もみさんの一日一冊遊書録( 2011年9月1日 スタート!: メメント・モリ ) ~たゆたえど沈まず~

年とともに人生はクロノロジー(年代記)からパースペクティブ(遠近法)になり、最後は一枚のピクチュア(絵)になる

150215 衆参両院の「テロ非難決議」を非難する!「テロの本質」を真面目に語る政治家はいないのか!

 真面目に「テロの本質」を考えれば、その原因が、決して宗教の違いにあるのではなく、世界的に広がる富の偏在、極端な格差拡大、差別構造の継承、及びパレスチナ問題、それらによる<若者たちの絶望>にあることは、実は誰もがわかっていることだろう! それを「世界には凶悪なテロリストが大勢いて、こいつらを叩き潰せばテロが無くなる」なんて話に無理やりすり替えている。誰も、「テロの本質が、日本・世界の社会構造が抱える富の偏在・格差の拡大及びパレスチナ問題の<野放し状態>にこそある」という本質を語らないし、見させようとしない。そして、凶悪なテロリストへの恐怖ばかりを煽りたてている。これはまさにオーウェルの「一九八四年」の世界と同じだ。今回の国会の「テロ非難決議」に社民党・共産党まで加わっていたのには、あきれ果てた。「誰も本質を見ようとしない。」「武力で世界中の<絶望した若者たち>を封じ込めるべきではないし、不可能だ!」

秋原葉月さん「Afternoon Cafe」ブログから

※(1)「もちろん、普通の人間は戦争を望まない。しかし、国民を戦争に参加させるのは、つねに簡単なことだ。とても単純だ。国民には攻撃されつつあると言い、平和主義者を愛国心に欠けていると非難し、国を危険にさらしていると主張する以外には、何もする必要がない。この方法はどんな国でも有効だ」byヘルマン・ゲーリング ※(2)いつの時代も大衆をファシズムに煽動する手口は同じ。なのに同じ手口に何度も騙されるのは過去に学んでいないから。格差を広げ、セイフティネットを破壊し、冷徹な自己責任論が横行する社会を継続させるのは簡単だ。今よりもっと格差を広げ、セイフティネットを破壊する政策をとればよい。そうすれば人々に自己責任論がもっと浸透し、草の根から勝手に右傾化してくれる。

辺見庸さんのブログから

・権力をあまりに人格的にとらえるのはどうかとおもう。口にするのもおぞましいドブの目をしたあの男を、ヒステリックに名指しでののしれば、反権力的そぶりになるとかんがえるのは、ドブの目をしたあの男とあまり変わらない、低い知性のあらわれである。権力の空間は、じつのところ、非人格的なのだ。だからてごわい。中心はドブの目をしたあの男=安倍晋三であるかにみえて、そうではない。ドブの目をしたあの男はひとつの(倒錯的な)社会心理学的な表象ではありえても、それを斃せば事態が革命的に変化するようなシロモノではない。権力には固定的な中心はなく、かくじつに「われわれ」をふくむ周縁があるだけだ。ドブの目をしたあの男は、陋劣な知性とふるまいで「われわれ」をいらだたせ、怒らせるとともに、「われわれ」をして社会心理学的に(かれを)蔑視せしめ、またそのことにより、「われわれ」が「われわれ」であることに無意識に満足もさせているのかもしれない。ところで、「われわれ」の内面には、濃淡の差こそあれ、ドブの目をしたあの男の貧寒とした影が棲んでいるのだ。戦争は、むろん、そう遠くない。そう切実にかんじられるかどうか。いざ戦争がはじまったら、反戦運動が愛国運動化する公算が大である。そう切実に予感できるかどうか。研ぎすまされた感性がいる。せむしの侏儒との「ふるいつきあい」がベンヤミンのなにかを決定した。そう直観できたアレントほどするどくはなくても、研ぎすまされた感性がいる。けふコビトがきた。ミスドにいった。(2015/11/11)

151017 参院選「落選運動」第1位<片山さつき>絶対に落とす!社会保障制度の敵!冷酷な安倍自民の象徴!

2015年10月17日 22時43分18秒 | <憲法の危機>は「戦後最大の危機」
10月17日(土):

 俺が最も許せない政治屋が、片山さつきだ。来年の参議院選「落選運動」の筆頭だ!絶対に落とす!
 弱者たたきを票に結びつける片山さつきは日本社会を完全に歪めようとしている。社会保障制度の敵、現代に生きる悪魔だ。
 片山さつき強者に阿り、弱者をいじめる最低の政治屋の典型こいつだけは存在自体が絶対に赦せない!

