泉大津のレシート作戦とよく似た事業を「これから取り組む」と言う自治体の議員さんから、問い合わせがありました。
あんなにも、換券の会場に行列ができることを、私は予想できませんでした。
「レシート作戦、またやって欲しい」と言う声と、「あれは完全な失敗」と言う声。両方、お聞きします。
何事も、「やってみなれければわからない」ことがあります。
振り返って、考えることも大切だと思います。
以下にメールで返信した私の「感想」を転載しておきます。
皆さんのご意見も教えてください。
泉大津のレシート作戦を振り返って
①1億5千万円の事業費のうち、4千円の商品券33650冊分、金額にして1億3460万円が市民の手に渡り、
家計消費の助けになったと思われます。残余の1540万円が印刷費、換券に伴う人件費などの経費です。
これは「消費税10%への引き上げに伴う経済対策」として実施されたプレミアム商品券事業などと比べても格段に
費用対効果の大きなものでした。
経費のうち多くを占める換券に伴う人件費も、臨時的な雇用の機会を増やすものとして、
それ自身が地域経済の活性化に資するものだったと思われます。
地元の小売店からも「売り上げが伸びた」「商品券があるから・・・と買い物にきてくれた」など、評価する声も聴かれ
10万円定額給付金事業と併せて、「地元でお金が回る」仕掛けをつくったことは評価できると思います。
②一方、市民の中に少なからぬ不満の声も聴かれました。
一人暮らしの方からは「1ヵ月で3万円も買い物をしない」」という方もあれば
「この機会に」とまとめ買いをして、レシートを集め、中には相当の利益を得た人もあります。
「何度でも換券可能」としたことで、結果として「多額の現金を用意できる人に
利益が集中した」のではなかったかと思います。
③換券所が「3密」状態になりました。
初日は、会場周辺の路上まで数百人が並んで「2時間待ち」などの
状況となったため、当初は市内3か所で予定していた換券会場は、広さが確保できる1か所
だけになりました。
「会場から遠い」、「何時間も並んで待つのは無理」などで、せっかくレシートを
集めても換券をあきらめた人もありました。
また「早いもの勝ち」のため、換券所は朝から行列がで、日を追うにつれ初日ほどの混雑はなかったものの、
当初予定の換券期間の終了を待たずに早々に完売となりました。
よかったら参考にしてください。)
また現役世代の方は、「日中の時間では換券所にいけない」という声もありました。
(換券は午前10時半から午後7時まで)
④消費を喚起し、地域経済の活性化に資するという意味では一定の効果があったと思います。
一方、市民生活の応援と言う側面では、結果として「お金と時間と体力」がある人が
大きな恩恵を受けることになりました。
「高齢者や体の弱い人に冷たい」「一律に商品券を配布して欲しかった」と言う声もあります。
「何度でも換券できる」というのはよくなかったのではないかと思います。
以上、思いつくままに書きました。
参考になれば幸いです。