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元駅伝選手の「いろんなことに走り続けます」

ごみは地元協議が重要

2010年08月25日 | ごみ問題

 亘理名取共立衛生処理組合の行政調査は不思議な自由研究でした。奈良県桜井市と大阪府枚方(ヒラカタ)市の行政調査は、「施設運営全般にわたる効率的な管理運営の諸施策について」と題してです。

 桜井市の概要は奈良市から10km、大阪市から40kmです。人口が61187人で75tの焼却炉が2炉ありまして、平成14年に完成しています。型式は流動床式ガス化溶融炉。総事業費は82億円。この施設だけで焼却しています。

 面積や人口は名取市の規模と一緒です。しかしながら、1市だけで焼却施設から最終処分場まで建設・運営しているのです。お隣には天理市などの同じような市や町があるのに、県内で広域行政している所は1ヶ所と聞きました。

 効率良い施設になっています。焼却施設と最終処分場が近くにあるため効率は良いのです。この施設建設は地元と協議は困難を極めたそうです。以前から焼却場が近くにありました。

 地元からは「なぜ、今回もこの場所に焼却施設を作るのか」と反対されましたが、協議を重ね説明責任を果たし建設に至っています。環境アセスメントで最も重要なのが地元との合意形成です。

 施設は平成14年の完成です。施設としては若干古いのでスラグはJIS規格になっておりません。流動床式の欠点も指摘しており、我々には参考になりました。流動床式の機種が悪いのではなく、施設が現在と比べ若干古いだけなのです。現在は解消しています。

 国は環境の観点から焼却灰を固形化し、スラグとして埋め立てようとしました。また、有効利用しようと考えたのです。そのため交付金支出はスラグを作るように指導していました。今ではスラグを作らなくても交付金の対象になるのです。

  枚方市の概要は淀川の南側に位置し、大阪市から10kmです。人口は411471人の中核都市で120tの焼却炉が2炉ありまして、平成20年に完成しています。型式はストーカ炉+灰溶融炉。総事業費は116億円。この施設の他に既存の穂谷川工場(200t)でも焼却している。

 人口規模は亘名の2倍以上です。最終処分場は大阪府が建設した大阪湾の埋立地に自治体が共同で処分しています。つまり有価物を有料で処理をしています。

 施設は平成20年と新しくスラグはJIS規格を取得していますが、有効利用はされていません。最終処分場の処理費用が高いので、これから有効利用するためストックヤードの建設を計画しています。

 施設の欠点はありませんでした。新しい施設のため完成された施設なので、問題はないと考えていましたが、、、ありました。

 厳しい自主規制が欠点です。地元との合意形成で窒素酸化物などは国の規制値より10分の1以下に自主規制しました。これからの焼却施設維持管理費がこの問題で多大になることが心配でした。

 冒頭、この行政調査が不思議なものだと言ったのは、私達の広域行政と訪問した自治体は決断力で大きな差がありました。合意形成に時間を掛けています。


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