【J1採点&寸評】鹿島×川崎|柴崎を欠いた鹿島が敗戦。後半に猛攻を仕掛けるも、あと一歩及ばず
五十嵐創(サッカーダイジェスト)
2015年06月28日
攻め続けた後半に可能性は感じたが…。
【警告】鹿島=小笠原(29分)、金崎(32分) 川崎=エウシーニョ(57分)、大久保(64分)、小宮山(79分)、武岡(90+3分)
【退場】鹿島=なし 松本=なし
【MAN OF THE MATCH】レナト(川崎)
【試合内容】
柴崎を怪我で欠いた鹿島はプレスがまったくハマらずに、立ち上がりから川崎にペースを握られた。
開始8分にエウシーニョに裏を取られて先制点を奪われると、34分には右サイドにポジションチェンジしたレナトに切り込まれ、ミドルを決められる。44分に金崎が1点を返したが、ハーフタイムを挟んだ後半立ち上がりにも失点。カウンターから大久保に3点目を奪われた。
鹿島はこの3失点目でようやく目が覚めたのか、そこから猛反発を見せた。小笠原と青木の2ボランチを起点に、カイオや金崎がサイドから仕掛けて川崎ゴールに襲いかかる。59分には、その青木のオーバーラップで左サイドを突破し、最後は赤がクロスに合わせて1点差に詰め寄った。
しかし、その後が続かなかった。トニーニョ・セレーゾ監督は攻撃的な選手を送り込んで一方的に攻め続けたが、守備を固める川崎からあと1点が奪えなかった。
鹿島はこれで6勝4分7敗と、負け越して第1ステージを終えた。一方の川崎はリーグ戦3連勝と、良い流れで前半戦を折り返している。
【チーム採点・寸評】
鹿島 5.5
川崎のパスワークに翻弄され続けた前半は、完全に相手ペース。持ち直した後半は押し込み続けただけに、あと1点が欲しかった。
川崎 6
最終ラインからしっかりパスをつないでチャンスメイク。劣勢に回った後半に課題は残るも、粘り強く守って勝ち切った点は評価できる。
【鹿島|採点・寸評】
GK
1 佐藤昭大 5.5
失点はいずれもGKにとっては厳しいもの。フィードの精度やバックパスの処理に不安はなかった。
DF
22 西 大伍 5.5
出しどころがなく、ビルドアップに迷いが見えた。押し込んだ後半は、高い位置に進出して前線をサポートした。
23 植田直通 5.5
相手FWに起点を作られた前半の出来はマイナス材料。後半はヘッドを味方につなげてマイボールにするなど、空中戦ではほぼ無敗だった。
4 山村和也 5
前線との連動性を欠いてコンパクトな陣形を保てなかった。ビルドアップにも貢献できずにパスミスの直後に無念の途中交代。
3 昌子 源 5.5
レナトのカットインを許すなど、前半は後手を踏む守備に終始したが、試合途中にCBにスライドしてからは安定感を取り戻した。
MF
5 青木 剛 6
アグレッシブな姿勢を打ち出した後半に本領を発揮。左サイド深くまで侵入し、左足クロスで赤のゴールを演出した。
40 小笠原満男 5.5
中央に流れてきたエウシーニョのマークを外して先制点を献上。何本か有効な縦パスを入れたが、フィードミスも目立った。
33 金崎夢生 6
鮮やかな左足のミドルで1ゴール。闘志漲るチェイシングと球際で、62分に交代するまで戦い続けた。
7 カイオ 5.5
突破を仕掛けては奪われていた前半から一転。後半は巧みなキープで攻撃のリズムに変化を付けた。強烈なミドルが枠を捉えていれば……。
8 土居聖真 5
CFとのコンビネーションプレーがほとんどなく、相手の脅威になれたとは言い難い。ダイアゴナルなランニングの回数をもっと増やしたい。
FW
18 赤秀平 6
前半はスペースへ走ってボールを受けても潰されたが、後半にクロスをニアで合わせてゴール。終盤のチェイシングも見事だった。
交代出場
MF
13 中村充孝 5
トップ下と右サイドでプレーしたが、ドリブル突破以外に見どころなし。球離れが悪く、不用意にボールを奪われた。
