アナーキー小池の反体制日記

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#1524 盛土崩壊

2014年08月27日 | 災害と防災
大雨が降った時、崖崩(がけくず)れだけでなく、川の氾濫や低地の浸水などの災害が発生します。
そのほかに、盛土崩壊という災害が近年懸念されています。

土建屋宰相と呼ばれた田中角栄は、日本列島改造論という恐れ多い名の書を成し、人気を博したものです。
日本は平地が少ないけれど、山を削って谷を埋めればいくらでも平地を得られると説いたのです。
日本中で改造が行われました。

ただ山を削って谷を埋めただけの宅地がいっぱいできました。
日本中の都市で、そんな住宅団地が急増したのです。
当時から問題視する意見がありました。
しかし高度成長時代です、政府や業界のイケイケドンドンでした。

何年も経ってから不都合が生じてきました。
盛土された地帯が、ゆっくりと下流側に移動しているのです。
そして大雨時、一気に崩壊してしまう事故も起きました。
盛土崩壊という現象です。

谷の部分を土で埋めて宅地にしたのだけど、もとある谷の部分と新たに盛られた部分は土の密度が違います。
何万年何十万年とかけて形成された地盤は、急いで盛土をしたものより密度が高いのです。
降った雨は盛土をした層を通り、もとの谷の地盤に沿って下流に流れるのです。
もとの谷が、そのまま流路となるのです。

雨が振ると少しずつ下流側に家が移動します。
大雨が降ると、行き場を失った旧谷の雨水は埋め立て土と共に、崩壊するのです。
数十戸の家屋が一気に流されたことがあります。
そして崩壊は、その下流部にも甚大な被害を及ぼすのです。

・・・
今の宅地造成は、そんなずさんな造成法を許しません。
もとの谷に沿った排水が滞りなくすむようしなければなりませんし、盛土部の密度を高めるよう規制があります。
でも、絶対安全なはずがありません。

ボクたちが住むこのマチは山がほとんどなく高低差もそれほどない、土砂災害にあまり縁がない、恵まれたところです。
日本中のほとんどは、土砂災害・津波災害が懸念されるなか、この土地に住む幸運に感謝しなければなりません。
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