営者出光佐三を再発見した著者の功績は大きいのかもしれないが、「新しい歴史教科書をつくる会」などの歴史修正主義者と容易に結びついていく気がして残念である。

所詮「物書きなんだから、売れないといけないんだし、俺には時間がないんだ。テレビで偉そうに喋って何が悪いねん。ごちゃごちゃぬかすな!うるさいわい!」というのであれば仕方がない。著者から見れば、共産党嫌いの俺も<左翼の単純バカ>ということになるのだろう。

しかし、視野の狭い右翼的夾雑物が混じっていると、俺は違和感を覚えてしまうし、著者の作品を面白いと思いたい気持ちにブレーキがかかるのだ。作品の中に真実があると思えればこそ、感動もし、落涙もするのだが…。

できれば作家は、作品で勝負して欲しい。作品を読んでいて、作家の容姿や偉そうな言動が頭に思い浮かんでしまうともうダメなのだ。空々しく白々しい気分になってしまう。「探偵!ナイトスクープ」メイン構成作家は勿論続けて欲しいが、「たかじんのそこまで言って委員会」などで、ヘイトスピーチを垂れ流す愚劣な輩(やから)とはしゃぐ姿はもう見せないでほしいのだ。

※なんか書いてるうちに、えらい展開の感想を書いてしまった…。これで下巻で感動してしまったらどうしよう…。まあ、それはそれで真実なのだから、正直に「感動しました」「お見逸れしました」と書くしかないか…。でも、そうはならない気がする。著者は、山崎豊子ではないのだから。

※今、朝刊を見たら、著者は安倍政権の指名でNHKの新経営委員に選任されたそうである。保守系論壇誌に「安部晋三論」を書き下ろし、「再び日本は立ち上がるだろう。安倍晋三はそのために戻ってきたエースである」と安倍さんを称賛しているのだそうだ。「ああ、そうですか…、やれやれ…」である。もう、権力者の靴底を舐めてしまったんですね。まあ、俺と考え方が合うわけないわなあ…。読んでいて感じた違和感も当然か…。作品は作品として読ませて頂きます。ああ、重松清が懐かしくなってきたなあ。
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3 025 その1 百田尚樹「海賊とよばれた男(上)」(講談社;2012) 感想3⇒訂正4⇒再訂正3

2013年11月09日 18時33分46秒 | 一日一冊読書開始
11月9日(土):

380ページ  所要時間 5:35      図書館
 8日(金) 303ページ  所要時間 4:15
 9日(土)  73ページ  所要時間 1:20

著者56歳(1956生まれ)。「探偵!ナイトスクープ」メイン構成作家。感想5をつけた「永遠の0」の著者。「僕は、テレビでも小説でも、観た人が、ああ、生きててよかったなあ、と幸福になる、元気づけられる、勇気がわいてくるものじゃなければならないと思っているんです」という信条の持主。

出光興産の創業者出光佐三(さぞう;1885~1981)をモデルに描いた作品である。本書中では、国岡商店の国岡鐡造となっている。冒頭、「この物語に登場する男たちは実在した。」と記されている。

第一章「朱夏」:
敗戦直後、ほとんど破産状態の国岡商店社長の国岡鐡造(60歳)が、「社員は家族同然。一人の馘首も許さない!」と宣言し、もがきにもがきながらいち早く会社を立て直そうとするところから始まる。

しかし、国岡商店は、戦時中の統制経済に反対し、軍部ににらまれ、国内の石油業者などから嫌われていた。そのため、戦争直後も敵が多く、なかなか立て直しは捗らず、GHQから鐡造が公職追放にあい、GHQの誤解と戦い戦犯容疑を撤回させるなど苦労をしながら、社員と一丸となって少しずつ立ち直り始める様子が描かれる。

第二章「青春」:
国岡鐡造は、1885(明治18)年福岡県の赤間村(宗像市)の藍染職人の家に生まれ、生来の弱視と神経症を克服しながら、日本で二番目の高商として設立された神戸高商(現・神戸大学)を卒業し、初代校長水島銕也(てつや)の「士魂商才(武士の心を持って、商いせよ」を座右の銘とし、まず神戸の小さな酒井商会に丁稚から入り、小麦粉と機械油の商売を一から覚え、2年で、常務にまでなる。