DF
17 鈴木隆雅 6
左SBでJ1デビュー。タイミング良く前線をサポートしつつ、素早い帰陣でピンチも防いだ。
MF
10 本山雅志 5.5
引いた位置から縦パスを狙ったが、ゴール前を固める川崎の隙を見出せなかった。アバウトなクロスを上げるなど、らしくないプレーも。
監督
トニーニョ・セレーゾ 5
追い上げムードの後半に鈴木隆を送り込んで経験を積ませたのは、次につながる一手だ。しかし、エリア内で勝負できる金崎を下げた点は疑問が残る。
アウトサイドで合わせた赤⑳のゴールで鹿島は勢い付いたが、次の1点が奪えなかった。 写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)
豪快なミドルを沈めたレナトをMOMに。
【川崎|採点・寸評】
GK
1 新井章大 6
2失点したものの、GKとしての過失はなし。的確なポジショニングでミドルに対応した。
DF
17 武岡優斗 6
スピードを活かして広範囲をケア。球際も強く、サイドへ抜け出した赤をたびたび潰していた。
4 井川祐輔 6
ボランチにタイミング良くボールを預けて攻撃のテンポを作った。守備でも危険なエリアを察知し、カバーリングでピンチを救った。
20 車屋紳太郎 6
余裕を持ってルックアップし、効果的な縦パスを供給。押し込まれた後半は、粘り強く対応してボックス内への侵入を防いだ。
MF
5 谷口彰吾 6
CBから引き出したボールを堅実にサイドへ展開するだけでなく、バイタルエリアで浮いたレナトを見逃さずに縦パスを入れ、2点目につなげた。
19 森谷賢太郎 6
前半にペースを握ったのは、この男の守備があったから。相手ボランチにプレッシャーをかけて自由な配球を許さなかった。
18 エウシーニョ 6
タイミング良く中央に侵入して貴重な先制点。守備に回っても身体を張ったファウルすれすれのプレーで突破を許さなかった。
8 小宮山尊信 5
中央へ持ち込んでからの右足クロスでエウシーニョのゴールを演出。レナトとの連係も良く、左サイドで起点になった。
FW
15 船山貴之 5.5
カウンターで右サイドを抜け出し、グラウンダーのクロスで大久保のゴールをアシスト。結果的に、このゴールが決勝点になった。
10 レナト 6.5
左足での高精度ミドルは圧巻。劣勢の後半は消える時間もあったが、ボールが渡ればなにかが起こる期待感があった。
13 大久保嘉人 5
バイタルエリアでボールを受けて起点に。引き気味の位置取りだったためにゴール前でのプレーは少なかったが、それでも1ゴールを挙げる勝負強さはさすがだ。
交代出場
MF
16 大島僚太 5.5
配球に淀みはなかったが、守備面には課題も。相手ボランチへのプレスが甘く、押し込まれる一因になった。
FW
小林 悠 6
ハードにアップダウンし、守備のタスクをまっとう。攻撃では巧みに身体を使ってタメを作るも、味方の押し上げが遅く孤立気味に。
MF
14 中村憲剛 -
3トップの一角で出場。バックパスを織り交ぜて展開を落ち着かせようとしたが、効果は薄かった。
監督
風間八宏 6
3連勝で第1ステージをフィニッシュ。森谷の交代は失敗だったようにも映るが、結果的に逃げ切った点は評価すべき。
サッカーダイジェストの五十嵐氏による川崎戦の寸評である。
ゴールを記録した金崎夢生、赤に加え、攻守に走ったアシストの青木、鹿島デビューの隆雅によい評価が与えられておる。
ゴール二つはゴラッソであり、美しかった。
また、ボランチとしてよく走った青木はトラッキングデータでも走行距離No.1である。
そして隆雅である。
足の速さはアピール出来た。
あとは経験であろう。
練習に励み、出場機会を増やしていくのだ。
楽しみにしておる。