リテラ片山さつきが坂上忍に年金問題とマイナンバー制度を批判され暴言連発! またぞろ生活保護バッシングも…  2015.10.17.
  下着ドロボーの高木毅復興相に、竹刀で体罰の馳浩文科相、ヤクザとズブズブという過去が暴かれた森山裕農相……。早くもその本質が露呈しつつある第三次安倍内閣だが、そんななか、今度は安倍応援女衆のひとりである片山さつきがテレビの生放送で問題発言を連発した。
  片山が出演したのは、10月6日に放送された『バイキング』(フジテレビ)。きょうの番組テーマは年金制度だったが、片山は「年金は支え合いの制度。愛です!」「You and I、そして愛なんです」と珍妙なフレーズを連呼。年金はいまの若者たちの老後にも「破綻的なことがなければ」支払われると訴えた。
  しかし、ここでツッコミを入れたのは、番組MCの坂上忍だ。
  「ぼくは執念深い男なので、消えた年金問題のときにね、安倍さんが『最後のひとりまでお支払いする』っておっしゃったんですよ。それ、どうなったんですか?って話があって。それができない限り、ぼくは信用しません」
  生放送で突然、鋭く切り込まれてしまい、ものの見事に表情が固まってしまった片山。だが、口を開くと、こんなことを言い始めた。
  「また厚生労働省でね、事件起きちゃって、わたしたち政治家のほうは怒っております」
  坂上が話したのは消えた年金問題のときの安倍首相の説明についてで、厚労省のマイナンバー収賄の話ではない。こうして露骨に話題をすり替え、さらには「政治家のほうは怒っております」と責任を転嫁する。だいたい片山自身も大蔵官僚時代、労働省(当時)から官官接待を受けていたことが問題になっているが、そんなことは棚に上げて、である。
  ある意味、この“話のすり替え”は片山のお決まりのパターンだが、番組ではここから片山の暴言劇場がはじまった。
というのは、番組レギュラーの渡辺えりが「年金を払っていない人が4割もいて、その人たちがお年寄りになったときにどうするのかって、すごく不安ですよ」と発言。すると片山は咄嗟に「それなんです!」と言い、生活保護受給者バッシングを繰り出したのだ。
  「私がこの4年間、ずっと取り組んでいる生活保護の問題で、本当に無年金で蓄えもなく、その方たちもわたしたちと同じ日本人、仲間ですから支えなきゃいけないと。(でもその人たちは)100%税金の生活保護になっちゃって、それが3兆円、4兆円になっちゃって、このままじゃ本当に国がもたないんですよ。だから、少しでも、少しずつでも、できる限り働く側に回ってもらって」
  もちろん、渡辺は年金を払っていない人たちを責めたのではない。「働きたくても働けない人たち、払いたくても(年金の)その金額が払えない人たち」のことを心配したのだ。だが、片山にはまったく届かず、「現役で働ける方が60万人くらいいらっしゃるのも事実」「病院たらい回しとか、その問題もあるし」と、結局“生活保護受給者が国を滅ぼす”と言わんばかりに主張した。
  しかも、その後、前出の厚労省官僚のマイナンバー収賄に話が移っても、「(マイナンバー導入によって)ずる貰いみたいな生活保護もなくなるし、管理もしやすくなる」と言ってのけたのだ。
  片山は、次長課長・河本準一を「税金ドロボー」だとし、生活保護バッシングを展開した張本人だが、そのせいで渡辺が指摘したような国が保護しなくてはいけないような人びとがさらに生活保護を受給しづらい環境をつくり上げた。それでも片山には反省などあるはずもなく、生活保護を「ずる貰い」と表現し、マイナンバー問題をまたしてもお得意の論理のすり替えで生活保護バッシングに利用したのだ。
  さらに、そのマイナンバー導入に坂上や雨上がり決死隊の宮迫博之から反論が飛び出すと、「世界中IT化だから、どこの国でも制度あるからやっていこうっていう、そういう国民運動なんですね」と説明。当然、国民のあいだからはマイナンバーに懐疑的な声こそ上がってはいても、それを求める運動など起こってはいない。誰にでもわかる大嘘である。
  また、賄賂を受け取ったと言われる厚労省の官僚についても、「すごいキャラの立っちゃってる、変わった厚労省の職員さん」「服装が異常」などと述べ、“たんにヘンな人が混ざっていただけ”だと片山は問題を矮小化。他人の容姿をとやかく言うなら片山のヘアスタイルも大概ヘンだと思うが、挙げ句、片山はこのように語り始めた。
  「いちばん利権があるのは、いま中華人民共和国と言われていますから、官僚制度のいちばん強いのは共産圏なんですよ。情報独占で何でもできちゃう。(中略)そういうレベルでは日本はないわけですが」
  日本の官僚による収賄の話をしているのに、今度はなんと中国に話題をすり替える。──これだけでも驚きだが、番組の最後に「最近、嬉しかったニュースは?」と尋ねられた際には「スポーツ界のいろんな活躍ですね」と言い、つづけて「日本のいろんな国際貢献がね、国連の場とかでも少しずつ認められているのが嬉しいのと、逆にあの南京みたいな、間違った情報が登録されて、これは絶対、反論してやり返さなきゃいけないなと」と、さらっと“南京事件はなかった”と主張した。
  「間違った情報」を垂れ流し、詭弁を弄しているのはあなたのほうでは?と言いたくなるが、これこそが安倍政権クオリティというものなのだ。
  ちなみに番組では、片山が前夫・舛添要一とのスピード離婚について触れ、舛添のことを「怖かった」と語る一幕も。そして、当時の自分をこう評した。
  「いまの議員やってる片山さつきじゃないですもん。大蔵省で、まだそれこそ新進気鋭の、夜遅くまで働いている女性ひとりのキャリアウーマンで」
  自分のことを“新進気鋭”と自画自賛……。厚かましいにも程がある。(水井多賀子)