奇縁で知り合った資産家日田重太郎から「お前が何もかも失ったら、わしも一緒に乞食をする」と6000円(今なら8000万円くらい)の資金を譲られ(出資ではない!)、1911年門司で国産原油(1915年がピーク)による機械油を扱う国岡商店を創業する。関門海峡を起点に九州・四国の漁船への海上給油で名をはせ、「海賊」と呼ばれる。

その後、満鉄車両の機械油が外国製なのに目を付け、国産石油の販路を満鉄を通じて満州に拡大していく。商売の拡大を通じて増えていく若手社員に対して国岡は「家族である」として徹底的に自らが手をかけて教育を施し、人材を育て上げる。

1923年関東大震災が起こり、1927年金融恐慌、1931年満州事変、満州国建国、国連脱退、226事件、宣戦布告なき日中戦争、国岡鐡造と国岡商店の描写は、軍部の台頭に批判的で、将来の欧米との対決が石油に及ぶことを危惧しつつ業務に邁進する、という紋切り型が続く。

しかし、ひとたび1941年12月8日、大東亜戦争(著者は好んで意識的にこの言葉を使う)が始まると、国岡鐵造は「米英との戦争が始まった以上、必ず勝たねばならぬ」として、豹変する。国岡商店は、お国のために<滅私奉公>、軍部に全面協力する。また、お国のために戦い、爆撃から戻ってきた零式艦上戦闘機から降りてきた「宮部」という名札の戦闘機乗りの青年の姿を見て胸を熱くする。日本の中国での戦闘行為に対し、国岡(著者か?)は、ほぼ全面的に<戦争を賛美>している。日本軍の中国での大量殺戮・残虐行為は一切描かれないが、日本の軍人・軍属の被害や東京大空襲などは描かれる。

そして、日本は敗戦する。 ※ここで上巻終り。
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3 024 松井孝典/南伸坊「 「科学的」って何だ!」(ちくまプリマー新書;2007) 感想2+

2013年11月08日 00時52分52秒 | 一日一冊読書開始
11月7日(木):

174ページ  所要時間 2:50      図書館

松井孝典61歳(1946生まれ)。惑星物理学・アストロバイオロジー。東大の先生。
南伸坊60歳(1947生まれ)。イラストレーター。エッセイスト。

裏書:人はなぜ「わかるはずのないこと」を知りたがるのか。/時間旅行やUFOや占いはなぜありえないか。/「わかる」と「納得する」を区別すれば、ものごとがクリアに見えてくる。

南伸坊の語りは、常識的で意外と言っては失礼だが、相応以上に教養がある印象を持った。

松井孝典の話し方は、養老孟司と通底する身も蓋もない科学的断定が繰り返される。東大の名誉教授になるような学者というのは、みんなこんなふうになるのだろうか。ある種の固い岩盤のような印象を受けた。

今日は俺の精神状態が良くないのか、松井の頑固で偏屈なもの言いをあまり愉快には受け入れられなかった。勿論、科学的知見に対しては御説ごもっともで拝聴するだけだったが、現代日本を論じるところでは、「最先端の科学者のわりには、保守的価値観(体罰容認)を堅持してるんだなあ」と少しいぶかしく感じた。

*松:現生人類は、「時空」という概念を持った。すると、「今」があれば「その前」と「その後」があると考える。「ここではない場所」があると考えるようになる。というわけで、「あの世」という概念を持つようになる。46ページ

*松:大変だけど我慢して、一生懸命考えて解く。そういう「我慢する」ということを教えるのも学校教育の一つだったんです。何でもかんでも、努力しないでわかるわけではない。一生懸命取り組んで苦しみ抜いた末に、ようやく何とかなるという種類のことが世の中にはあるんだと。それが、学校教育が教えなければならないことの一つだったわけです。とくに理数教育というのは、そういうことなんです。/我慢しなきゃわからない。自分で苦労に苦労を重ねて、やっと解けたときに、「ああ、こうだったんだ」という感動が得られる。その快感をまたバネにして次のステップにいく。そういうステップを踏みながら、次第に理解する構造になっているわけです。93~94ページ


