長谷寺の長い回廊を上って舞台に出ると、遙か奥奈良の山々が望まれるが、目の前に大きな杉の木が天を突いている。
山門から一直線に上に伸びる「登廊」が丁度直角の曲がる右側に目通り4m樹高約60mの「天狗杉」が植わっている。
今から約310年前、江戸時代の元禄年間、高僧の修行時代、夕暮れ時に長い「登廊」に吊下がっている長谷寺型灯籠の1つ1つに明かりを点けていった所、点ける端から火が消えてしまうので、不思議に思って隠れて見ていると、天狗が悪戯をして消し廻っていました。
後を付けて行くと、その天狗の棲みかがこの杉の巨木だったと云う話の残っている杉です。
別に特別に巨大だという程でも無いのですが、本堂舞台から見るこの杉は1本独立杉で、長谷寺独特の、「登廊」を、従えて天を突くように聳えている姿は圧倒的な大きさを感じることが出来る。
撮影 2006.4.15