知的成長戦略論-クールに生きる

かっこよく生きるためのメモ。
知的に成長し、どんな状況でも平静を保てる力を身につける。

投資の効果

2019年04月23日 | 国家論
中国経済の成長が鈍化し、
 中国との取引の割合が大きい企業
は、下方修正を余儀なくされています。

中国のビジネスモデルは、
 国家がインフラ整備を目的に市場に「元」を刷る
というケインズ型でした。

日本も高度成長期には、世界銀行からの借入や国債を発行し対応しています。
http://worldbank.or.jp/31project/#.XL70dej7TIU

中国の場合は、
 地方の各省が借入を行い、道路、橋などのインフラ投資をする。

都市を建設する。

税収から、利子を返済していく。

ポイントは、
 インフラ投資により、税収が潤うこと。

「先行」投資と、長期的な回収。

補助金で企業誘致を行う。

企業が利益を上げ、税金を支払う。

企業は、国民を雇用する。
国民は、住宅ローンを組んで、マンションを購入する。
住宅ローンを月々の給与から、長期的に返済を行う。


ケインズ型のポイントは、
 後に利益につながるような大型投資を行う
ということ。

後に利益につながらない投資は、
 長期的な経済の成長にはつながらない。


日本の場合、道路が張り巡らされ、
 インフラ投資による「利益」が期待できなくなった。

企業も工場など設備投資を既に行っており、
 日本国内で工場を作っても、
 安い人件費で働いてくれる多くの人を集めるのが大変なので、
 新たな大型工場は、海外に作るようになった。

日本国内に、お金が回らなくなってしまい、
 経済の成長が抑えられている。

 国がお金をすりまくって、市場に投入すれば景気がよくなる
というマネタリストの考え方は、
 インフレを誘発する
ため、
 デフレ社会からの脱却においては効果的な面があります。

ただ、
 中国のように誰も住んでいないマンション群(鬼城)
を作っても、
 利益を生まない
ため、
 将来的な成長にはつながらない
わけです。

国がお金をすりまくって、市場に投入する「場所」が、
 重要である
ということです。

 5Gのような通信施設の整備、
 教育、技術開発の分野への投資、
 起業環境の整備
 農業、林業など衰退産業のAI導入化
 生産性を向上させるための研究開発
など、
 現在の生産性向上、将来利益を生み出す「場所」への投資
がポイントなわけです。


投資の失敗は、
 法科大学院の例
でも分かると思います。

法学部のある大学は、
 毎年発表される司法試験合格者数
に注目していました。
法学部のレベルを示すメルクマールになるからです。

めったに合格者を輩出できない大学にもチャンスが回ってきます。
それが、ロースクール。
合格率30パーセントなら、大して実績が無いうちでもいけるかも・・・

プラチナ資格を法科大学院を作ることで手に入れやすくし、
 大学の生き残りをめざし、校舎を新設する。

法科大学院を作った大学は、模擬法廷やら、新校舎などお金をかける。

しかし、
 結局、法科大学院は廃止。
現時点で、74校中の半数近くが廃止しています。
近畿大学など粘ってきた法科大学院も、2019年の廃校を決めました。

赤字を生み出し続け、今後も利益を生む見込みがない大学院を維持し続けることができるのは、
 黒字の学部や大学院
を有するか、
 大金の寄付が集まったり、運用がうまい大学のみ
だと思います。

廃止された大学では、
 多額の負債と使われない校舎だけが残る。

これが、投資の失敗。

建設業者の売上はアップし、
 たくさんの下請け業者にお金が回る。
 その従業員にも金が回る。

ただ、
 大学の経営は悪化する。

結局、志願者数のアップにも、学生のサービス向上にもつながらないからです。


 あとで、お金の友達を連れて帰ってくるものに、お金をつかう。

個人で考えるなら、
 仕事や人生で役に立つ本。
 利益を生むスキル習得のための学費。
 人脈を育てるための会合。


役に立たない本、
利益を生まない、利益を生むとしても習得できないスキル、
役に立たない人脈なら、
 投資の失敗。

 投資は、リターンを考える。
 消費は、楽しいかどうかを考える。

 無駄なお金は使わない。
 無駄かどうかを見極めるのもスキル。

大切なのは、
 計画を立てる。
 先を読む。

結果を出すことができる人は、
 計画を立てて、コツコツ実行することが得意であったり
 先を読む洞察力がすごかったり
します。

ここがポイントだから、
 お金をつぎ込もう。

今後このスキルは必ず生きてくるから、
 今のうちに身につけておこう。

官僚は、過去の事例(前例)を調べるのは得意ですが、
 先を読むことは苦手です。

そもそも、官僚の仕事は、決定事項を忠実にこなすことであって、
 先を読んで決定するのは、
 失敗の責任を取ることができる政治家
の仕事だからです。

行政国家現象の最大の問題点は、
 責任を取らない官僚
が、
 国民の生命、身体、財産に直接影響を与える決定をしてしまう
という構造です。


投資の失敗の責任は、自分で取る。
だからこそ、真剣に計画、実行するし、洞察力が磨かれるわけです。
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