もう寝ます。
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3 023 美馬のゆり「理系女子(リケジョ)的生き方のススメ」(岩波ジュニア新書;2012) 感想2

2013年11月07日 21時02分16秒 | 一日一冊読書開始
11月7日(木):

219ページ  所要時間 1:05    図書館

著者52歳(1960生まれ)。

感想は2だが、評価はわからない。失敗読書だった。速く読むために、まず「あとがき」から読んだ。その時、本書が、上野千鶴子の指導のもとで書かれたことを知り、嫌な予感がした。

俺は上野千鶴子があまり好きではない。上野が主張する「男社会への批判」がどうも一面的でふくらみがない気がするのだ。上質な批判者は、批判される者をも頷かせ、気持ちよくさせるものだと思うのだが、上野千鶴子の本は楽しくないのだ。曽野綾子のように軽蔑しているわけではない。ただ感性が合わないのだ。

「上野千鶴子の二番煎じだったら嫌だな。おれは社会学的に理系女性の置かれている立場なんて論じているのを読みたくはない。楽しくて、気付きを与えてくれて、かつ問題提議もする読み物としての本だったらいいのに…」と願っていた。

1ページ30秒ペースで、読み始めるたが、ちっともわからないし、わかりたくもない感じだった。自然にページを見る時間が少なくなった。面白くないし、苦痛だ。読むのをやめようかとも思ったが、立花隆が「読むのを諦めた本も、一応最後まで目を通しておけ」と書いているのを思い出し、1ページ15秒のペースで目を這わせた。

結論として「ゆっくり読んでも、あまり面白くない本だ」ということだけはわかった。上野千鶴子の延長だった。別に悪口を書く気はない。今の俺には不要な内容の本だったというだけ。まあ、これも読書ということにさせて下さい。

目次: *コピペ
 第1章 リケジョ的視点で生活する
 第2章 リケジョ的視点で社会を観察する
 第3章 仕事のしかた,リケジョの場合
 第4章 「学び」の成果を使う,活かす
 第5章 「リケジョ力」を未来に活かす
 第6章 科学リテラシー
 第7章 理系女子的生き方のススメ
 第8章 未来のリケジョとリケジョを育てるみなさまに
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3 022 百田尚樹「モンスター」(幻冬舎文庫;2010) 感想3

2013年11月06日 23時35分33秒 | 一日一冊読書開始
11月6日(水):

494ページ  所要時間 3:15     図書館

リハビリ読書のつもりで、1ページ15秒のペースで読んだ。「永遠のゼロ」の時もそうだったが、著者の小説は速読し易い。眺め読みでも、話の筋・展開は見失わない。1ページ15秒のペースはゆっくり眺めるというよりは、眼球を上下に激しく動かすキョロキョロ読書になる。

ひどい醜さと、初恋の男子をメチル・アルコールで失明させようとした事件で「モンスター」と呼ばれた女性が、町を追われて東京に出て、二重瞼の整形で目覚めて、風俗で荒稼ぎをしながら整形手術を繰り返し、整形手術そのものが目的化し、完全な美貌を獲得する。さらにその美貌にわずかなゆらぎを加えることで美貌を極める。

美しくなった女は、自分の年齢による衰えを意識しながら奇跡的に美貌を維持する。夜は、高級ソープ嬢として働く女に、周りの男たちは、ひれ伏し、貢ぎ、その愛を求める。美貌による光背効果で、女は高い知性を持っているという誤解すら獲得する。一方で、少しでも体をゆるすと男たちはよそ見を始める。与えたり焦らしたりしながら、女は美貌にのみ釣られ、心の無い男たちとの関係に白ける。

もてはやされる女の心の陰で、醜かったときの女の意識が男たちを冷めた目で観察している。しかし、38歳になり、昔メチル・アルコールで失明させようとした初恋の男を今の美貌で虜にした時、醜かった時の女の意識が抑えようもなく、前面に出てきて女は苦悩する。中年化した初恋の男に妻との早急な離婚を迫り、男と修羅場を演じつつ、女はくも膜下出血で急死する。