五十嵐創(サッカーダイジェスト)
2015年06月28日
攻め続けた後半に可能性は感じたが…。
【警告】鹿島=小笠原(29分)、金崎(32分) 川崎=エウシーニョ(57分)、大久保(64分)、小宮山(79分)、武岡(90+3分)
【退場】鹿島=なし 松本=なし
【MAN OF THE MATCH】レナト(川崎)
【試合内容】
柴崎を怪我で欠いた鹿島はプレスがまったくハマらずに、立ち上がりから川崎にペースを握られた。
開始8分にエウシーニョに裏を取られて先制点を奪われると、34分には右サイドにポジションチェンジしたレナトに切り込まれ、ミドルを決められる。44分に金崎が1点を返したが、ハーフタイムを挟んだ後半立ち上がりにも失点。カウンターから大久保に3点目を奪われた。
鹿島はこの3失点目でようやく目が覚めたのか、そこから猛反発を見せた。小笠原と青木の2ボランチを起点に、カイオや金崎がサイドから仕掛けて川崎ゴールに襲いかかる。59分には、その青木のオーバーラップで左サイドを突破し、最後は赤がクロスに合わせて1点差に詰め寄った。
しかし、その後が続かなかった。トニーニョ・セレーゾ監督は攻撃的な選手を送り込んで一方的に攻め続けたが、守備を固める川崎からあと1点が奪えなかった。
鹿島はこれで6勝4分7敗と、負け越して第1ステージを終えた。一方の川崎はリーグ戦3連勝と、良い流れで前半戦を折り返している。
【チーム採点・寸評】
鹿島 5.5
川崎のパスワークに翻弄され続けた前半は、完全に相手ペース。持ち直した後半は押し込み続けただけに、あと1点が欲しかった。
川崎 6
最終ラインからしっかりパスをつないでチャンスメイク。劣勢に回った後半に課題は残るも、粘り強く守って勝ち切った点は評価できる。
【鹿島|採点・寸評】
GK
1 佐藤昭大 5.5
失点はいずれもGKにとっては厳しいもの。フィードの精度やバックパスの処理に不安はなかった。
DF
22 西 大伍 5.5
出しどころがなく、ビルドアップに迷いが見えた。押し込んだ後半は、高い位置に進出して前線をサポートした。
23 植田直通 5.5
相手FWに起点を作られた前半の出来はマイナス材料。後半はヘッドを味方につなげてマイボールにするなど、空中戦ではほぼ無敗だった。
4 山村和也 5
前線との連動性を欠いてコンパクトな陣形を保てなかった。ビルドアップにも貢献できずにパスミスの直後に無念の途中交代。
3 昌子 源 5.5
レナトのカットインを許すなど、前半は後手を踏む守備に終始したが、試合途中にCBにスライドしてからは安定感を取り戻した。
MF
5 青木 剛 6
アグレッシブな姿勢を打ち出した後半に本領を発揮。左サイド深くまで侵入し、左足クロスで赤のゴールを演出した。
40 小笠原満男 5.5
中央に流れてきたエウシーニョのマークを外して先制点を献上。何本か有効な縦パスを入れたが、フィードミスも目立った。
33 金崎夢生 6
鮮やかな左足のミドルで1ゴール。闘志漲るチェイシングと球際で、62分に交代するまで戦い続けた。
7 カイオ 5.5
突破を仕掛けては奪われていた前半から一転。後半は巧みなキープで攻撃のリズムに変化を付けた。強烈なミドルが枠を捉えていれば……。
8 土居聖真 5
CFとのコンビネーションプレーがほとんどなく、相手の脅威になれたとは言い難い。ダイアゴナルなランニングの回数をもっと増やしたい。
FW
18 赤秀平 6
前半はスペースへ走ってボールを受けても潰されたが、後半にクロスをニアで合わせてゴール。終盤のチェイシングも見事だった。
交代出場
MF
13 中村充孝 5
トップ下と右サイドでプレーしたが、ドリブル突破以外に見どころなし。球離れが悪く、不用意にボールを奪われた。
DF
17 鈴木隆雅 6
