こんにちは! ただち恵子です

政治と社会、日々の暮らしの小さな喜び。思いつくままに綴ります。

「要支援」が介護保険からはずされてしまったら・・・

2013-11-17 22:32:57 | 社会保障
11月15日、泉大津社会保障推進協議会主催の「どうなる? どうする? 介護保険」の報告です。

他の集会と重なり参加者が少ないかと思いましたが、会場いっぱい。資料が足りなくなりました。

私から「介護保険改悪案の概要」について報告。
「これでもか」という酷い内容の改悪ですが、「まだ決まってはいない。法律案の案がまとめられようとしているとき。声をあげるのは今!」ということを最初に強調し、最後にも繰り返し。

改悪案のポイントの第一、「要支援1、2を介護保険給付からはずす」ということについて。
前日の14日に開かれた、社会保障審議会介護部会で「要支援サービスの介護保険はずし、市町村事業への全面移行撤回」の厚労省の方針が示されました。
「訪問介護やディサービスは、あくまで市町村に」というのですから、大きな問題はそのままですが、「全面移行」を撤回せざるを得なかったのは「世論と運動が国を動かす」ことの証として、確信にしたいと思います。

はずされる対象、「要支援1・2」の方はは全国で154万人(認定者の27%)、大阪府で14万人(同 33%)、泉大津で約千人(同 36%)

堺市内の事業所で仕事をしているケァマネージャー、Nさんが、具体的な事例をあげて「要支援が介護保険からはずされてしまったら、どうなるか」お話くださいました。

90代の一人暮らしの女性。要支援2。
毎日、日課のように買い物に出かけ、洗濯も自分でしている。本人は「ヘルパーは必要ない」と思っているが、認知症のこともあり別居の家族が訪問介護を希望。
週2回、ヘルパーの訪問を受け掃除だけしてもらっている。
特に暑さの厳しかった今年の夏、ヘルパーさんが体調の変化に気をつけ、「水分をとること」の大切さを説明。なかなか理解されず、当初週1回だった訪問を2回に増やし、水を飲むことをすすめ夏をのりきった。
この方が、介護保険からはずされたら・・・
「認知症初期の利用者さんには特に専門的な観察と話しかけが必要。それはボランティアではできない。」「意識的な声かけ、話し相手がなくなると一層認知症がすすむ。ケアマネと本人・家族と事業者との担当者会議で利用者さんにあったサービスが提供できるのが介護保険」とNさんは強調します。

70代の男性。妻に先立たれひとり暮らし。要支援2。
糖尿病、脳梗塞の後遺症など抱え、自宅で倒れていたのを近所の人が気づいて救急搬送。入院中に介護認定を申請。
退院後、週2回のヘルパー訪問(買い物・調理・掃除)、週2回、半日ディサービス。

この方が介護保険をはずされたら・・・・
「一人での入浴は転倒の危険が大きく自宅では入浴しない。糖尿病の合併症で尿意がわからず紙パンツを使用。ディサービスと通院以外は、自宅でテレビを見ているかごろ寝の毎日。」という今の状態で、ヘルパー訪問もディサービスもなくなれば、お風呂もはいれない。まともな食事もできない。「ケアマネ、主治医、サービス事業所との連携は介護保険からはずれるとなくなり、意識的な観察の目がなくなり、病気が進行するのは間違いない」とNさんは言います。

9月の市議会決算委員会で「要支援の人が利用している訪問介護サービスは、家事援助だからボランティアでも充分」と言う議員がいました。
ヘルパーの専門性、そしてNさんが強調する「ケアマネ、サービス事業所、医療機関などの連携で高齢者を支える」ということを理解しないものです。

91歳の母のことを以前にブログに書きました。2000年、制度発足のときの最初の認定は要介護1、今は要支援1。
電車やバスに乗ってひとりで映画も見に行くし、海外にいる孫にも会いに行く91歳。
その体力と気力を維持している理由のひとつに、この14年間、介護保険サービスを利用し続けてきたことがあると私は思っています。
母の体の状態に合わせた室内の手すり、自力では大変困難な浴室の掃除、ディサービスでの筋力アップの体操など。
それらがあってこそ「今が楽しい」という91歳の暮らしがあるのだと思っています。






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3 コメント

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認定も・・ (tweety)
2013-11-18 00:18:08
認定調査もあいまいな面兼ね備えてれるので明らかにもっと悪いだろうって人が支援にされかねないのではと懸念します。
認知症の人の中には、いつもと違うひとが来たらしっかりするなんてことはざらです。
それを知って認定してるのかというとそうではありません。
お金ある人は、多少なりともサービス受けれるけどお金ない人はサービス受けるなと捉えざる得なくなります。
また社会的入院とかそういう問題も出てしまうのかなとも思ってしまいます。
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Unknown (ただち恵子)
2013-11-18 18:15:06
tweetyさん
介護保険がスタートしたとき、あなたは中学生?
そのころ、自宅で過ごすことのできない高齢者の「社会的入院」が医療費総額を押し上げていることが大きな問題でした。
そこから「介護は社会全体で支える」と言い、「住み慣れた地域で各自の選択により、安らかな老後を」と言い、始まった介護保険制度。
どんどん、使いにくくなってしまいました。
今、介護の仕事に従事されている皆さんが専門職としての誇りにかけて「自分たちの仕事は無償ボランティアではできない」と言って欲しいと想います。そして専門職にふさわしい待遇、働く条件の保障も求めてください。
わかれば、みんなが応援しますから。きっと。
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一ケ月 (tweety)
2013-11-19 00:00:07
老人ホームの視察とかありますが。。
そんな日って利用者がおとなしいこと多いのです。
施設の制服でも来てスタッフと一緒に一ヶ月働けば、おのずとわかると思うのです。
私が、実習生の時、若い学校の先生が教育の一環?として実習受けてました。

たった一日でも難しいと言ってました。

私は、お金よりも健康的勤務をさせてほしい旨前の職場で言ったことあります。
みんなは、夜勤入りでも呼び出されたらいくとか。。
それって帰って危険ってわたしは思った。
お金の問題じゃないって。。
施設ごと基準ばらばら。もちろんすべてが悪いこととは言いませんが。

介護職の中には夜勤手当のため夜勤を多めにしてしまう子がいます。それは、不健康の元。その時よくてもあとから大変になると。

どこまでがブラックか基準があいまい。。
赤旗日曜版のブラック企業追求班の方へメール送らせてもらいました。。

返答はまだですが。。でも期待してます。
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