男は誰も、美しい女の前に愚かにひれ伏す存在だ。かつての初恋の男も結局、クズだった!チャンチャン!、というオチである。

正直、もう少し、気の利いた終わらせ方はなかったものか? 途中まで感想は4だったが、終わり方の味気なさで3にした。エンターテインメントとしては、まずまずだが、結局それ以上の内容ではなかった。物語りの終盤、明らかに作者は迷い、失速していたと思う。もう一度読み直したいとは思わない。

特に、繰り返し描かれる性交シーンでは、「これを書いてるのは、テレビでエラそうに喋ってるあの坊主頭のおっさんなんだよな…」と著者の顔を思い出すと、性的に興奮するよりも先に気分が萎えてしまった。「小説家は、やっぱりあまり生身をテレビのバラエティ番組(「たかじんのそこまで言って委員会」など)なんかに露出すべきじゃないなあ。起つもんも起たんよ!」と思ってしまった

ちなみに、この作品の内容は、「リーガル・ハイ2」の第3回「ぶさいく整形離婚裁判」でパロディー化されているように感じた。
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131104 楽天の優勝に感動したが、一方で政治家に楽天の選手たちほどの被災地への思いがないのが情けない。

2013年11月05日 02時10分00秒 | <憲法の危機>は「戦後最大の危機」
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3 021 中沢啓治「はだしのゲン 第5巻」(汐文社;197?) 感想 とりあえず4

2013年11月05日 01時22分34秒 | 一日一冊読書開始
11月4日(月)振り替え休日:

265ページ  所要時間 1:55    図書館

1947年12月から始まる。12月7日天皇の広島訪問。戦災孤児を利用するヤクザ。原爆ブラブラ病。貧困飢餓の継続。顔と手にケロイドをもつ女の子の絶望。食料を持つ百姓のえげつない強欲。天皇の戦争責任を問うゲン。戦争に反省の無い教師。浮浪児(戦災孤児)狩り。治療ではなく原爆被害を調べるABCCの被爆者や被爆者の遺体に対する“標本”扱い。ABCCと癒着する医師たち。被爆者の骸骨を集めてお土産としてアメリカ兵に売る子どもたち。最後は、ゲンの母が栄養失調と過労・心労で血を吐いて寝込んで、to be continuedだった。

原爆は投下の8月6日よりも、その後の長い外見だけでなく、原爆症という内部から死に至る恐怖、そして身寄りをなくし、孤独・孤立下で生きる希望を失くし、飢餓が続く戦後の方がさらに悲惨だということがわかる。

広島県の人々は、皆が被害者と言うわけではなく、かえって被爆者を差別し、排斥した加害者の側面も持っている。

寝ます。
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131101 山本太郎参議院議員は議員辞職してはいけない。民主主義を否定する特定秘密保護法案断固反対。

2013年11月02日 00時53分14秒 | <憲法の危機>は「戦後最大の危機」
11月1日(金):

 山本太郎参議院議員の天皇園遊会での直訴は、あまりほめられたことではない。しかし、彼に投票した有権者や、俺も含めて彼を支持している全国の何十万、いや百万超か?の支持・支援者の期待を裏切る行為ではない。参議院は何がしかの厳しい処分を科すべきかもしれないが、彼を議員辞職にしてはいけない。それは、参議院の空洞化・形骸化を進め、参議院自身の国民からの遊離、自己否定をもたらし、深い政治不信をまねく参議院の自殺行為である。ここは、むしろ多様な立場の人から構成される<参議院の度量の深さ>を示すべきところである。

 改めて言う参議院は、山本太郎氏を議員辞職させてはいけない。山本氏は、安易に議員辞職してはいけない。

 民主主義を否定する特定秘密保護法案は、治安維持法の再来だ。断じて認めてはいけない。日本を<秘密主義国家>にしてはいけない。戦前の過ちを繰り返すことを断じて赦してはいけない。