「 130101-2 「朝まで生テレビ」で片山さつきの姿は傲慢冷酷な役人にしか見えない。 」
                            2013年01月01日 04時53分37秒 | 日記
1月1日(火):

  朝まで生テレビをボーっと観ているが、自民党は片山さつきの価値観でやっていけると思っているのか???。あまりにも上から目線の官僚的弱者切り捨て発言が多いことに驚いてしまった。ほとんど化け物に見える。近隣諸国に対する硬直した発言にも無責任さしか感じられない。分類すれば新自由主義ということかもしれないが、片山さつきの発言には傲慢さと極端な冷酷さが目立つ。
  総選挙・参議院議員選挙のときに、支持者に土下座を繰り返していた姿とダブって矛盾に戸惑ってしまう。自助、共助、公助と題目のように口にしながら、個人と家族の責任のみを強調して、社会全体での助け合いを完全否定する口調には、権力者であることの誇示と冷酷さしか感じられない。自民党は、片山さつきの路線で行くのか??? 間違いなくイメージダウンだ。
  5:20 田原さんが「片山さんの一番悪い点は、謙虚さが全くないこと!」とダメ出しをしてくれた。よっぽど腹にすえかねたのだろう。本当に田原さんの言うとおりだと思う。
  片山さつきの隣に座っていると、同じ新自由主義者の竹中平蔵が温かい人柄に見えてしまうのは変な気分だ。片山のしゃべり方は「(愚民たちに対する)生殺与奪の権限は自分たちにあるのだ」という傲慢で酷薄な官僚の意識そのものだ。全く親しみのかけらも持てない。まさに<無機質な壁>だ。<血の通う人間>ではない。

「 0023 雨宮処凛「14歳からわかる生活保護」(河出書房新社;2012.10月) 感想5 」
                       2013年02月03日 20時38分41秒 | 一日一冊読書開始
2月3日(日):

203ページ  所要時間1:30        図書館

著者37歳(1975生まれ)。読書リハビリに読んだが、思わぬ収穫だった。簡潔で無駄が無く、人間らしい優しさに満ちた本当に実(じつ)のある内容である。はっきりと言おう!良書である!生活保護に関する最も良い入門書だと思う。

著者の行動力と取材力は既に有名だが、改めて<今一番格好いい女性の一人>であるのを確認できた。また、弱者の権利に対する確かな目と不法・不当な権力のあり方を許さない姿勢に大変共感した。

生活保護に対する偏見と誤解を確信犯として助長し、スティグマ(恥の烙印)を印象付けることで、社会保障を削ろうとする政治屋(本書中では、自民党の片山さつき議員の名前が何度も出ていた!)や、「水際作戦」と称して生活保護を必要とする人々から不法に生きる権利を奪おうとする役所の手口が暴露されるとともに、それによって死ななくてもよい大勢の人の死がもたらされた罪深さが示されている。

権利としての生活保護という制度が十分に生かされていない。人間の再生のために生活保護の活用が大切であること、誰かが身を寄り添わせてあげるだけで、多くの死ななくてもよい人たちを救えること、NPOの「もやい」の存在などが丁寧に示されている。

