Credo, quia absurdum.

旧「Mani_Mani」。ちょっと改名気分でしたので。主に映画、音楽、本について。ときどき日記。

橋本英二チェンバロリサイタル

2005-11-08 12:34:32 | ちぇんばろ
橋本英二チェンバロリサイタルに行ったのを忘れていた。
 2005年11月1日 於:東京文化会館小ホール

橋本氏は60年代からチェンバロ奏者・教育者・研究者として世界的に活躍している演奏家。
で私の母の友人の友人らしい(^^;)
その縁でもう20年近く前から日本でやるリサイタルにはたまに足を運んでいる。
今回も母と聴きに行く。

曲目はこんな具合
 ゲオルグ・ベーム(1661-1733):組曲第8番ヘ短調
 J.S.バッハ(1685-1750):トッカータニ長調BWV912
 J.Ph.ラモー(1683-1764):クラヴサン曲集から
 小鳥のさえずり/旋風/女神ミューズ達の会話/めんどり/ガヴォットと変奏曲
 橋本英二:5の戯れ
 ドメニコ・スカルラッティ:ソナタK20,K53,K98,K158,K159,K412,K413

昔はチェンバロの音を延々聴いているとすぐに寝息を立ててしまっていたものだが、いまは自分がチェンバロを習っているので、逆にその音に妙に目が冴えてしまった。

ベームの組曲は繊細でドイツらしい静謐感のある曲。
2段の鍵盤を使い分けて、濃淡をキレイに出した演奏だった。
バッハのトッカータは、若い頃の作品らしく、即興的楽想の律動。
ラモーは有名な表題付きの小品集。
スカルラッティのソナタ群は、意外なほどモダンな響きで、激情とも言える曲想。

こちらが年を食った分、いろいろなものが聞こえるようになってきたということか。
演奏は、鍵盤を弾くタッチは驚くほどダイナミックで、
でも出てくる音は丸く優しい。
自分が弾くときはまだオソルオソルなので、あのダイナミズムを今度は真似してみよう。

会場で橋本氏の著作を販売していたので買う。(いや、母に買ってもらう(笑))

演奏会後、ロビーで演奏者を取り囲んで談笑する方々のなかに割り込んで、
本にサインをしてもらった。
いつでもどんなときでも私はミーハーなのだ。

取り囲みのなかには、元大臣とかいうお歴々がいたり、花飾りに外務省だかなんだかの名札があったり、妙に世俗な感じを振りまいていたところも、現代におけるクラシック音楽のありようを示すようで、苦笑。
昔なら貴族が取り巻いているといったところか。

買った本はこれ。
バロックから初期古典派までの音楽の奏法―当時の演奏習慣を知り、正しい解釈をするために

音楽之友社


「演奏習慣」とは、60年代ころからの古楽器による古典作品演奏の運動のなかで根付いてきた言葉だ。今では「演奏習慣」の問題を避けてクラシックを演奏することも聴くことも出来ない。(というと言い過ぎかな)
なので、こういうタイトルの本に私は滅法弱いのだ・・・

久しぶりに親にモノを買ってもらう気分を味わった。
懐かしかった。
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