左SBでJ1デビュー。タイミング良く前線をサポートしつつ、素早い帰陣でピンチも防いだ。
MF
10 本山雅志 5.5
引いた位置から縦パスを狙ったが、ゴール前を固める川崎の隙を見出せなかった。アバウトなクロスを上げるなど、らしくないプレーも。
監督
トニーニョ・セレーゾ 5
追い上げムードの後半に鈴木隆を送り込んで経験を積ませたのは、次につながる一手だ。しかし、エリア内で勝負できる金崎を下げた点は疑問が残る。
アウトサイドで合わせた赤⑳のゴールで鹿島は勢い付いたが、次の1点が奪えなかった。 写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)
豪快なミドルを沈めたレナトをMOMに。
【川崎|採点・寸評】
GK
1 新井章大 6
2失点したものの、GKとしての過失はなし。的確なポジショニングでミドルに対応した。
DF
17 武岡優斗 6
スピードを活かして広範囲をケア。球際も強く、サイドへ抜け出した赤をたびたび潰していた。
4 井川祐輔 6
ボランチにタイミング良くボールを預けて攻撃のテンポを作った。守備でも危険なエリアを察知し、カバーリングでピンチを救った。
20 車屋紳太郎 6
余裕を持ってルックアップし、効果的な縦パスを供給。押し込まれた後半は、粘り強く対応してボックス内への侵入を防いだ。
MF
5 谷口彰吾 6
CBから引き出したボールを堅実にサイドへ展開するだけでなく、バイタルエリアで浮いたレナトを見逃さずに縦パスを入れ、2点目につなげた。
19 森谷賢太郎 6
前半にペースを握ったのは、この男の守備があったから。相手ボランチにプレッシャーをかけて自由な配球を許さなかった。
18 エウシーニョ 6
タイミング良く中央に侵入して貴重な先制点。守備に回っても身体を張ったファウルすれすれのプレーで突破を許さなかった。
8 小宮山尊信 5
中央へ持ち込んでからの右足クロスでエウシーニョのゴールを演出。レナトとの連係も良く、左サイドで起点になった。
FW
15 船山貴之 5.5
カウンターで右サイドを抜け出し、グラウンダーのクロスで大久保のゴールをアシスト。結果的に、このゴールが決勝点になった。
10 レナト 6.5
左足での高精度ミドルは圧巻。劣勢の後半は消える時間もあったが、ボールが渡ればなにかが起こる期待感があった。
13 大久保嘉人 5
バイタルエリアでボールを受けて起点に。引き気味の位置取りだったためにゴール前でのプレーは少なかったが、それでも1ゴールを挙げる勝負強さはさすがだ。
交代出場
MF
16 大島僚太 5.5
配球に淀みはなかったが、守備面には課題も。相手ボランチへのプレスが甘く、押し込まれる一因になった。
FW
小林 悠 6
ハードにアップダウンし、守備のタスクをまっとう。攻撃では巧みに身体を使ってタメを作るも、味方の押し上げが遅く孤立気味に。
MF
14 中村憲剛 -
3トップの一角で出場。バックパスを織り交ぜて展開を落ち着かせようとしたが、効果は薄かった。
監督
風間八宏 6
3連勝で第1ステージをフィニッシュ。森谷の交代は失敗だったようにも映るが、結果的に逃げ切った点は評価すべき。
サッカーダイジェストの五十嵐氏による川崎戦の寸評である。
ゴールを記録した金崎夢生、赤に加え、攻守に走ったアシストの青木、鹿島デビューの隆雅によい評価が与えられておる。
ゴール二つはゴラッソであり、美しかった。
また、ボランチとしてよく走った青木はトラッキングデータでも走行距離No.1である。
そして隆雅である。
足の速さはアピール出来た。
あとは経験であろう。
練習に励み、出場機会を増やしていくのだ。
楽しみにしておる。
十分背丈もあるし、2ndは山本を追い越す気持ちでいってほしい
来年は左SB補強に動かなくていいぞ、とアピールして欲しいですね。