扶養義務者には、「強い扶養義務者」と「弱い扶養義務者」があり、「河本準一さんは仕送りをして、福祉事務所とも、どれくらいだったら援助できるかを話し合い、親御さんが仕送りを受けてもなお最低生活費に足りない分を福祉事務所から保護費として支給されていたので、手続き的にまったく問題ない。148ページ

役所は「個人情報保護」という題目のもと、自らの不作為と死んでもよいという未必の故意を合理化している。生命よりも大切な個人情報があるというのか。

目次:
不正受給額はたったの0.4%以下!
受給者の約8割が高齢者や病気・ケガで働けない人……
間違いだらけの生活保護バッシングをキチンと改める「生活保護」入門。
第1章 札幌姉妹「孤立死」事件 ——見捨てられた命が教えてくれること
「他人事ではない」孤立死事件/2012年に相次いだ、餓死・孤立死/一日一食、非常用のパンだけで生き延びろ?/言い逃れをする区の職員たち/ありえないほどいい加減な面接/申請を諦めさせる「水際作戦」
第2章 そもそも生活保護ってなに!? ——自立生活サポートセンター・もやい 稲葉剛さんに聞く
生活保護を受けるための3つの要件/リーマンショック以降、相談件数が増加した/申請書を受理しないのは違法行為/生活保護の受付がガードマン?/生活保護費の半分が医療費である理由/人体実験のごとき貧困ビジネス/「生活保護=恥」を作り出す国会議員/仕事に就けないのは本人の責任なのか/「かわいそうだから助けましょう」は危険
第3章 生活保護を受けて暮らすということ ——受給者A子さん(40代・女性)・B男さん(20代・男性)に聞く
受給者のA子さん(40代・女性)に聞く/役所がDV夫に連絡してしまう/生活保護を知っていたから逃げ出せた/見過ごせない母子家庭の貧困率/受給者のB男さん(20代・男性)に聞く/親も貧困だから戻ることが出来ない/ネットカフェ難民のカップル/「やっと布団で寝られる……」/発見されなかった病気・障がい/「失業する→ホームレスになる」は日本だけ/「助けて」という声を封じていないだろうか/「人を見捨てない」人たちがたくさんいる
第4章 なぜ生活保護は誤解されるのか? ——弁護士・尾藤廣喜さんに聞く
河本さんは不正受給にはあたりません/生活保護を受けている世帯は公務員にはなってはいけない?/恥をかかなくてもいい制度に/『ハリー・ポッター』は生活保護を受けながら書かれた/国によってこんなにも違う生活保護/年金と雇用に向き合えば受給者は減る/貧困は自己責任じゃない、社会の構造に問題がある/人間は誰しも、弱みも可能性も持っている
【申請用紙付き】簡単に分かる『生活保護』申請のやり方/全国の相談所一覧

「 5 014 新井直之「チャイルド・プア 社会を蝕む子どもの貧困」(TOブックス:2014)感想4+ 」
                       2015年09月23日 02時40分32秒 | 一日一冊読書開始
9月22日(火):  

240ページ    所要時間 1:45     図書館

著者32歳(1982生まれ)。NHK報道番組ディレクター。

昼間出かけて、夜遅く「ちょっと今日は本読むの無理かな…。」と思いながら、「1ページ15秒で割り切って何とか縁結び読書をできないか」と手にしたのが本書である。読み始めて、意外と速読ができる。1ページの字数もやや少ない。良識を感じる良心的内容である。波長がぴたりと合い、終盤読む速度が遅くなった。たまにはこういう良い出会いもある。

NHKの若き番組制作ディレクターが、先進国中最悪レベルの子供の貧困問題を取り上げている。NPO法人さいたまユースサポートネット代表理事の青砥恭先生を取材しているのも確実な番組作りを感じさせる。まず、行き先を間違わない確かな方向性をもって書き始められている。

現代の貧困状況にある子どもたちの問題を、NPO団体、子どもたち本人、子どもたちの保護者、学校現場(特に定時制)、SSW(スクール・ソーシャル・ワーカー)を取材して地に足着いた具体例が素直な形で示されている。著者の謙虚な姿勢も本書読みやすくしている。

