大谷の大楠の在る須崎市は高知県のほぼ中央部にあって高知市内から西へ約30km、黒潮押し寄せる土佐湾に面して穏やかな気候に恵まれた豊かな土地です。
高知市内方面から国道56号線で須崎市内に入り県道23号線に乗り換え押岡から長いトンネルを抜け野見湾に面して開けた大谷へと着く。
大楠の在る須賀神社は進路方向右手、山裾に広がる大谷の家並の中にあって一目でそれと解る大きな楠がその樹冠を大空一杯に広げて居る。
懐かしい風情の残る須賀神社の前は広い空地で、近くの人達の憩いの場ともなっているらしくベンチなども置かれ、なんとなくほのぼのとする景観の中にある。
明るく開けた境内、社殿右手の塚のような所を飲み込むようにその根を伸ばし大きく波うち、主幹は失われて居るようですが大きな支幹が数本立ち上がってまるで巨大な角を持つでんでんむし・・・、今にノソノソ動き出しそう。
<主幹は失われて久しいようです>
四国最大の巨樹だと言われるこの大楠は最早樹と云うよりも岩塊、その根回りは25mにも達するようです。
楠の前には鳥居が設えられ、根元の大きな洞の奥には小さな祠の楠神さんが祀られ神格を与えられている。
なんとも凄まじく、また神々しい生命体・・・・・。
もうこの楠に命の尽きることは無く世代交代を延々と繰り返していくような気がする。
国の天然記念物、推定樹齢2000年、目通り約17m、樹高約25m。
その長寿や再生力にあやかろうと健康祈願に訪れる人は根元の大きな洞内まで入って祈願するという。
撮影2008.12.20