アイ・ラブ みどり

逆境にもめげず、けなげに生きるみどり達がいとおしくてなりません。

山奥の国宝

2010年08月12日 | みどりの雑記帖
 昨日も熱帯夜・猛暑日の厳しい天候でしたが、日本海を北上中の台風4号の影響で風が吹き猛暑を多少和らげてくれました。霞ヶ浦環境科学センターの野外講座のアシスタントをしながら、桜川市の栃木県との県境に近い富谷に桜川の源流を訪ねました。スダジイ・アラガシを中心とする照葉樹林で覆われた富谷山の中腹にある小山寺の境内にある泉が源流で、60センチ四方の枡で囲い、祠が祀ってありました。かつては湧水量が豊富だったとのことですが、近年水量が細り、「年間通じて絶えることがない」という源流の条件が危うくなりつつあります。
 小山寺は聖武天皇の勅願により735年に開山された由緒正しい寺院ですが、祈願のための寺のため檀家を持たず、戦後の農地解放で資金源の農地を失って以降、厳しい経済環境を強いられています。この小山寺には国指定の重要文化財となっている三重塔があります。写真の通り誠に優雅な塔です。案内板には「内部の仏壇は稀に見る傑作」とありますが、残念ながら公開されていません。国の宝なのですから、せめて案内板に写真でも載せてもらえればと思いました。
 日本経済振興を口実に政府は800兆円もの国債残高を積み上げましたが、国家経済も国民の生活はさっぱり上向きません。もう変な公共事業への投資を文化財の維持に使ったらどうでしょう。宮大工などの伝統技術を守り、建材の国産材の生産に当て、新たな雇用を創出すれば、投下した資金は地域経済の活性化に寄与するのです。新たな国内需要を掘り起こします。大型公共事業に使う資金は妖怪「マネー」にむさぼられるだけで、国民には戻ってこないのです。

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