読んでいて、二つのことを考え続けた。まず、下らない安倍晋三のマスターベーションに日本中が翻弄される中で、真に日本の未来への投資である「子どもの貧困」問題解決の取り組みが疎かにされていることへの怒りと、俺が今の仕事を退職するそう遠くはない未来、日本社会の貧富の格差は間違いなく今よりもひどいことになっているだろう。子どもの貧困率も6人に1人を超えて、5人、いや4人に1人になってるかもしれない。その時、残る人生を十分に学ぶ機会を得られなかった子どもたちのためにボランティアで読み・書きを教え、励ますことを仕事にしたいという思いである。さらに言えば、今の仕事の中で常に「子どもの貧困」問題を意識化しながら最後まで働き続けるようにしなければいけない、という思いもあった。
  次にもう一つ考え続けたことは、自民党参院議員の片山さつきに対する唾棄したい怒りがムラムラと起こって仕方なかった。せっかく的を得た形で世の中を改善しようとする動きがあるのに、それを分かった上で確信犯的に「生活保護」などに対する偏見・誤解を助長し、差別意識を扇動して世の中を間違った方向に捻じ曲げようとする<人間のクズ>がいる。せめて何もしなければいいのに、一線を越えて間違った理解・偏見に世間を引っ張り込もうとする片山さつきのような下衆がいるのが許せない。
来年の参院選挙で改選を迎える片山さつきに対して断固として「落選運動」を行おう! という思いである。

本書を見ても、政局と離れたその他の報道番組を観ても、「NHKの職員はやはり優秀なのだ」と思う。そのNHKが本当の意味での政治的中立を守れない政治状況はやはり異常であるとしか言えない。

【目次】はじめに
第1章  「子どもの貧困」対策の最前線──NPOによる生活保護世帯向け学習支援
取材の始まり/生活保護世帯の中学生に学習支援/1枚のミルクチョコレート/日本の子どもの6人に1人が貧困/相対的貧困とは/先進国でワースト4/報道されない子どもの貧困の実態/複雑な要因が絡み合う子どもの貧困/経済的な貧困が心の貧困へ/就学援助、過去最多の156万人/子どもの貧困対策法が成立/子どもの貧困は日本社会の損失/学習支援教室を初訪問/学級崩壊のような教室/多様な背景をもつ子どもたち/教室で出会った正樹くん/振り返りミーティング/学生にとっても貴重な体験/「無料」が大きな魅力/母子家庭の暮らし/母子家庭の現実/フルタイムで働きたくても働けない/子どもの貧困と闘う覚悟
第2章  奪われる日常生活──車上生活を強いられた中学生
取材の端緒をつかみたい/テレビ取材に立ちはだかる壁/ある少年との出会い/少年へのアプローチ/少年の父親との待ち合わせ/二度裏切られ、多重債務者に/逃亡の日々/餓死寸前で生活保護を受給/居所不明児童生徒/学校を休みがちに/親には語れない本音/故郷との突然の別れ/親を恨んだことはない/制服の上着/学校に行きづらい/当たり前の生活を奪う「子どもの貧困」/(以降は本編にてご確認ください)
第3章  いつまでも自立できない──母親を失ってひきこもった
19歳若者の居場所「たまり場」とは/祖母に連れられて来た女性/ひきこもりを克服できるか/ひきこもりのリスクとは/本心を隠す/幼いころから母親が大好きだった/明かされる母の死/高校中退からひきこもりへ/平穏な老後を襲った経済的不安/孫の将来が不安/NPOによる支援が唯一の拠り所/車内インタビュー/20歳へのカウントダウン
第4章  貧困から抜け出せない──ホームレスだった
25歳元ホームレス /25歳男性との出会い/親の借金と自己破産によって高校を中退/就職、そして親が原因で失業/草を食べて空腹をしのぐ/頼る先もなく自暴自棄に/あるホームレスとの出会い/イザワさんに習った食料の調達法/食料を保存し食いつなぐ/和らいでいった怒りや憎しみ/職探しの日々/自力での生活立て直し/10年のブランクを背負って/深刻化する「貧困の連鎖」/貧困から抜け出せない若者を増やさないために
第5章  学校現場の限界──教員へのアンケートから
疲弊する学校現場/定時制高校が「子どもの貧困」の受け皿に/アンケートから浮かび上がる貧困の実態/授業料無償化でも続く経済的な厳しさ/教員が家庭に踏み込んで見えること/学校現場だけでは対応に限界/心の相談では解決できない
第6章  始まった教育と福祉の連携──スクールソーシャルワーカーの取り組み
教育と福祉の架け橋/杉並区のスクールソーシャルワーカーの取り組み/両親の離婚がきっかけ/母親を支えたいけど……/学校とも疎遠に/経済的な困難から孤立化/スクールソーシャルワーカーによる支援/子どもに寄り添い続ける/前進のきっかけを探る/社会との接点を取り戻す/杉並中3勉強会とは/高校生になっても支援を続ける大切さ/高校3年生になった裕子さん/将来の夢/スクールソーシャルワーカーの課題
おわりに(結構読みごたえあり)