 ついでに、新しい大学受験制度改革は、日本の教育を混乱状態に陥れるので、断固反対。入試制度に<人物本位>なんて言葉は、全くナンセンス誰から見ての<人物本位>なのかを考えてみれば、全く明白なことだ。高々、17,18歳の子どもに、その後の長い人生を決める何の<人物本位>の基準があるというのか! 結局入試制度を複雑にし、高校生も高校現場もただひたすら混乱し、<ゆとり教育>の轍を踏み、膨大な虚しいエネルギーをロスするだけなのは明らかだ。面接などの多用による<受験料金の高騰>は、貧富の格差と教育の格差を強く結び付け、不平等を助長するだろう
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3 020 中沢啓治「はだしのゲン 第4巻」(汐文社;197?) 感想 とりあえず4

2013年11月02日 00時43分58秒 | 一日一冊読書開始
11月1日(金):

284ページ  所要時間 1:55   図書館

1945年8月30日、マッカーサー来日。8月6日原爆投下の日に生まれたゲンの妹友子が、2年後の1947年8月6日に生を閉じる。元気の塊だったゲンが2週間全く言葉を失うが、<ピカの毒>でツル禿げだったゲンの頭に髪の毛がはえ、生きる元気を取り戻して第4巻は終わる。

米軍占領下で、原爆の調査と隠蔽、栄養失調による死の恐怖、米軍食糧狙い、闇市とヤクザ、隆太のヤクザ射殺と失踪、青空学校の再開、被爆生徒へのイジメ、タケノコ生活と食料を持つ農家の貪欲、生き延びるために米兵に身を売るパンパン、赤ん坊友子の誘拐事件、正信偈・御文章を覚えるゲン、警察の弱体化、赤ん坊友子にすがる大人たち、友子の喀血・発病(癌か)、お経で金儲けをはかるゲン、1947年8月6日の第一回平和祭での無神経なお祭り騒ぎ、在日朝鮮人朴さんとの再会、同日ゲンの妹友子の死(二歳)、ゲンの髪の毛再生 ざっと、こんな内容だった。

そして全編に通奏低音として、<食糧不足による飢餓>と<弱者に対する冷たさとイジメ>が流れ続けている。改めて、東日本大震災と福島原発事故の被災者を思った。勿論、現代は食糧事情は十分だが、圧倒的弱者である被災者に対する冷淡さ、無関心は似ている気がする。

読んでいて記憶のかなたに消えていた出来事が蘇る。特に、他の作品やメディアでは敬遠されてなかなか歴史のオモテに浮かんでこない敗戦直後の真実が、「はだしのゲン」ではしっかりと描き込まれている。今では、差別語として使えない「きちがい」「こじき」「つんぼさじき」などの言葉がテンコ盛りだが、あえて訂正する愚は犯されていない。反戦・平和への祈りが込められている作品だからこそ許されているのだろう。

感想は、数字にしにくい。5では高すぎるが、3では失礼過ぎる。だから4なら、ぴったりくるかと言えば、それも落ち着かない「はだしのゲン」は、漫画だが、戦争と戦争直後の貴重な記録だ。歴史史料だと言える。それにしてもよくこんな作品が『ジャンプ』という少年雑誌で連続掲載ができたものである。1970年代というのは、戦争の記憶がしっかり残るとともに、反戦・平和・人権に対する精神が前進していた時代だったのだ、と改めて思った。もちろん、現在は精神の後退・衰退の時代だ。
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150329 タガ外せば歯止め失う 長谷部恭男・早稲田大学教授/「未来志向」は現実逃避 杉田敦・法政大学教授

