このアカガシは大阪府の最北端に位置する能勢町、天王の稲荷神社にある。
神社のある天王地区は能勢町でも最北端、トンネルを越えると、もうそこは兵庫県の篠山市である。
国道173号線・天王トンネル入り口手前左側に車の停められる駐車スペースがあり、側壁の小さな石段を上ると神社の石鳥居がある。
鳥居の前には集落から続く、軽トラックが走れる程度の道が有りそれを山側に進んでいくと
やがて杉林の中にそれと解る巨樹の姿が見えてくる。
アカガシの巨木は二本在り、手前が天王のアカガシと呼ばれているもので、大阪府指定天然記念物
まるでムンクの叫びの、大きな口のように見える洞が強く印象に残る。
この巨木の根元付近は節くれだち、うねるような幹は枯淡な姿で、時間の流れと無関係で在るかのごとく聳えている。
アカガシは樹高22m、幹周り5.2m、辺りは森閑としており、昼なを暗しの感がある。
巨樹のそばには小さな祠もあり、異空間に足を踏み入れてるのかと錯覚するほどに、時が止まっているのを強く感じてしまう。
神社自身は鳥居の奥、凄い休斜面の上にあるようだが、下からはまったくその姿も見えず、今回参拝は躊躇した。
撮影2006.8.18