紹介文:2014年1月、「子どもの貧困対策法」施行!
二〇一四年一月、子どもの貧困対策法施行!大反響を呼んだNHK「特報首都圏」単行本化! 貧困にあえぐ小中学生156万人、その衝撃の実態を丹念に取材。「2年間の車上生活を強いられた中学生」「父親に騙され、18歳でホームレスに」「母親の自殺後、高校中退から引きこもりに」「1日の食事は給食1食のみ」……。いま、「貧困の現場」では何が起こっているのか? 300万人を越す声なき子どもたちを取り巻く貧困の実態に番組担当ディレクターが迫る。「見えない貧困問題」と言われ、広がり続ける“子どもの貧困”問題にいち早く切り込み、その実態と解決に向けた動きを描く。話題作!!


「 150810 一年前:140809 憲法で保障された「健康で文化的な生活」を解釈変更する違憲政治屋の片山さつき 」
                          2015年08月10日 15時12分12秒 | 一年前
8月10日(月):

片山さつきは、現代日本に棲息する生きた悪魔だ! 次回の参院選挙では絶対に落選させなければいけない! こいつのことを考えると正直心が汚れてくたびれる。うんざり。

140809 憲法で保障された「健康で文化的な生活」を解釈変更する違憲政治屋の片山さつきを全面糾弾する!
8月9日(土):「憲法第二十五条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」「健康で文化的な最低限度の生活」とは、<生きるか死ぬかのレベル>では断じて...


以下、Afternoon Cafeから引用:
“生活保護キラー”片山さつき氏の人となりを示すエピソードをメモ  2013/06/04 13:00
  自分のなかにある思い込みや願望を正当化するため、目も耳もふさいで事実を見ようともしない。憎悪にまみれた妄想がまるで現実であるかのように結論ありきでまくし立てる(前の記事参照)「生活保護キラー」の片山さつき氏はそういう人物の代表格に一人にあげられると思います。

  片山氏と安田浩一氏の生活保護に関する対談をまとめたtogetterがあります。(「生活保護 激論120分 蔓延する「不正受給」は本当か」週刊朝日 2012年07月20日号 122-125頁の内容の一部ツイートです)
そこからいくつかピックアップしてみましょう  http://togetter.com/li/511918#

「本当に困窮して三食食べられない人がどれくらいいると思う?ホームレスが糖尿病になる国ですよ」「ホームレスの血糖値を測ったら高かったと言うのは有名な話」安価な炭水化物を摂っているから血糖値が高いhttp://t.co/WkVfttcAAA

片山:大阪西成で65人の居住者のうち64人が受給者だというマンションを見てきましたが、一部屋が4畳半か6畳一間とか。私が82年に大蔵省に入省したときの寮なんてそれより狭かった
安田:そのことを生保の受給者と同列に語るのはおかしいですよ
片山:でも私は自力で大蔵省に入りましたよ

片山さつき、安田浩一の生活保護に関する対談より
片山「怠けている人が生保を受けて年収4百万の人より良い暮らしをしているんですよ」
安田「年収4百万どこから来た数字ですか?」
片山「税金も払わないでしょ」
ずっとこの調子話がかみ合わない

片山さつき「日本の生活保護受給者は旅行にも行くしお酒も飲んでいるでしょう。生活保護を受ける人は自立してないんだからある程度の不自由は(あるべき)」「私は自力で大蔵省に入りましたよ。問題は自力で頑張った人と頑張らなかった人に差がつかなかったら、誰も頑張らない」安田浩一との対談で

片山さつき:(話を聞いた医者が)受診する生活保護受給者の身なりや生活ぶりは決して困窮していないと言ってますよ
安田浩一:誰もが分かりやすく困窮状態であることを示さない限り受給できないというのでしょうか
片山:じゃ、見に行けば?
安田:見に行ってますよ。取材してますから

片山さつき 生活保護受給者は「税金医療費もNHK受信料もタダ。その他色んな公的料金がタダと考えると実質年収4百万円で色んな税金を払うよりいい暮らし。日本の生活保護のように何の義務もないのって仏で言えばチャリティー(慈善活動)。教会に駆け込めばパンとスープが食べられるという。」

片山さつき:逆に聞くけど生活保護を受けられなくて、困っていてよろよろ倒れそうな人がいっぱいだという調査結果はあるんですか
安田浩一:実際受給できずに餓死した人もいるじゃないですか。研究者もいろんな調査をやってますよ…略 
片山:あなた、派遣村に行きました?  安田:取材しました

