9月1日にオープンした駅前の図書館にについて思う事。
まず「良いところ」。
1,書架が、一般的な図書館より低く、圧迫感がない。一番上でも「目の高さ」(身長の低い私でも)で、見やすい。
2,椅子がたくさん。「席とり」に苦労しないのはいいです。
3,「ビルの4階で窓のない図書館」をイメージしていましたが、2か所、大きなガラスの自然の光が入るスペースがあって、思いのほか明るい。
4,駐車場3時間まで無料。
これは助かります。ただし地下駐車場からエレベーターがどこにあるのか、大変わかりにくい。「マツゲン」の売り場に入って店員さんに聞かないとわからない。決算委員会での森下議員の質問に、「施設所有者に表示を要望している」とのことなので、いずれ改善されることを期待します。
次に「ちょっとどうなん?」と思うところ。
1,段差がたくさん。
車椅子でも使えるトイレはあるものの、「車椅子利用者を想定していないのだろうか?」と思います。
ユニバーサルデザインとは言い難い。高低差がスロープになっている部分がありますが、ぐるっと回るとガタっと段差。
2,本が少ない。
広いフロアに並んだ書棚の多くがガラガラです。
「これまでの図書館の倍、15万冊」と広報に何度も書いていました。昨年の市長選挙でもずいぶんアピールされてました。決算委員会の質疑を聞いて、なんと「開架図書11万冊、閉架図書1万8千冊」と聞いて、びっくりすると同時に「やっぱり!」。
「このことを知りたい」「この作者の本が読みたい」と思った私の願いは、ことごとくハズレ。後日、高石の図書館に行きました。
閉架を含めても12万8千冊。 これまでの図書館には開架図書で9万冊、閉架図書を含めて24万冊があったと言われています。「単に本を読む、本を借りるという従来の概念を超えた図書館」と言うのもいいですが、「本を読む」「本を借りる」というニーズにきちんと応えてこそ「知の拠点」です。「図書館構想」に引用した、「望ましい基準」の3分の1ほど。
図書館整備にあたって「目的がなくても気軽に立ち寄れる図書館」を「市民アンケート」の寄せられた声として紹介されてきました。それも結構ですが「目的があって図書館にくる人」が、その目的を達成して満足して帰ることが大切です。そのバロメーターのひとつとして「蔵書数」に、こだわります。この点では、今のところ、がっかり。
来年度以降の予算に注目です。
3,絵本のエリアは「残念」の一言。
「のぼるん」というネーミングで階段状になっていますが、小さな子どもが自分であがるには、高すぎる。
高いところにあがらないと、本が見えない。手が届かない。おとなでも。
「お話し室」というクローズされた場所はない。このことについては決算委員会で「シープラは『静かな図書館』ではない。お話し会もオープンなスペースでやることに価値がある」という答弁。
今までの図書館では、毎月、あかちゃんのためのお話し会、少し大きな子どもたちのためのお話し会がずっと続けられていました。2階の靴を脱いで入る部屋、ハイハイする赤ちゃんでも安全に過ごせる場所でした。
小さな人たちが、そこで本の魅力に出会ったことは、長い人生を生きていくうえで宝ものになったかもしれません。
外から見える、のぞいてみたくなるようなガラス張りであっても、「区切られた部屋」が欲しい。
小さな子どもたちが、1冊の絵本の世界にひきこまれていくのは、落ち着いて集中できる空間であってこそ。これは子どもと絵本をつなぐ活動を続けてきた多くの人たちの実感だと思います。
細かいことを言えば、まだいろいろ・・・ですが、今日はこのあたりで。
いろいろ疑問があってスタートした図書館で、今も「図書館裁判」は係争中ですが、今は、駅前図書館がただ一つの市立図書館ですから、市民としては利用しながら「よりよいものに」と声もあげていきます。
言い忘れました。スタッフの皆さんは、親切でした。
私が「こういうことを知りたいのですが、関連する本はありますか?」と尋ねたら、パソコンで検索して(時間はかかりましたが)、1冊の本を探し出し、その書棚まで案内してくださいました。それは、「出会えてよかった1冊」でした。感謝です。