こんにちは! ただち恵子です

政治と社会、日々の暮らしの小さな喜び。思いつくままに綴ります。

「保育所待機児童」はどれだけ?

2012-05-23 09:32:39 | 保育・子育て
保育所に入所を希望し、申請しても定員がすでにいっぱいで入れない。
入れないので待っている子どもを「待機児童」という。

・・・と、考えるのが普通だが、国や自治体は「普通」の考え方をしない場合が多い。

「待機児童」の定義を勝手に変えるのだ。

泉大津市の児童福祉課に昨日、資料を求めた。
それによると、「入所申請をして保育所に入所できていない子ども」の人数は、5月1日現在で91人。内、公立49人。私立42人。

0歳から2歳が75人。8割以上を占めている。低年齢児の枠が足りないのだ。

ところで、91人のうち、市が「待機児童」としてカウントしているのは47名。
すでに就職が決まっているか、面接を受けるなどして「就職活動」していることを書類で証明できる場合だ。

泉大津市は、1996年度までは、「入所申請して未入所の児童数」=「待機児童数」としていた。1997年に「待機児童」の定義を変えて「保護者求職中」は待機児童としてカウントしないことにして、それを13年間続けた。

勝手に定義を変えて、2002年策定の「保育計画」には「1994年をピークに待機児童は減少し・・・」と書いた!

議会の質問でも「働きたいから入所申請をする。保育所に入れなくては就職活動もできない。」と言い続けて、ようやく2010年に「ハローワークの求人票や面接記録など積極的に就職活動をしている」と市が認めた場合に、「待機児童」として取り扱うことになった。

国でさえも「求職中の入所申請は一律に除外しない」と言っていたときに、「一律除外」してきたことからは前進だが、小さな子どもがいて「保育所に入れるかどうかわからない」段階で、「積極的に就職活動」することは実際には困難。・・・というよりムリ!


今、市が「待機児童」としてカウントしている47名のなかでも、やはり低年齢児が多い。37名。やはり8割近く。なかでも、1歳児が最も多く26名。
仕事を続けてきて、産休・育休をとって、いざ職場復帰しようとしたときに「保育所にはいれない」という状況がうかがえる。

さらに重大なことは、1996年の「保育計画」策定時には絶対になかった、「定員を超えた受け入れ」をして、尚、これだけの待機児童がいることだ。

公立6保育所のうち4保育所、私立5保育所は全てが、年度当初から定員を超えている。公立で60人定員に対し76人、入所率127%というところもある。
定員を超えて受け入れている子どもの総数は63人。

これだけ詰め込んでも、91人もの子どもたちが保育所に入れないでいる。

こういう状況が続くなかで、2年前に民間保育所の新設と引き換えに、まだまだ使える公立保育所を廃園にすることに保護者、市民の大きな反対運動がおこった。

「待機児童解消」は依然として深刻な問題だ。
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