安田浩一:生活保護受給者の大半が高齢者。傷病障害世帯の33%と母子世帯の7・7%を合わせ全体の8割
片山さつき:高齢者でも年金少ないし息子とも離れて住んでるからと生活保護をもらって毎日ゲートボールをしてる人はいる
安田:だから、それはどんな手法で調査をして出てきた結果なんですか。

片山さつき:外国人に支払われる生活保護費1200億円の内3分の2は朝鮮半島出身者向け。韓国なんて1人当たりの名目GDPが2万ドルを超えているんだから自国で面倒をみていただきたい
安田浩一:歴史的背景から在日コリアンの人数が多いのは当然、納税者としての側面も見ないとフェアじゃない

安田浩一:生保バッシングと在特会の思考様式は共通している。保守としての矜持をお持ちであれば、生保の議論を在日批判、レイシズム(排外主義)に回収するのはやめてほしい
片山さつき:私はレイシストではありませんし、国籍や参政権で区別することは、保守のオーソドックスな考え方ですから。

片山さつきの「韓国なんて1人当たりの名目GDPが2万ドルを超えているんだから自国で面倒をみていただきたい」が叶ったとして、在日コリアンの納税先はどこ?韓国に?まさか日本に納税だけして、社会保障は韓国で受けろと?大蔵省出身の政治家らしく具体的な政策を持って発言してほしい


  片山氏は生活保護受給者というものはおよそ怠惰な性格の持ち主であり、保護費で図々しくも左うちわの贅沢三昧をしている、そして不正受給が氾濫している、という都市伝説をまるで見てきたかの如くまくし立てます。こういう人はいくら生活保護の実態を突きつけてもそれを頑としてシャットアウト、なかったことにしてしまえるのが特徴です。働けるのに働かない怠け者ばかり、贅沢三昧な生活、というのは実態調査に基づいてはなく片山氏の想像に基づいているとしか言えません。貧困者は高カロリー低栄養の安価な食品しか口にできないため、アメリカでは低所得者層ほど肥満や糖尿病が多いというのは有名だというのに、不正受給件数が全体に占める率は1.8%、不正受給額は0.3%ほどしかないというのに、全てスルー。
  そして、何故か自分が大蔵省へ入ったときの話と生活保護を並べて話すという意味不明な比較をしたり、在日コリアンへの排外主義に誘導したりするのも怠りません。いかにも“片山さつきらしいお仕事”をきっちりこなしていますね。残念なことに片山氏のようにネームバリューがある政治家が行うこのような誹謗中傷・デマは、まことしやかに世間に浸透してしまいます。このようなデマを広めて憎悪を掻き立てるような人物は政治家になってはいけません。  




151017 一年前:4 012 大岡昇平「野火」(新潮文庫;1951)感想 特5

2015年10月17日 21時31分08秒 | 一年前
10月17日(土):
4 012 大岡昇平「野火」(新潮文庫;1951)感想 特5
10月17日(木):189ページ  所要時間 3:30    ブックオフ50円著者42歳(1909~1988;79歳)大変な地雷を踏んでしまった。既に日付をまたいでしま...

151017 一年前:141017日刊ゲンダイの主張に全く同感!産経の「言論の自由侵害」抗議はお門違いの笑止

2015年10月17日 21時30分54秒 | 一年前
10月17日(土):
141017 日刊ゲンダイの主張に全く同感! 産経の「言論の自由侵害」抗議はお門違いの笑止千万だ!
10月17日(金):本当に知りたい必要な記事は、マスメディアで得にくくなっている。新聞は、消費税の軽減税率適用を意識しているのか、当然、報道されるべき政府批判や原発事故関連情報...

151017 一年前:4 011 高橋源一郎「一億三千万人のための小説教室」(岩波新書;2002) 感想4

2015年10月17日 21時30分39秒 | 一年前
10月17日(土):
4 011 高橋源一郎「一億三千万人のための小説教室」(岩波新書;2002) 感想4

10月15日(水):215ページ  所要時間 2:20  ブックオフ108円著者51歳(1951生まれ)。横浜国立大学除籍。作家。一度読みでは、しっくりこない。読み返せ...