 杉田 先日ドイツのメルケル首相が来日しました。戦後ドイツも様々な問題を抱えていますが、過去への反省と謝罪という「建前」を大切にし続けることで、国際的に発言力を強めてきた経緯がある。「建前」がソフトパワーにつながることを安倍さんたちは理解しているのでしょうか。  / /長谷部 そもそも談話が扱っているのは、学問的な歴史の問題ではなく、人々の情念が絡まる記憶の問題です。記念碑や記念館、映画に結実するもので、証拠の有無や正確性をいくら詰めても、決着はつかない。厳密な歴史のレベルで、仮に日本側が中国や韓国の主張に反証できたとしても、問題はむしろこじれる。相手を論破して済む話ではないから、お互いがなんとか折り合いのつく範囲内に収めようと政治的な判断をした。それが河野談話です。  / /杉田 談話の方向性や近隣との外交について「未来志向」という言い方がよくされますが、意図はどうあれ、それが過去の軽視という「見かけ」をもってしまえば、負の効果は計り知れない。安倍さんたちは、未来を向いて過去を振り払えば、政治的な自由度が高まると思っているのかもしれません。しかし政治の存在意義は様々な制約を踏まえつつ、何とか解を見いだしていくところにあります。政治的な閉塞(へいそく)感が強まる中で、自らに課せられているタガを外そうという動きが出てくる。しかし、それで万事うまくいくというのは、一種の現実逃避では。  / /長谷部 合理的な自己拘束という概念が吹っ飛んでしまっている印象です。縛られることによってより力を発揮できることがある。俳句は5・7・5と型が決まっているからこそ発想力が鍛えられる。しかし安倍さんたちは選挙に勝った自分たちは何にも縛られない、「建前」も法律も憲法解釈もすべて操作できると考えているようです。  / /杉田 俳句は好きな字数でよめばいいのだと。  / /長谷部 あらゆるタガをはずせば、短期的には楽になるかもしれません。しかし、次に政権が交代したとき、自分たちが時の政府を踏みとどまらせる歯止めもなくなる。外国の要求を、憲法の拘束があるからと断ることもできない。最後の最後、ここぞという時のよりどころが失われてしまう。その怖さを、安倍さんたちは自覚すべきです。 =敬称略(構成・高橋純子)朝日新聞『考論』

0015 オルテガ「大衆の反逆 (桑名一博訳;久野収解説)」(白水社イデー選書;1930)評価5

以下は、オルテガ所論の久野収による抜粋の抜粋である:///  オルテガによれば、政治のなかで「共存」への意志を最強力に表明し、実行していく政治スタイルこそ、自由主義的デモクラシーである。共存は、強い多数者が弱い少数者に喜んで提供する自己主張、他者説得の権利である。敵、それも最も弱い敵とさえ、積極的に共存するという、ゆるがない決意である。/その意味で、人類の自然的傾向に逆行する深いパラドックス(逆説)であるから、共存を決意した人類が、困難に面してこの決意を投げ出すほうへ後退したとしても、それは大きな悲劇ではあっても、大きな不思議とするには当たらない。/「敵と共存し、反対者と共に政治をおこなう」という意志と制度に背を向ける国家と国民が、ますます多くなっていく1930年代、オルテガは、「均質」化された「大衆」人間の直接行動こそが、あらゆる支配権力をして、反対派を圧迫させ、消滅させていく動力になるのだという。なぜなら、「大衆」人間は、自分たちと異類の非大衆人間との共存を全然望んでいないからである。略。///  「大衆」人間は、自分たちの生存の容易さ、豊かさ,無限界さを疑わない実感をもち、自己肯定と自己満足の結果として、他人に耳を貸さず、自分の意見を疑わず、自閉的となって、他人の存在そのものを考慮しなくなってしまう。そして彼と彼の同類しかいないかのように振舞ってしまう。/彼らは、配慮も、内省も、手続きも、遠慮もなしに、「直接行動」の方式に従って、自分たちの低俗な画一的意見をだれかれの区別なく、押しつけて、しかも押しつけの自覚さえもっていない。/彼らは、未開人―未開人は宗教、タブー、伝統、習慣といった社会的法廷の従順な信者である―ではなく、まさに文明の洗礼を受けた野蛮人である。文明の生み出した余裕、すなわち、贅沢、快適、安全、便益の側面だけの継承者であり、正常な生存の様式から見れば、奇形としかいいようのないライフスタイルを営んでいる新人類である。略。///  「自分がしたいことをするためにこの世に生まれあわせて来た」とする傾向、だから「したいことは何でもできる」とする信仰は、自由主義の自由の裏面、義務と責任を免除してもらう自由にほかならない。/われわれは自由主義の生みだした、この「大衆」人間的自由、自己中心的自由に対し、他者と共存する義務と責任をもった自由を保全しなければならないが、一筋縄でいかないのは、この仕事である。(160626:イギリスEU離脱について思うところ=もみ=)