150329 タガ外せば歯止め失う 長谷部恭男・早稲田大学教授/「未来志向」は現実逃避 杉田敦・法政大学教授

 杉田 先日ドイツのメルケル首相が来日しました。戦後ドイツも様々な問題を抱えていますが、過去への反省と謝罪という「建前」を大切にし続けることで、国際的に発言力を強めてきた経緯がある。「建前」がソフトパワーにつながることを安倍さんたちは理解しているのでしょうか。  / /長谷部 そもそも談話が扱っているのは、学問的な歴史の問題ではなく、人々の情念が絡まる記憶の問題です。記念碑や記念館、映画に結実するもので、証拠の有無や正確性をいくら詰めても、決着はつかない。厳密な歴史のレベルで、仮に日本側が中国や韓国の主張に反証できたとしても、問題はむしろこじれる。相手を論破して済む話ではないから、お互いがなんとか折り合いのつく範囲内に収めようと政治的な判断をした。それが河野談話です。  / /杉田 談話の方向性や近隣との外交について「未来志向」という言い方がよくされますが、意図はどうあれ、それが過去の軽視という「見かけ」をもってしまえば、負の効果は計り知れない。安倍さんたちは、未来を向いて過去を振り払えば、政治的な自由度が高まると思っているのかもしれません。しかし政治の存在意義は様々な制約を踏まえつつ、何とか解を見いだしていくところにあります。政治的な閉塞(へいそく)感が強まる中で、自らに課せられているタガを外そうという動きが出てくる。しかし、それで万事うまくいくというのは、一種の現実逃避では。  / /長谷部 合理的な自己拘束という概念が吹っ飛んでしまっている印象です。縛られることによってより力を発揮できることがある。俳句は5・7・5と型が決まっているからこそ発想力が鍛えられる。しかし安倍さんたちは選挙に勝った自分たちは何にも縛られない、「建前」も法律も憲法解釈もすべて操作できると考えているようです。  / /杉田 俳句は好きな字数でよめばいいのだと。  / /長谷部 あらゆるタガをはずせば、短期的には楽になるかもしれません。しかし、次に政権が交代したとき、自分たちが時の政府を踏みとどまらせる歯止めもなくなる。外国の要求を、憲法の拘束があるからと断ることもできない。最後の最後、ここぞという時のよりどころが失われてしまう。その怖さを、安倍さんたちは自覚すべきです。 =敬称略(構成・高橋純子)朝日新聞『考論』

0015 オルテガ「大衆の反逆 (桑名一博訳;久野収解説)」(白水社イデー選書;1930)評価5

以下は、オルテガ所論の久野収による抜粋の抜粋である:///  オルテガによれば、政治のなかで「共存」への意志を最強力に表明し、実行していく政治スタイルこそ、自由主義的デモクラシーである。共存は、強い多数者が弱い少数者に喜んで提供する自己主張、他者説得の権利である。敵、それも最も弱い敵とさえ、積極的に共存するという、ゆるがない決意である。/その意味で、人類の自然的傾向に逆行する深いパラドックス(逆説)であるから、共存を決意した人類が、困難に面してこの決意を投げ出すほうへ後退したとしても、それは大きな悲劇ではあっても、大きな不思議とするには当たらない。/「敵と共存し、反対者と共に政治をおこなう」という意志と制度に背を向ける国家と国民が、ますます多くなっていく1930年代、オルテガは、「均質」化された「大衆」人間の直接行動こそが、あらゆる支配権力をして、反対派を圧迫させ、消滅させていく動力になるのだという。なぜなら、「大衆」人間は、自分たちと異類の非大衆人間との共存を全然望んでいないからである。略。///  「大衆」人間は、自分たちの生存の容易さ、豊かさ,無限界さを疑わない実感をもち、自己肯定と自己満足の結果として、他人に耳を貸さず、自分の意見を疑わず、自閉的となって、他人の存在そのものを考慮しなくなってしまう。そして彼と彼の同類しかいないかのように振舞ってしまう。/彼らは、配慮も、内省も、手続きも、遠慮もなしに、「直接行動」の方式に従って、自分たちの低俗な画一的意見をだれかれの区別なく、押しつけて、しかも押しつけの自覚さえもっていない。/彼らは、未開人―未開人は宗教、タブー、伝統、習慣といった社会的法廷の従順な信者である―ではなく、まさに文明の洗礼を受けた野蛮人である。文明の生み出した余裕、すなわち、贅沢、快適、安全、便益の側面だけの継承者であり、正常な生存の様式から見れば、奇形としかいいようのないライフスタイルを営んでいる新人類である。略。///  「自分がしたいことをするためにこの世に生まれあわせて来た」とする傾向、だから「したいことは何でもできる」とする信仰は、自由主義の自由の裏面、義務と責任を免除してもらう自由にほかならない。/われわれは自由主義の生みだした、この「大衆」人間的自由、自己中心的自由に対し、他者と共存する義務と責任をもった自由を保全しなければならないが、一筋縄でいかないのは、この仕事である。(160626:イギリスEU離脱について思うところ=もみ=)